やるべきことを忘れたり先延ばしにしたりする癖を改善する、17の実証済みの方法
(online.kru.community)これまでそばでコーチ役をしてきたアメリカ人やヨーロッパ人の起業家CEOたちのうち、およそ1/4から1/3ほどが共通して直したいと望んでいた癖があった。
それは、やるべきことを忘れたり先延ばしにしたりすることだ。
興味深いのは、彼らはADHDと診断されたわけではないものの、皆、自分がADHDなのではないかと疑っていたことだ。私自身も長いあいだ、自分はADHDなのではないかと疑っていたので、彼らのその疑念は特に興味深かった。
ADHDは西洋の心理学者たちが作り出した一種の「病名」であり、個人的にはあまり好まない言葉だ。だからこそ、ADHDがあるかないかを論じるよりも、起業家CEOたちがCEOとしての役割を果たす際に直面する障害のひとつである「やるべきことを忘れたり先延ばしにしたりする癖」を改善することに集中したい。
もし自分にこのような癖があるなら、自分が他人より何か劣っているからそうなのだと考えるのではなく、自然とそうならざるを得ない理由があるのだと仮定し(たとえば他人と脳の配線構造が違うなど)、その理由が何なのかを理解することが重要だ。そして、その理解をもとに、自分の文脈に合った改善策を見つける、あるいは作り出すことが健全だと思う。
もし投資家や共同創業者が、こうした自分の癖はあなたに何か足りないからだと決めつけているなら、その言葉を信じないでほしい。CEOという役割を果たすためにその行動を改善すべきことと、自分がひとりの人間として足りないこととは、まったく別の概念だからだ。ありのままの自分を尊重し、認め、愛すること、そしてそれをレバレッジとして活用することこそが、より優れたCEOへと成熟していく道だと私は強く信じている。
役に立つかもしれないので、ADHD専門ポッドキャスト ADHD Chatter の最近のエピソードで、司会のアレックス・パートリッジが話していた内容を翻訳してみる。
やるべきことを忘れたり先延ばしにしたりする癖を改善する、17の実証済みの方法 / アレックス・パートリッジ
- 方法 #17: 輪ゴムのブレスレットを使う
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個人的に脳が最も集中しやすい時間帯(例: 夜)に、翌日にやるべき5つの重要タスクを1つずつ輪ゴムのブレスレットに書く。
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朝に5本すべてを身につけ、タスクを思い出させる記憶補助装置として使う。
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タスクを完了したらそのブレスレットを外して器に入れ、5本すべて終えたら Amazon のウィッシュリストから何か買うなどして自分に報酬を与える。
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ボーナスのコツ: 朝にブレスレットを着けるのを忘れそうなら洗濯機の上に置いておき、洗濯しに行くときに着用を思い出せるようにする。
- 方法 #16: ボディダブリング (Body Doubling)
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物理的または仮想的な空間に他人がいると、その人のエネルギーを借りるような形で先延ばし癖を乗り越え、作業を始めやすくなる。
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例: 友人がソファに座っているだけでも、掃除を始めるエネルギーが湧く。
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例: Zoom 通話でお互いがメールを処理する様子を見守り合い、相互にアカウンタビリティを与える。
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執筆時には、ひとりでいるときよりもパートナーと一緒にいるときやコワーキングスペースにいるときのほうが動機づけられ、作業できた [63]
- 方法 #15: 冷凍の刻み野菜を買う
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生鮮の野菜や果物を買っておいても、食べるのを忘れるとすぐ傷み、金の無駄と健康的な食事の失敗につながる。
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あらかじめ刻まれた冷凍野菜を買えば傷まず保存しやすく、食事の準備もずっと楽になる。
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初期費用はやや高くても、実際に食べることになるので、長期的には節約になり健康維持にもつながる。
- 方法 #14: 歯ブラシをベッドのそばに置く
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ADHDの人は、ドーパミンが得られにくい歯みがきのような低効率・低ドーパミンの活動を、簡単に忘れたり先延ばしにしたりする。
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ベッドサイドテーブルに普段使いの歯ブラシや使い捨て歯ブラシを置いておき、寝る直前でもすぐ磨けるようにする。
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歯みがき粉がなくても、まったくやらないよりはよい。
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これは虫歯や高額な歯科費用を防ぐための、現実的な方法だ。
- 方法 #13. 仕分けボックスを使う
