PS2エミュレータの検出: 1*XがXと等しくないとき
PS2の浮動小数点演算の問題
- PS2のVU(ベクターユニット)で乗算命令(MUL、MULi など)を使うと、1を掛けた結果が元の値と一致しないことがある。
- これはVU開発者マニュアルでも言及されている内容で、1ビットの演算誤差が発生する可能性がある。
- 正確な理由は不明だが、PS2のソフトウェア浮動小数点を実装する人はこれに対処する必要がある。
この問題を利用したエミュレータ検出
- この問題を引き起こす数値を見つけることが最初の段階である。
- 0.5刻みで増加する最初の250個の数値のうち、129.5がこの問題を引き起こす数値である。
- 以下のコードは、129.5と1を掛けた結果が元の値と異なるかどうかを確認する方法を示している。
int isVUMulErrorPresent() {
float in[4] __aligned(16) = {129.5f, 0.0f, 0.0f, 0.0f};
float out[4] __aligned(16) = {0.0f, 0.0f, 0.0f, 0.0f};
asm __volatile__(
"QMTC2 %1, $vf1\n" // VF1に129.5fを設定
"VADDw $vf2, $vf0, $vf0w\n" // VF2 = vf0[w] = 1
"VMUL $vf1, $vf2, $vf1\n" // VF1 = 1 * 129.5f
"QMFC2 %0, $vf1\n" // 結果をEEにロード
: "=r"(out[0])
: "r"(in[0]));
return in[0] != out[0];
}
- このコードは、1と129.5を掛けた後に結果を確認することで、エミュレータがこの問題を正しく処理できていないかどうかを検出する。
- 現時点では、どのエミュレータもこの挙動を正確にエミュレートできていない。
GN⁺の見解
- PS2エミュレータの限界: この記事は、PS2エミュレータが実機とまったく同じようには動作しない特定の事例を示している。これはエミュレータ開発者にとって重要な情報になりうる。
- 浮動小数点演算の複雑さ: 浮動小数点演算はハードウェアごとに異なる形で実装されうる。これはソフトウェア開発者がさまざまなプラットフォームでコードをテストする際に考慮すべき重要な要素である。
- デバッグツールとしての活用: このような検出方法は、エミュレータの正確性をテストするデバッグツールとして活用できる。これはエミュレータの品質向上に貢献しうる。
- 他のエミュレータとの比較: この記事では、複数のエミュレータ(PCSX2、Play!、DobieStation、hps2x64)のいずれもこの問題を正確にエミュレートできていないと述べている。これはエミュレータ選びの重要な参考情報になりうる。
- 今後の改善可能性: このような問題を解決するための研究と開発が進めば、より正確なエミュレータが登場する可能性がある。これはゲーム保存とアクセシビリティの観点から前向きな影響をもたらしうる。
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