JPEG XLとパレートフロント
- libjxl バージョン 0.10 をリリース: JPEG XL の参照実装である libjxl の新バージョンがリリースされた。このバージョンの主な改善点は、「ストリーミングエンコーディング」API の完全実装。
- ストリーミングエンコーディング API: 大きな画像を「断片」に分けてエンコードできるようになる。画像全体を一度に処理する代わりに、メモリ効率のよい方法で処理できる。
可逆圧縮: メモリ使用量と速度の大幅な改善
- libjxl バージョン 0.9 比の改善: 以前のバージョンでは、可逆 JPEG XL エンコードはメモリ集約的で時間もかかっていた。大きな画像のエンコード時には深刻な問題が発生する可能性があった。
- NASA の地球夜間画像の例: 13500×6750 サイズの画像を圧縮するのに、libjxl 0.9 では約 8GB の RAM と 2 分以上を要した。libjxl 0.10 にアップグレードすると、0.7GB の RAM と 30 秒で圧縮できる。
- さまざまな effort 設定の結果: 表を通じて、さまざまな effort 設定(e1〜e9)に応じたメモリ使用量、時間、圧縮サイズの比較を提供。effort 設定を上げるほど圧縮は改善するが、その改善は非線形である。
パレートフロント
- 圧縮技術の比較: 圧縮ファイルサイズだけでなく、エンコード速度も重要である。圧縮密度とエンコード速度という 2 つの次元を考慮する必要がある。
- パレート最適: 別の方法で、同じ圧縮密度をより短い時間で達成できない場合を指す。パレート最適な方法は、与えられた時間予算に対して最小のファイルを提供する。
- パレートフロントの可視化: エンコード速度と圧縮密度を示すチャートとして可視化。さまざまな画像セットを用いて平均速度と圧縮密度を比較する。
非写真画像
- テスト画像選定の重要性: 画像の大半が写真である場合、自然なノイズのため圧縮が難しい。
- 漫画画像の場合: 非写真画像は写真よりもはるかによく圧縮できる。漫画画像は約 4bpp まで圧縮可能。
- libjxl の改善: 新しいバージョンの libjxl は、以前のバージョンよりもはるかに高速で、圧縮率も優れている。
非可逆圧縮について
- 非可逆圧縮ベンチマーク: 圧縮サイズと速度だけが重要となる。画像品質は 3 つ目の次元として考慮すべきである。
- 非可逆画像コーデックとエンコーダの性能: 品質ポイントによって挙動が異なる場合がある。高品質エンコードでうまく機能するエンコーダが、必ずしも低品質エンコードでもうまく機能するとは限らない。
非可逆パレートフロント
- テストされたエンコーダ: libjpeg-turbo、sjpeg、mozjpeg、jpegli、libavif / libaom、libjxl、libwebp、libheif など、さまざまなエンコーダの最新バージョンをテスト。
- 中品質: SSIMULACRA2 スコア 60 に対応する設定での結果。画像の忠実度よりもページ重量の削減が重要な場合に最も関連性が高い。
- 中高品質と高品質: SSIMULACRA2 スコア 70 および 85 に対応する設定での結果。高品質ポイントでは JPEG XL が主にパレートフロントを占める。
結論
- libjxl バージョン 0.10 の改善: メモリ消費量が大きく減少し、特にマルチスレッド可逆エンコード速度が向上した。
- JPEG XL の位置づけの確立: 高品質から視覚的にほぼ無劣化な品質に至るまで、さまざまな速度設定でパレート最適であることを確認。
- JPEG の根強い魅力: 新しい jpegli エンコーダは速度と圧縮の両面で改善をもたらす。非常に高速なエンコードが必要な場合、依然として最良の選択肢になりうる。
- Cloudinary の貢献: 画像圧縮分野における最新技術と知見の適用を通じて、最良のユーザー体験を提供することに積極的に関与している。
GN⁺の意見
- libjxl 0.10 のリリースは、画像圧縮技術における重要な前進を示している。特に大きな画像を扱う際のメモリ使用量とエンコード速度の大幅な改善は、ユーザーに大きな利点をもたらすだろう。
- JPEG XL がさまざまな品質と速度でパレート最適であることを強調している点は、ユーザーが画像品質とファイルサイズの間で最適なバランスを見つける助けになるという意味で有用である。
- 批判的な視点で見ると、libjxl のような新技術の採用は既存インフラとの互換性の問題を引き起こす可能性がある。したがって、既存システムとの統合性を考慮した段階的な導入が必要である。
- 画像圧縮技術を選択する際には、エンコードおよびデコード速度、ファイルサイズ、対応するプラットフォームやデバイスなど、複数の要素を考慮する必要がある。JPEG XL は高品質画像圧縮において魅力的な選択肢だが、すべてのユーザーやシステムで広くサポートされているわけではない。
- この技術導入によるメリットは、メモリ使用量の削減、エンコード速度の向上、ファイルサイズの縮小などであり、デメリットは既存システムとの互換性の問題や新技術に対する学習コストとなりうる。
2件のコメント
jpegliエンコーダがmozjpegに続いて、またしてもjpgを延命させていますね...
JXL陣営が作ったものですが、皮肉にもJXLの普及を妨げることになるかもしれませんね...
Hacker Newsのコメント
WebPフォーマットの可逆圧縮性能は非常に優れている
低品質設定におけるJPEGのディテール保持能力への評価
JPEG XLフォーマットの詳細情報を探す利用者の難しさ
エンコード速度に焦点を当てた記事への疑問
JPEG XLの品質と圧縮能力への評価
JPEG XLプロジェクトによって開発された新しい並列処理ライブラリ
QOIフォーマットの含有に対する反応
libjxlの新バージョンがメモリ消費を大幅に削減
JPEG XLを使って古いJPEGファイルを再圧縮する際の利点
可逆AVIFでさらに節約できる可能性への言及