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仕分けボックスをあらかじめ用意しておくことで、片づけの複雑さを単純化する。例) クローゼットに3種類の仕分けボックスを置く。
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汚れもの: 洗濯が必要な服。
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きれい: すぐハンガーに掛けられる服。
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再着用可: 完全にきれいではないが、もう一度着られる服。
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このシステムは、服を床に置いたまま片づけを先延ばしにするのを防ぎ、不必要な洗濯も減らしてくれる。
- 方法 #12 重要な物をあちこちに配置する
- スマホの充電を忘れがちな場合は、家の中のさまざまな活動場所(キッチン、浴室など)にスマホ充電器を置いて、電池切れを防ぐ。
- 方法 #11: タスクを細かく分ける
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大きな課題に圧倒されて先延ばししないよう、小さな単位に徹底的に分解する。
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例: 家の掃除のような大きな課題を、シンクを拭く、リビングの一角だけ掃除機をかける、などに分ける。
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バーンアウトがひどい日にはさらに小さく分けるべきであり、それは恥ずかしいことではない。
- 方法 #10: とりあえず2分だけやる
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タスク全体の完了を目標にするのではなく、2分だけやると自分をうまくだまして、先延ばしのハードルを越える。
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例: 2分だけ掃除、2分だけメールに着手する
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いったん始めれば勢いが生まれ、ドーパミンが蓄積され、最終的にはタスクを完全に終えられる可能性が高くなる。
- 方法 #9: 「アイデア棚」を使う
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ADHDの人は、新しいアイデアに対する衝動的な興奮を抑えられず、すぐ行動に移してしまい、本来やるべきことを後回しにしがちだ。
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新しいアイデア(事業、趣味、人間関係など)が浮かんだら、比喩的な「アイデア棚」に載せて、すぐには行動しない方法がある。壁にポストイットを貼ってもいいし、スマホのアプリに書き留めてもよい。
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1週間後もそのアイデアがなお魅力的なら実行を検討し、衝動的な決断によるバーンアウトや後悔を防ぐ。
- 方法 #8: 位置情報ベースの通知を使う
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車のトランクにある再利用可能な買い物袋を忘れて持っていかず、スーパーで毎回使い捨ての袋を買ってしまう問題を解決する。
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Google Maps の位置情報ベース通知を設定して、スーパーの駐車場に入ったら「再利用バッグを持っていけ」という通知が鳴るようにする。
- 方法 #7: 「明日伝えるね」と言う: 断ることの回避と境界線の設定
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ADHDの人の多くは、拒絶に対する恐れ (Rejection Sensitive Dysphoria) も併せ持っており、相手に拒絶されないように相手を喜ばせようとする (People pleasing) 傾向を示す。
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そのため、他人の依頼に対してすぐ受け入れる返事をする代わりに、「明日伝えるね」と言って、反応と依頼のあいだに時間的な間隔を置くのがよい。
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これは、拒絶への恐れや人を喜ばせようとする傾向による過負荷を防いでくれる。
- 方法 #6: 置きっぱなしにせず、すぐ元の場所に戻す
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ストレスのある状況で物をそのへんに置いてしまい、瞬間的で衝動的な反射行動のあと、片づけるのを忘れてしまう問題を解決する。
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物をただ置くのではなく、すぐに引き出しや収納の「定位置」に戻す習慣をつけ、家の中が散らかるのを防ぐ。
- 方法 #5: 無料サブスクはすぐ解約する
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SaaS の無料トライアルに登録したらすぐに解約しておき、解約を忘れて自動更新され、想定外の自動課金が発生するのを防ぐ。
