- USB-C は単なる充電・ファイル転送用ではなく、さまざまな用途へ拡張できる 汎用性 に価値がある
- MCP(Model Context Protocol) はもともとAIアシスタント向けに設計されたが、実際には あらゆるデータソースとツール をつなぐ 汎用プラグインシステム になり得る
- NFT Base64 の事例のように、プロトコルは本来の目的を超えて、現実のデータを直接保存・活用する形へ 拡張 できる
- MCPサーバー が増えるほど、各アプリは個別の連携なしでも 多様な機能 を簡単に取り込める
- USB-CのようにMCPも「何でもつなげられる可能性の空間」として、予想外のイノベーション を生み出す土台になるだろう
MCP: An (Accidentally) Universal Plugin System (Or: The Day My Toaster Started Taking Phone Calls)
USB-Cと予期せぬ汎用性
- USB-Cは誰もが充電やファイル転送のためのものだと考えていたが、その構造のおかげで多様な用途 へ拡張できる
- 筆者の友人Rexがトースターをモニターにつないで、トースターに HDMI出力 機能を持たせた事例は、USB-Cの 無限の可能性 を示している
- これはUSB-Cが 電力やデータ規格 を意識せず、端子さえ合えば何でも接続できる構造だからだ
車のシガーソケットの原理
- 車の シガーソケット はもともとタバコの点火用だったが、今ではさまざまな 汎用電源ポート として使われている
- シガーソケットのように プロトコル は利用者の選択を制限せず、多様な用途を許容する
- MCPも これに似た拡張性 を持っている
MCPの再発見: 偶然に汎用プラグインシステムへ
- 一般に MCP(Model Context Protocol) はAIアシスタント(例: Claude)などがデータを活用するためのものだと知られている
- 公式ドキュメントにも「AIモデルを複数のデータソースやツールに標準的につなぐ」と明記されている
- しかし AI要素を取り除いて みると、MCPは「何であれ」異なるデータソースやツールへ接続する手段になる
- つまり本来の目的とは無関係に、汎用接続プロトコル になるということだ
The NFT Base64 Revelation
- NFTはもともと画像を 参照 するためのものだったが、ある時点から 参照そのものがデータになった
- プロトコル本来の趣旨が変わることで、図書館カードが実際の本の役割 を果たすようになった
- 本来の意図よりはるかに広い現実のデータを直接扱うツール へと変貌した
誰も予想しなかったネットワーク効果
- AI向けにMCPサーバーが増えるほど、誰でも追加開発なしに あらゆるアプリが新機能 を獲得する効果が生まれる
- たとえば誰かが Spotify MCPサーバー を作れば、運動アプリがMCPを通じて 自動でプレイリストを生成 できる
- 互いを知らない開発者やアプリ が自然につながり、皆が利益を得るネットワーク効果が発生する
- 各MCPサーバーは 汎用プラグイン として再利用できる
- 誰も計画していなかったのに、偶然の汎用プラグイン生態系 が生まれる
USB-Cの意味とMCPの哲学
- MCPはしばしば AIのUSB-C にたとえられるが、USB-C が特別なのは 単なるポート ではなく、何でも接続できる可能性の空間 だからだ
- USB-Cが電力、データ、映像、その他の未知の機能を受け入れるように、MCPも「AI用」ではなく「機能のためによく設計された穴」として、誰でもどんな機能でも接続できる
The Part Where I Tell You I'm Building Something
- 筆者は APM(Actions Per Minute) という作業管理アプリを開発中だ
- APMはプラグインシステムとして 完全にMCPサーバーだけ を使って動作する
- 利用者は欲しい機能を追加するたびにMCPサーバーを接続するだけでよい(例: スペルチェック、コーヒー自動注文、ゲームキャラクターのリアクションなど)
- これはアプリ自体が 流動的で多様な形 に変身できる構造だ
The Toaster Protocol Principle
- すべての 偉大なプロトコル は、最初の意図とは異なり、予想外の用途で使われること でイノベーションを生む
- HTTP: 学術論文用 → 文明のインフラ
- Bluetooth: ハンズフリー → 玄関ドアの解錠など
- USB: 入力機器 → 携帯扇風機の充電など
- MCPもまた、もともとはAIコンテキスト伝達用だが、本質的には あらゆるもの同士をつないでくれるプロトコル だ
- 予測不能なイノベーションを生み出す プラグイン生態系 の基盤であることを強調する
- まったく意図されていなかったが、トースターとモニターをHDMIでつなぐ時代 にぴったりの方式だ
まとめ
- PS: もしMCPサーバーで焼きたてのパンの香りを出すコンピューターを作ったら、ぜひ連絡してほしい
- PPS: APMのアーリーアクセス を公開しており、奇抜な試み と 創造的な実験 を歓迎している
- (どこかではプロトコルが本来の目的どおりに使われている。これはとても疑わしい)
4件のコメント
MCPサーバーの応答は、決まったスキーマがなく自然言語である場合が多いです。
この自然言語の応答を、LLMなしにプログラミング的に処理するのは難しいでしょう。
参考までに、mcp 2025-06-18 仕様に新たに structured tool output が追加されたことで、レスポンススキーマの記述が可能になりました。既存実装の mcp ツールはおっしゃるとおり大半が unstructured だと思いますが、今後の mcp ツールには期待できそうです。
Winterさん、ここでもまたお見かけしましたね(笑)
250618の仕様をフォローできていませんでした。ありがとうございます!
