- Zedチーム全体がZedエディタ内で週次ミーティングを実施し、画面共有と同時編集がリアルタイムで行われるコラボレーション環境を利用
- Zedは遅延のない応答性、集中を妨げないインターフェース、オフィスのように自然なコラボレーションを目標に設計されたコードエディタ
- CRDTベースの構造により、競合のない同時編集と低遅延を保証し、GitHub認証だけですぐに共同作業が可能
- コラボレーションパネルは、全社会議、プロジェクト別スペース、個人の集中スペースなどで構成され、仮想オフィス構造を形成
- この構造を通じてZedチームは、実際のオフィスがなくてもZedの中ですべての会議、開発、コミュニケーションを行い、未来型のマルチプレイヤー開発環境を志向している
Zed内で行われるコラボレーション構造
- Zed Industriesチームは毎週月曜日の正午に全体会議を行い、その全過程がZedエディタ内でリアルタイムに共有される
- 参加者は週次スケジュール、主要指標、ユーザーフィードバックなどを同時に編集しながら記録
- 複数のカーソルが1つのファイルを同時に修正する様子がリアルタイムで表示される
- Zedの中核目標は応答性、集中、協調性の3つとして定義されている
- コラボレーションは単なる機能ではなく、製品の中核DNAとして設計されている
コラボレーション機能の技術的基盤
- Zedは**CRDT(Conflict-free Replicated Data Type)**構造を採用し、すべての編集が競合なくマージされるよう設計
- ネットワーク遅延や場所に関係なく同じ状態へ収束
- 多人数が同時に編集しても性能低下なく維持
- GitHubアカウントでログインするだけで共同作業が可能で、別途拡張機能のインストールやリンク共有は不要
- 音声通話と画面共有機能を内蔵し、外部ツールなしでコミュニケーション可能
- このコラボレーションシステムは、Zedチームが自社の開発プロセスで直接使うために作った必須インフラ
コラボレーションパネルとチャンネル構造
- コラボレーションパネルは**「チャンネル(Channel)」ベースの仮想空間**で構成される
- チャンネルは階層構造で整理され、上位・下位チャンネルの作成が可能
- 各チャンネルには参加者アバター、ノート、音声コントロール、画面共有機能を含む
- チャンネルは公開(🛜)または制限付き(#️⃣)に設定でき、Guest / Member / Adminの権限体系が存在
- ユーザーは他のチームメンバーのアバターをクリックして、カーソル追跡または画面表示に切り替えられる
Zedが作った仮想オフィス
- Zedチームの**「オフィス」はコラボレーションパネルそのもの**であり、全社的な議論、プロジェクト協業、個人の集中スペースで構成される
- 全社会議スペース
this weekチャンネルで週次計画と指標レビューを実施
retrospectivesチャンネルでは6週間ごとに振り返りを行い、良かった点と改善点を投票で選定
demosチャンネルでは毎週金曜日にチームメンバーが機能やバグ修正の結果をリアルタイムでデモ
- プロジェクト別スペース
- 各プロジェクト(
git 1.0, edit predictions v2, delta db, cloud など)に専用チャンネルが存在
- チャンネルノートにはチームメンバー、目標、関連GitHubリンク、進捗状況が整理されている
- 下位チャンネルは詳細コンポーネントごとのミーティングスペースとして活用
- 一部のチャンネルは公開されており、外部ユーザーが閲覧可能
- 個人の集中スペース
peopleチャンネルの下に各チームメンバーが自分の名前で下位チャンネルを作り、個人作業スペースとして利用
- これは「集中モード」のシグナルとして機能し、必要に応じて同僚が自由に訪問可能
- このブログ記事も筆者の個人
blogチャンネルで下書きを作成
今後の方向性とビジョン
- 現在のコラボレーション機能は、Zed IndustriesをZed内で運営できるようにした基盤
- 長期的には、会話、編集、洞察がコードと結びついた持続的な協業環境を目指している
- 過去にはユーザー要望機能(エージェントツール、デバッグ、Windows・Git対応など)に注力していたが、
今後はマルチプレイヤー開発ツールとしての完成度向上に再び重点を置く
- コラボレーション機能は現在アルファ版で、すべてのユーザーに無料提供
- macOS、Windows、Linux向けのダウンロードを提供し、開発者を採用中
1件のコメント
Hacker Newsの意見
Zedが目指している方向性は気に入っているが、基本的な編集機能の安定性が足りないのがもどかしい
