MIT、arXiv上の「AIと科学的発見、そして製品イノベーション」論文の撤回を要請
(economics.mit.edu)- 2024年11月にarXivへ投稿されたプレプリントに研究インテグリティ上の懸念が生じたことを受け、MITは内部の非公開審査の後、この論文は公開の議論から撤回されるべきだと判断した
- MITは研究記録を是正するため、arXivでの撤回表示を要請し、論文が投稿されていた The Quarterly Journal of Economics にも連絡した
- MIT Committee on Discipline は、データの出所・信頼性・妥当性および研究の真正性を信頼できないとみなし、arXiv Code of Conduct 違反の可能性にも言及した
- arXivへの撤回要請は通常、著者のみが提出できるため、MITは著者に要請したが、現時点で著者は撤回要請を出しておらず、すでにMIT所属でもない
- Daron Acemoglu と David Autor は、この未公表論文がAIと科学に関する議論にすでに影響を与えているため、学術的・公的な議論で当該結果に依拠すべきではないと述べた
MITが問題視した論文と撤回手続き
- 2024年11月にarXivへ掲載されたプレプリント「Artificial Intelligence, Scientific Discovery, and Product Innovation」について、研究インテグリティ上の懸念が浮上した
- MITは内部の非公開審査を経て、当該論文は公開の言説から撤回されるべきだと結論づけた
- 研究記録を是正するため、MITは2か所に連絡した
- arXiv: 論文を撤回状態として表示するよう正式に要請
- The Quarterly Journal of Economics: 当該論文が投稿されていたジャーナル
- MIT Committee on Discipline の arXiv 宛て書簡では、学生プライバシー保護法とMITの方針により審査結果は公開できないとしつつ、MITは以下の項目を信頼していないと明らかにした
- データの出所
- データの信頼性
- データの妥当性
- 論文に含まれる研究の真正性
- MITはこの判断に基づき、論文がarXivに残っていることが arXiv Code of Conduct に違反する可能性があるとみている
- MITが把握する arXiv の手続きでは、論文の撤回要請は論文著者のみが提出できる
- MITは著者に撤回要請の提出を指示した
- 現時点で著者は撤回要請を出していない
- MITはarXivに対し、可能な限り早く当該論文を撤回状態として表示するよう要請している
- プレプリントは定義上、査読を経ていない状態である
- MITは、当該出版物が研究上の議論で目立って取り上げられており、研究インテグリティ問題の影響を緩和するために正式な措置が必要だとみている
- 当該著者はもはやMITに所属していない
研究インテグリティ手続きと関係教授らの立場
- MITは、研究インテグリティが機関の使命の中核にあるとして、関連する懸念を評価するための方針と非公開手続きを備えている
- 関連方針は MIT policy page で確認できる
- 論文の脚注に名前が記載されている Daron Acemoglu と David Autor は別途見解を示した
- 問題の論文は、MIT経済学部の元博士課程2年の学生が執筆した
- 査読ジャーナルには掲載されていないが、AIと科学の文献で既に知られ、広く議論されている
- 両教授は時間の経過とともに研究の妥当性に懸念を抱くようになり、それをMITの適切な部署に伝えた
- MITは2月初旬、文書化された方針に従って内部の非公開審査を実施した
- 両教授もまた、学生プライバシー保護法とMITの方針により審査結果は公開できないが、データの出所・信頼性・妥当性と研究の真正性を信頼していないと述べた
- 未公表論文であっても、AIが科学に与える影響に関する議論や見通しに影響を及ぼしている以上、現時点では当該論文の結果を学術的または公的な議論の根拠にすべきではないとみている
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