オンタリオ州の家庭医、AIノート作成技術で仕事を継続
(globalnews.ca)AI技術を活用した医師ノート作成自動化
-
2023年の夏、スカボロの忙しい医療クリニックで働く家庭医のRosemary Lall博士は限界に達した
- 約30年間働く中で、Lall博士は患者関連の書類作業に埋もれ、貴重な家族の時間が奪われるため辞めたいと感じるようになった
- 患者体験より「事後業務」といった作業が増えたことで、勤務を避けるようになった
- オンタリオ州の電子医療記録システムに入力しなければならない必須の記録保管作業があったため、勤務をためらうようになった
-
医師は患者チャートを更新し、医療フォームを作成し、病欠証明書を発行し、専門医への紹介状を提供しなければならない
- 行政業務に1日最大2時間かかる
- オンタリオ州医師協会によると、家庭医は患者向けノート作成やフォーム記載を含め、週4時間を含めて週19時間を行政業務に費やすと推定される
AI技術を活用した医師ノート作成自動化ソリューション
-
Lall博士は「辞めるか、解決策を見つけるかのどちらかだった」と述べた
- 解決策は、医師のノートを模倣し、医師が手作業で作成しなければならない書類量を減らすよう設計された新しい人工知能ノート作成アプリだった
-
AI Scribeプログラムは、オンタリオ州医師協会のデジタル技術部門であるOntarioMDで運営され、医師が患者訪問中にノート作成の補助ツールを選べるようにしている
- 同意した患者は医師とともに病気について日常的な会話を行い、医師は身体検査中に自分の考えを口頭で述べる
- AI Scribeソフトウェアは、診察中にリアルタイムで文字起こしを作成して処理できる
-
予約後、AI Scribeがオンタリオ州の家庭医の標準要件であるSOAPノートをコンパイルする際に真価が発揮される
- 人工知能は、患者が伝えた主観的情報、医師が伝えた客観的情報、身体検査中に医師が口頭で述べた評価情報、患者の治療計画を分離する
- 4つの領域(主観的、客観的、評価、計画)がSOAPという略語を構成する
-
AI Scribeが情報を整理するのに数分しかかからないため、医師はSOAPノートがバックグラウンドで生成される間に他の患者へ進める
- 医師がノートに満足しない場合は、AIモデルに情報を再生成したり、カテゴリにより詳細を追加するよう要請できる
- ツールにはまだ不完全な点があるが、10か月間使った後で改善点が明らかに見られるようになった
政府の実証プログラムと懸念
-
フォード政権はこの技術に強い関心を示し、150人の家庭医が診療の一環としてAI Scribeを使える実証プログラムを発表した
- 保健大臣は、初期指標は有望だが政府が慎重に進めると強調した
- 患者はこれを高く評価しており、臨床医は効果を見ている
-
しかしながら、AI Scribeで収集されるデータ、プライバシー、悪用の可能性について一部から懸念が示されている
- 自由党の保健批評家であり医師のAdil Shamji博士は「適切に実装されなければかなりの懸念がある」と述べた
- 患者の機密保持、正確性の確保など重要な事項がある
- 最小限の監督で真に自動化された運用になる場合、非常に慎重に実装すべきだ
-
オンタリオ州NDPの保健批評家であるFrance Gélinasは、AIがオンタリオ州の「未来の医療の一部」になるだろうと述べる一方、慎重な管理が必要だと指摘した
- 提供者と患者との信頼関係を維持する必要がある
- まだその段階には至っていないが、適切なステップを踏みながら実証事業をまとめ、学んだことを確認すべきだ
変化した生活
- Lall博士は29年間家庭医として働いてきたが、AIノート作成ソフトのおかげで、昨年のクリスマスが患者ノート更新の必要で邪魔されなかった初めての祝賀行事だったと語った
- 「これは私の生活を大きく変えました。私を本当に幸せにしてくれました。」
- 「もう戻ることはないでしょう。」
GN⁺の意見
- 医師の事務作業負担を減らし、患者により集中できるようにする技術である。一方、医師と患者のラポール形成や感情的な共感には限界があるだろう
- 患者診療データを扱う以上、個人情報保護とセキュリティが極めて重要だ。データの匿名化、アクセス制御、監査トレースなどは必須だ
- 医師の専門性を補助するツールとして用いられるべきで、医師を完全に置き換えることは望ましくない。医学的判断が必要な場合は、医師が直接レビューし修正する手順が必ず必要だ
- 音声認識や自然言語処理技術の進歩速度を踏まえると、継続的な更新と高度化が求められる。また、医師一人ひとりの診療スタイルに合わせてカスタマイズできることも必要になる
- 他国でも同様の試みが行われていると予想される。グローバルな事例を参考に長所と短所を把握し、国内医療環境に合う規制とガイドラインを作ることが必要だろう。
まだコメントはありません。