- BPSはGPSを代替できる放送ベースの測位システムで、ATSC 3.0信号を活用して高精度のタイミングを提供する
- GPSとBPSは10ns以内の精密な同期を実現し、放送インフラを活用した新たな試みである
- 電力網、通信、放送などさまざまな分野でタイミング精度が重要であるため、GPS代替手段として注目されている
- BPSは米国内の一部TV放送局で実験的に導入されており、今後ATSC 3.0の主要機能へ拡張される可能性がある
- IntelのTGPIO機能により、コンシューマー向けマザーボードでも精密な時間同期が可能になりつつある
放送展示会で見つけた新しいタイミング技術
- NAB Showで放送やライブ制作に使われる時間同期技術を学ぶために訪れた
- PPS(Pulse Per Second) GPS信号とTV放送信号を比較するデモブースを見つけた
- その放送信号はATSC 3.0ベースのBPS(Broadcast Positioning System) で、GPSと10ns以内の時間誤差を示していた
- 当初は聞き慣れなかったが、BPSについて知っている一部の登壇者や専門家が会場で紹介していた
BPSとは何か
- BPSは放送信号を活用して正確な時間同期を提供する実験的標準である
- ATSC 3.0信号を基盤としており、米国内の約1,700の放送局がアップグレード可能性を持つ
- 現在は少数の放送局でのみ実験的に運用中である
- GPSの代替手段として、通信、メディア、電力網などで重要なバックアップ役を果たす可能性がある
- GPS信号はジャミング(jamming)などの攻撃に脆弱である一方、放送ベースのBPSは地上インフラを利用するため補完的役割が期待される
ATSC 3.0とBPSのつながり
- ATSC 3.0はIPベースの新しい放送標準で、一部の都市では「NEXTGEN TV」の名称で送信されている
- BPSはこのATSC 3.0の構造を活用して正確な時間情報の伝達を試みる方式である
- 現時点ではテスト段階だが、今後さらに広い適用可能性が探られている
ハードウェアにおける時間同期の例
- ASUSブースでIntel CPUベースのコンシューマー向けマザーボードにPPS in/out機能が内蔵されているのを見つけた
- この機能はTGPIO(Time-Aware GPIO) というIntel技術と結び付いており、精密なタイミング制御が可能である
- 今後さらに詳しい内容はYouTubeチャンネルで扱う予定である
さらに知るための資料
5件のコメント
一部の停留所にUHD災害情報受信機が設置されているのを見ましたが、これもATSC 3.0方式なら、BPSをきちんと活用するには低い信号感度でも受信できる必要がありそうですね。
国内でも地方都市ではカバーされていない場所がかなりありますし、ほかの国の郊外都市はもっと深刻なのではないでしょうか?
GPSとはカバーされる範囲が違うのでは、という気もします。
NTPを使えばいいのではと思いましたが、放送ではマイクロ秒レベルの同期が必要なんですね。
ATSC 3.0 BPS vs. NTP 比較
技術基盤
• BPS: 放送電波ベース(ATSC 3.0物理層を使用)
• NTP: インターネットベースのTCP/UDPパケット
時間精度
• BPS: 数マイクロ秒(μs)レベル
• NTP: 数ミリ秒(ms)~数十ミリ秒
伝送経路
• BPS: 放送送信電波(地上波チャンネル)
• NTP: インターネット(WAN/LAN)
遅延/ジッター
• BPS: ほぼなし(放送同期された電波)
• NTP: 変動の可能性あり(ネットワーク品質の影響)
タイミングソース
• BPS: GPSなどの高精度基準から放送局が生成
• NTP: サーバーごとに異なる(精度にばらつき)
同期対象
• BPS: 放送受信機(TV、セットトップボックス、車両など)
• NTP: サーバー、クライアント、一般的なIT機器
独自の位置推定機能
• BPS: あり(位置 + 時間同期が可能、GNSSの代替が可能)
• NTP: なし(時間同期のみ可能)
オフライン利用
• BPS: 可能(放送受信さえできれば動作)
• NTP: 不可能(インターネット接続が必要)
三角測量方式で位置を判断する
距離を知るために時間を使う
時間を知るために時刻同期が必要
GPSのバックアップ用として、放送信号を使って時刻同期を行おうというアイデア
比較的長い長波に対応するには大きなアンテナが必要になりそう
バックアップ用としては使えそう?
でもインターネットもバックアップ用に使えるので、有用性があるのかは疑問? バックアップのバックアップ用?
Hacker Newsの意見
ATSC 3.0で、GPSのように個人でBPSのタイミング信号を受信できるようになってほしいという意見がある
ATSC 3.0は4Kをサポートしておらず、新しいハードウェアが必要である
地上ベースのGNSS代替手段が必要だという意見がある
ATSC 3.0がなくても、商用DTV送信で使われる発振器の短期安定性は十分だという意見がある
ATSC 3.0のチャンネルは暗号化されており、無料放送を視聴できなくなっている
FMやTV信号に依存するのか、それともプロトコルレベルのアイデアなのか気になるという意見がある
HackADayの関連記事リンク GPS Broken? Try TV!
既存アンテナを使うタイミングシステムを設計するなら、セルラー基地局を使う方がよいという意見がある
放送TVがこのシステムの基盤として使われていることに驚きを示す意見がある