Hacker Newsの意見
私はこの記事とMCPプロトコルが本当に気に入っている。ただ、MCPを見るとどこかマイクロサービスやSOAを思い出す。新たな障害点を生み出す悪夢の再来にならないか心配でもある。一方で、エージェント導入のおかげで信頼性の向上がより自然に実現できるのではという期待もある
私はこの記事の考えに共感しているし、著者がMCPの使い方を少し外し気味に使っている点もとても面白いと思う。この発想の本当の核心は、これまでになかった新しいことを可能にするプロトコルが現れたこと自体ではない。実際、ほかのコメントにもあるように、MCPそのものは特別新しいわけでも興味深いアイデアでもない。本当に面白いのは、AIエージェントブームのおかげで相互運用性(Interoperability)が注目され、ベンダーロックインの問題が時代遅れのものとして扱われつつあることだ。この流れがどれくらい続くかは分からないが、今はかなり気分がいい
著者はMCPの汎用性に大きな期待をかけているが、正直、APIという概念そのものと何が違うのか疑問だ。MCPをRESTに置き換えても、記事の内容はそれほど変わらないのではないか。OS APIやPOSIX、Unixパイプとも類似している。もちろんMCPはそれらすべてよりずっとシンプルで汎用的だ。しかし本当の解決策は、その都度新しい抽象化を作ることではなく、基本に忠実でシンプルなソフトウェアを作ることではないかと思う
list-toolsという組み込みコマンドが存在することだ。REST APIではリソース一覧化にさまざまな方法があるが、MCPでは一つの標準化された方法だけが提供されるMCPをすごいと言う人は多いが、実際にすばらしいものを作っている例はあまり見たことがない。ブロックチェーンブームの時と似た気分だ。結局、MCPもAIがもっと賢くなるまでの間に使う暫定策なのではないかと思う。2年もすれば、MCPの代わりにツールのドキュメントやOpenAPIをそのまま与え、AIが全コンテキストを直接処理する形へ自然に進化していくのではないか
私は、Microsoftがこれまで何度もやってきた "Embrace, Expand, Extinguish" 戦略がここでも適用されているのではないかと思う。システムの安定性とセキュリティを理由に、エージェントが管理なしで動的にツールを発見できるようにすると衝突リスクが高まるからだ。PydanitcAIなどの代替もあるが、結局MicrosoftはMCPを "Build 2025" で正式に推し出し、自分たちのペースで業界を主導している。Anthropicはツールが弱くガバナンスも不十分な状態で標準を出したので、Microsoftにとっては掌握しやすい構図だ。次の段階は、Microsoftが自社レジストリを業界標準にし、Windows特化のコマンドと結びつけるシナリオだろう。最後には、「セキュリティ」基準を自社に有利な形で左右し、競合を排除する絵が見えてくる
AI要素を完全に取り除いたらどうだろうか。もしAIミドルウェアなしでMCPサーバーに直接依存するようになると、すぐに後方互換性の問題に突き当たるのではという懸念がある。なぜなら、MCPサーバーは呼び出し側がAIアルゴリズムであることを前提にしており、ツールや入出力スキーマに基づく破壊的変更がいつ起きてもおかしくないからだ
私も似たように考えたことがあるが、実際にはMCPサーバーの多くは既存APIの新しいクライアントにすぎないのではないかと思う。たとえばKagi MCPサーバーはKagi APIを呼んでいるだけだ。それなら結局APIを直接使う方がよいのではないか。また、システム上にはMCPサーバーの数だけPythonインタープリタが増えていくことになるが、それらをまとめて一度にブリッジしてくれる「ホスティング」サービスが今後出てくるのではないかと気になる
/list-toolsというエンドポイントを一つ追加するようなものだ。すべてのクライアントはまず/list-toolsにアクセスして利用可能なツールの一覧を受け取り、その後それぞれのAPIを呼び出すcurlコマンドを投げるだけで済むという結論になった。OpenAPI仕様が十分によくできていれば、MCPは必須ではないかもしれない。もちろん既存APIがないなら、MCPサーバー自体が中核動作を実現する方向に進化すると見ることもできるコメント欄には懐疑的な見方が多くて共感する。先週MCPサーバーを自分で実装してみたが、正直「よく設計されている」とまで持ち上げるのは過大評価だと思う。MCPの目標の一つは「簡単に作れるようにすること」だが、実際にやってみるとそれほど簡単ではない。それでも重要なのは、今とても多くの開発者の視線が一方向に向いていることだ。こういうモメンタムの中では問題解決のスピードが非常に速くなりうる。また、何かに対してクリティカルマスが形成されてはじめてエコシステムが整うが、今まさにその変曲点が来ているように感じる。みんなに忍耐と幸運があることを願う
技術の採用と普及のために参入障壁を下げることが、歴史を通じて重要な役割を果たしてきた点を強調したい。MCPもその延長線上にあり、軽視すべきではない。私たちのチームでも、技術的バックグラウンドがまったくない人がファイル共有作業を自動化するエージェントを自分で使えた。もちろん以前なら、何百ものプログラミング言語やライブラリ、APIがなければ実現できなかったが、MCPのおかげで非専門家でも意識せずにすぐ解決できる時代になった。性能面で最高ではないし、最適な実装でもないが、こうした新しいやり方がもたらす価値は、現在のリソースと技術水準では前例がない。その点こそが本当の核心だ
「AIエージェントがWarcraft 3でPeonみたいに命令を受けて返事してくれたらいいのに」という冗談に対して、私はむしろヨットに乗っていたいと答えたい