- 製品煉獄(Product Purgatory)
- 製品を紹介すると、多くの人が褒めるものの購入を先延ばしにする言葉を口にする
- 創業者はこうした肯定的なフィードバックを、実際の製品検証だと勘違いしがち
- しかし実際には、顧客が本当に気に入っていても、結局は購入しない状況が頻繁に起こる
- ユーザーが製品を気に入っているのに購入しない状況こそがProduct Purgatory(製品煉獄)
- 魔法の杖(Magic Wand)テスト: 本当の需要があるかを確認する方法
- 完全無料で、導入・教育・セキュリティなどあらゆる問題を解決した状態で製品を提供すると仮定する
- それでも「いいえ」と答えるケースが多い
- これは、製品が実質的な価値を提供していても、リスク、時間、変化への負担がその価値を上回ることを意味する
- 例として、メールの機密漏えいを防ぐスタートアップがあったが、新興企業をメールシステムの中核に置くリスクのために失敗した
- 顧客が購入を検討するには、製品が提供する価値が**「導入コスト」よりはるかに大きくなければならない**
- Magic Wand Testを通過しても購入されないケース
- 製品がMagic Wand Testを通過し、顧客も実際に気に入っているのに、それでも購入には至らない
- 理由は、**今導入すべき理由、つまり緊急性(Urgency)**がないから
- 顧客には常に1〜3個の最優先課題があり、製品はその優先順位の外側にある
- 例として、Webサイトのアクセシビリティ(accessibility)は価値があり顧客も認めるが、多くの場合優先順位で8番目くらいの課題にすぎない
- このように、優先順位に入れない製品は、どれだけ良くても先送りされる
- 煉獄から脱出する方法: 今必要としている顧客を見つける
- 解決策は「価値があるか」ではなく、**「誰が今すぐ必要としているのか」**を見つけること
- 「アクセシビリティ」を例にすると、政府契約進出に向けた戦略を立てている会社では、アクセシビリティが優先順位1〜3になる
- 今すぐ必要としている条件を持つ顧客を定義し、それに合わせてマーケティングと製品を調整しなければならない
- 製品のマーケティング対象を「…そして今すぐ必要としている人」へと絞り込むことが核心
- 緊急性を見極めるための質問
- この戦略は会社の売上と直接結びついているか? : 規制順守、業界認証、公表済み戦略、市場参入、M&A など
- どんな危機が購買を引き起こすか? : 訴訟、役員交代、PR事件、アナリストの否定的評価、競合の攻勢 など
- どんな競争圧力が緊急性を生むか? : 競合機能のリリース、シェア拡大、技術変化 など
- どんな財務条件が緊急性を高めるか? : 予算消化、資金調達後に変わった期待、新設チームの編成 など
- こうした条件を持つ顧客をどう見つけるか? : CEOの発言、顧客の不満レビュー、公開された戦略変更、新規採用、業界レポート、規制変更 など
結論: 顧客を絞り込んでこそ道が見える
- どんな製品も、常に有用で、常に危険で、常に優先されるわけではない
- だからこそ、現在その製品を必要としている顧客層を見つけてこそ煉獄から脱出できる
- その層が小さすぎる、見つけにくい、予算がない、あるいは別の理由で行き詰まるなら、製品そのものの持続可能性が揺らぐ
- しかし、小さなターゲットから始めても波及効果は期待でき、集中した戦略が成果を生み出せる
7件のコメント
本当に共感します。
企業内でソリューションを導入する立場では、新しい技術が良さそうに見えるとその部分だけに注目しがちですが、実際には慣れ親しんだ業務のやり方を変えることに伴う難しさや、適応にかかる時間もあわせて考えなければならないという点で、本当に刺さる文章です。
> 製品のマーケティングターゲットを「…そして、まさに今必要としている人」に絞ることが重要です。
いつも共通して指摘される部分は、尖らせろということのようです。
よく読みました。
ありがとうございます。
良い文章を興味深く拝読しました。とても共感します。ひとつのサービスが成功したり失敗したりするには、本当にさまざまな理由があるのだと思います。
役に立つ文章ですね
有益です 👍🏻