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特に解約手続きが複雑な場合(電話が必要など)は、ADHDの人にとって悪夢なので、登録直後に解約するのが最も安全だ。
- 方法 #4: 立ち去るときに振り返る
- 飛行機、列車、レストランなどで席を離れるたびに、必ず後ろを振り返って、置き忘れた物(特にノートPCなど)がないか確認する習慣をつける。
- 方法 #3: 2つのことを同時にやる
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モチベーションが最高潮のときに2つの作業を同時に処理し、あとでやるべきことを再び思い出す必要をなくして、効率を最大化する。
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例: 夕食の準備中、野菜が火を通るのを待っているあいだに、同時に家の掃除を始める。
- 方法 #2: 1分以内、または1曲のあいだに終わらせる
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掃除や洗濯機を空にするようなタスクを1分以内に終わらせると自分に挑戦状を出し、ゲーム感覚を加えることで先延ばしを防ぐ。
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より大きな課題は、いちばん好きな曲(約3分30秒)が終わるまでに完了することを目標にして、勢いを保つ。
- 方法 #1: 自己認識 (Self-Awareness) を育てる
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ADHDとは、気が散っていることではなく、その瞬間に興味のあることに対して注意が過剰に向いている状態だ。
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本当の問題は自己認識の未熟さであり、それは長いあいだ他人に合わせるために、自分をありのままに表すよりも「普通」に見えるよう仮面をかぶってきたからだ。
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仮面をかぶると短期的には集団活動がしやすくなるが、自分が本当は何者なのかわからなくなり、機会が来たときに賢い選択ができなくなる。
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自己認識を育てる方法: 毎日「今日、自分を幸せにしたこと/悲しくしたこと/簡単だったこと、難しかったこと」は何かを自分に問い、反射的な感覚に注目する。
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反射的な感覚は、仮面が働く前に、本当の自分が送っているシグナルだ。 (例: 雑誌を読んでいて舞台俳優のオーディションがあると知り、一瞬好奇心を覚えたが、子どものころ親に「役者なんてまともな仕事じゃないから興味を持つな」と言われたことを思い出し、その好奇心を押し殺してページをめくってしまう、など。)
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本当の自分を理解し、仮面を外したとき、はじめてその関心が自分の潜在力の爆発につながるなど、前向きな結果が複合的に現れる。
- ユーザー投稿のアイデア
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座らないこと: いったん座るとSNSにはまりやすいので、勢いがあるときは動き続けるべき。
予定は早い時間に入れる: 約束があるとその予定を待つ待機モードに入ってしまい、ほかの生産的なことができなくなるので、約束はできるだけ早い時間に入れるべき。 -
ボックス理論 (Box Theory): 掃除のとき、その部屋に属さない物はいったん箱に入れ、あとで処理することで、今その部屋の掃除だけに集中する。
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靴を履く: 靴を履くという行為そのものが、「作業モード」に入るための動機づけとドーパミンを与えてくれる。
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不快な服を着る: やりたくない課題から逃げられないように、いちばん不快なジーンズと靴を履き、課題完了後にそれを脱ぐことをご褒美にする。
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冷蔵庫に鍵を置く: 鍵を冷蔵庫に入れておけば、外出時に鍵を取るため冷蔵庫を開けることになり、昼食のお弁当を忘れずに済む(2つの作業を視覚的なリマインダーで結びつける)。
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常時ライブカメラを演じる: 映画『トゥルーマン・ショー』のように、自分の人生に観客がいると想像し、その前で怠けて見えないよう自分をコントロールする。
4件のコメント
本当にいい文章ですね。少ししたら必ず見なきゃ。
わあ、本当にいい文章ですね。あとで見なきゃ。
計画を立てるための計画を立てる――メタ計画を作ること。
最初は再帰ループにハマるのではと思って冗談のネタくらいに考えていたのですが、実際にやってみると意外とよかったです。
考えを整理するのに役立ち、計画がないせいで衝動的に過ごしてしまうのを防いでくれる気がします。
個人的には、何もしない日――何もしない時間(遊んだりだらだらしたりするのではなく、本当に「何も」しない)を作って、定期的に計画を立てる習慣をつけるのがよかったです。
結局のところ、要点はシステム化+記憶の外部化だと思います。意思決定や記憶に使うエネルギーを減らせるようにするのが目標です。
そして、先延ばしにしたり忘れてしまったりする習慣のせいで日常生活がつらかったり、バーンアウトになったりしたら、診療を受けるのも一つの方法です