外部でファイルを修正してもプロジェクトウィンドウやgit diffに反映されず、コンテナ環境ではAI機能が壊れる
ACPも見た目は素晴らしいが、実際にはたいていのCLIより使いづらい
今はまたNeoVIMに戻っている。Zedが安定したら再挑戦するつもり
関連イシュー: github.com/zed-industries/zed/issues/38109
2025年の今では、システムを汚さずに再現可能なツールチェーンを構成する別の方法も多い
以前のAgentic editingデモは興味深かったが、今ではCLIツールのほうがはるかに効率的だ
自分は主にClaude code - plan modeで作業してからエディタで修正している。AI統合の有無はもはや大きな意味を持たない
大きなログファイルを見るときに非常に不便だ。エディタなら編集機能が最優先であるべきだ
それでもグローバル検索結果をそのまま修正できる点は良い
関連議論: github.com/zed-industries/zed/discussions/26344
コラボ機能はぜひ使ってみたいが、self-hostできる必要がある
プロジェクトデータがZedサーバーを通るなら、企業環境ではSLAなしでは許可されないと思う
参考: github.com/zed-industries/zed/issues/8260#issuecomment-1965463519
IDEにコミュニケーションツールやマルチプレイ機能が入るのは望まない
集中するために使う空間なのに、注意を散らす要素を持ち込みたくない
他のリモートペアプログラミングツールよりZedの品質のほうが良いと感じる
IDEを選ぶ基準は完璧さよりも拡張性と柔軟性だ
ペアプログラミングはほとんどせず、深刻なバグのときだけ共有が必要だった
Zed Proを購読しており、統合エージェント機能が気に入っている
ただし小規模チームでは、Zedチームが目指す「道具を作るための道具」という方向性は必ずしも必要ではない
自分が求めているのは軽くて速いコード探索・理解・修正体験だ
SwiftやKotlin対応より、ディレクトリパネルとアウトラインパネルを同時に見られるUIのほうが切実に必要だ
会社が統制するクラウドベースのコードエディタには不安がある
特にZoomやSlackのようなコラボツールが統合された形はなおさら避けたい
すべての商用IDEを拒否するのは少数意見だろう
Atomの性能問題をElectronのせいにするのは責任転嫁のように見える
VSCodeもElectronベースだが、はるかに速い。ブラウザも同じだ
そのため性能差が生じる
Web技術は素晴らしいが、性能面では限界がはっきりしている
Zedの大規模コラボ機能は興味深いが、リアルタイム集団コーディングは想像するだけでも気が重い
即時フィードバックと生産性への刺激効果があるかもしれない
ただし組織が強制しないのであれば、新しいパラダイムへ発展する可能性はある
画面共有よりずっと効率的だ
バージョン管理なしでリアルタイムに修正できる環境を想像している
Feature Toggleとホットスワップデプロイによって高速なフィードバックループを作れる
関連記事: martinfowler.com/articles/feature-toggles.html
機能は興味深いが、実際に使う機会はあまり多くない
以前PabloDrawで複数人が同時にANSIアートを作っていた体験を思い出す
VSCodeのコラボ機能も使ったことがあるが、会社の方針上self-hostの制約が多い
コラボサーバーがLSPのように標準化されて、複数のIDEで互換性があるとよい
VSCodeユーザーとも一緒に作業できるようになってほしい
Zedチームは社内では問題を感じないのだろうが、異種エディタ間の互換性が必要だ
以前のAtomのteletypeパッケージを覚えている人なら、コラボ編集の歴史を思い出すだろう
2000年代初頭のHydraとSubEthaEditがその始まりだった
今回は組織単位の共有が「新しいアンロック要素」に見える
関連リンク: SubEthaEditウィキ, Apple Design Awards 2003
「The Mother of All Demos」でも紹介されている
最近ではCRDTs技術が成熟し、リアルタイムコラボがはるかに安定している
参考: The Mother of All Demos, ZedブログのCRDT記事
今ではそうした「難易度の低いイノベーション」の機会が次第に減っているように感じる
Zedの試みは素晴らしいが、次世代エディタを作るのに必要な開発リソースはずっと大きくなった
今でも無料アプリとして残っているのがうれしい