EPA、主要なPFAS飲料水保護基準の撤廃を推進
(earthjustice.org)- 米国環境保護庁(EPA) が、飲料水中のPFAS(永遠の化学物質)保護規則をこれ以上維持しないと明らかにした内容
- EPA は連邦裁判所に対し、GenX、PFHxS、PFNA、PFBSの4種のPFAS化学物質に関する規制および基準の撤回を要請
- 一部の環境団体と弁護士は、この政策が議会の「飲料水基準の緩和禁止」法を迂回しようとする試みだと批判
- 実際にEPAはPFOS・PFOA基準の順守期限も2年延長する計画で、米国全土で約2億人以上がPFAS汚染リスクにさらされている
- 現在、環境団体と市民団体が初の全国規模のPFAS飲料水基準を引き続き法廷で擁護している
EPAによるPFAS飲料水基準後退の試み
米国環境保護庁(EPA)は、飲料水中のPFAS(永遠の化学物質)の安全基準を今後は擁護しないと正式に発表した。EPAは連邦裁判所に提出した文書で、GenX、PFHxS、PFNA、PFBSの4種類のPFAS化学物質に対する規制および拘束力のある基準を廃止するよう求めた。一方でEPAは、PFOAとPFOSの基準順守期限を2029年から2031年へと2年延長しようとしている。米国では約2億人以上がPFASで汚染された飲料水にさらされている状況にある。
法律面および環境団体の反応
環境団体と弁護士は、EPAの措置が議会から与えられた権限の限界を回避しようとするものだと指摘している。安全飲料水法(Safe Drinking Water Act)は、EPAが一度設定した飲料水基準を弱めることを明確に禁じている。EPAが自らはできない措置を、裁判所に迂回的に求めた格好だ。Earthjusticeの弁護士Katherine O’Brienは、今回の政策が国民の健康よりも化学業界と水道事業者の利益を優先していると批判した。NRDC(天然資源保護協議会)の弁護士Jared Thompsonも、EPAの今回の要請は法律の趣旨を損ない、PFASによる健康被害のリスクを無視するものだと懸念を示した。
市民および非営利団体の法的対応
Earthjusticeは、各地のコミュニティ団体と連携し、PFASに関する全米初の飲料水基準を法廷で積極的に防衛している。共同訴訟には、Buxmont Coalition for Safe Water、Clean Cape Fear など多数の地域団体が参加している。これらの団体は、化学業界と水道協会が起こした「基準撤廃」訴訟に対抗し、ワシントンD.C.連邦控訴裁判所で国民の健康を守るために介入している。
PFAS(永遠の化学物質)の背景
PFAS(有機フッ素化合物)は、数千種に及ぶ合成化学物質であり、耐熱性・撥水性・防汚性といった特性から、さまざまな消費財や工業製品に広く使われている。「永遠の化学物質」と呼ばれるのは、環境中で分解されにくく、人体や動物の体内に蓄積する性質を持つためである。ごく微量の曝露であっても、腎臓がん、精巣がん、肝臓・腎臓の損傷、ホルモンおよび脂質の変化、神経系・生殖系の健康異常など、深刻な健康被害と関連している。
EPAのPFAS規制の経緯
数十年にわたる環境保健団体の取り組みの末、EPAは2023年3月、飲料水中の6種のPFASに対する初の国家レベルの規制案を提案した。既存の技術でも飲料水からPFASを除去することは可能である。EPAは2024年4月、PFOAとPFOSについて安全な曝露量は存在しないとの基準を正式化し、最終基準には6種の化学物質ごとの個別基準と混合基準の両方が含まれた。この基準は、全米の水道事業者に対して5年間の最大履行期間(2029年4月までの順守)を与え、PFAS基準の順守状況を透明に公開するよう求めている。今回の規制は、数百万人の国民に影響する公衆衛生危機への遅れて始まった第一歩である。
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