- Kasava は、製品開発の全工程を 1つの モノレポ(monorepo) 内で管理し、コード・ドキュメント・マーケティング・運用データをすべて統合
- すべての変更が 単一コミット で反映され、バックエンド、フロントエンド、ウェブサイト、ドキュメントが同時に更新される構造
- AIツール がコード・ドキュメント・ウェブサイトを直接参照して、一貫性検証、自動ドキュメント更新、コンテンツレビューなどを実行
- CLAUDE.md、Selective CI/CD、独立した npm プロジェクト構造 などにより、大規模リポジトリの複雑さを最小化
- このアプローチは AIネイティブな開発文化 を強化し、製品・コンテンツ・運用の境界を取り払い、迅速なデプロイとコラボレーションを可能にする
AIネイティブ開発とモノレポの意味
- Kasava は、すべてのプラットフォーム構成要素を 1つの Git リポジトリ に統合し、コードだけでなくドキュメント・マーケティング・メール・投資資料まで含めている
- 例:
frontend/, backend/, website/, docs/, marketing/, external/ など、5,470個以上の TypeScript ファイルで構成
- AI がコードとドキュメントに同時にアクセスし、コンテキストベースの自動化 を実行
- ドキュメント修正、ウェブサイトの価格変更、ブログ検証などが AI との単一の会話で処理される
- すべての変更は同じ Git ワークフロー(
git push) でデプロイ
- コード、コンテンツ、ドキュメント、マーケティングが同一のレビュー・CI/CD・監査手続きを通る
- この方式は 速度と一貫性 を高め、「すべてをコードで管理する」文化を定着させる
1つのリポジトリに統合する理由
- 境界をまたぐ原子的変更(Atomic Changes)
- バックエンド API を修正する際、フロントエンドの型定義とドキュメントも同じコミットで更新
- 例: Asana 統合機能を追加する際、バックエンド・フロントエンド・ドキュメント・ウェブサイトが 1つの PR でマージされる
- 単一の信頼できる情報源(Single Source of Truth)
billing-plans.json 1つで料金プランの制限を定義し、すべてのサービスがこれを参照
- AI がバックエンド・フロントエンド・ウェブサイト間の一貫性を自動検証
- クロスプロジェクトのリファクタリング
- IDE でコード全体・ドキュメント・ブログのサンプルまで検索・修正可能
- 共有ツールとパイプライン
- 共通 CI/CD、依存関係、検索環境により管理を簡素化
リポジトリ構造と構成要素
- Core Application:
frontend/ は Next.js 16 + React 19 ベース、backend/ は Cloudflare Workers + Hono + Mastra を使用
- API 変更時に型安全性とテストユーティリティを共有
- Marketing:
website/, marketing/blogs/, investor-deck/, email/ を含む
- ブログ・メール・投資資料もすべてコードとしてバージョン管理され、
git revert でロールバック可能
- Documentation:
docs/ は Mintlify ベースの公開ドキュメント、docs-internal/ は内部アーキテクチャ文書
- コードと一緒に検索でき、Wiki の代わりにリアルタイムで最新情報を維持
- External Services:
- Chrome 拡張、Google Docs Add-on、GCP Functions など、外部にデプロイされるサービスを含む
- API 契約を共有することで、変更時に同時反映される
- Development Infrastructure:
github-simulator/, infra-tester/, scripts/ など、ローカル開発向けのモックサーバーやテストツールを含む
運用方法と開発文化
- ワークスペースを使わない
- 各ディレクトリを独立した npm プロジェクトとして維持し、依存関係の衝突を防止
- 選択的 CI/CD(Selective CI/CD)
- GitHub Actions がパスベースでトリガーされ、関連するテストだけを実行
- CLAUDE.md ルール
- 各主要ディレクトリに技術スタック、コマンド、アーキテクチャ上の決定を文書化
- AI アシスタントがこれを読んでプロジェクトの文脈を理解
- 一貫したツール設定
.prettierrc, .eslintrc, tsconfig.json などの共通設定を維持
課題と対応
- リポジトリのサイズ: 現在のクローン時間は約20秒で、Git の性能問題はない
- ビルド時間: 各プロジェクトを独立してビルドし、Turbopack・Wrangler・WXT により高速に再ビルド
- 権限の境界: 小規模チームでは全体にアクセス可能で、必要に応じて CODEOWNERS・ブランチ保護を適用可能
- コンテキスト切り替え: さまざまな言語(TypeScript, Apps Script, MJML) 間の切り替えは、CLAUDE.md と統一フォーマットで緩和
結論
- Kasava のモノレポは単なるトレンドではなく、コンテキスト統合によって生産性を最大化するためのツール
- バックエンド・フロントエンド・ドキュメント・マーケティングが 1つの変更として動作し、AI がこれをリアルタイムで検証
- 結果として、「モノレポは制約ではなく 加速装置(force multiplier) である」と機能する
1件のコメント
Hacker Newsの意見
これは会社全体を管理しているというより、単に 1つの製品(monorepo) に見える
財務、HR、契約書、チーム写真のようなものはなく、フロントエンド+バックエンド構成にマーケティング用フォルダが少し変わった形で含まれている程度だ
だからすべてを1つの repo に入れられるのだろうが、そういう状況で得られる「インサイト」の価値には疑問がある
たとえば 暗号化されたアーティファクト まで含めて、「暗号鍵は CEO だけが物理的に保有する」という形のように
GitHub が private folder の概念を追加してくれるとよいが、それは ACL の問題なので要求が大きすぎるかもしれない
私は monorepo と no development branch の哲学を支持する
ただし開発とリリースは分けるべきだ
安定版リリースを切って cherry-pick できる必要があり、フロントエンドとバックエンド間の API の安定性 は必ず維持されなければならない
メインブランチに直接開発するなら、さまざまな規模の作業をどう並行管理するのか気になるという
自分は 3 つ以上の製品を monorepo で運用しているが、安定リリース単位でデプロイしても問題はなかったという
git squash は嫌いで、forking 方式 の方が開発者により自由な環境を与えると述べていた
「1回の変更ですべての場所が同時に更新される」という話は 危険な幻想 だ
DB や API があるシステムでは常に 後方互換性 を考慮しなければならない
複数チームがある組織では、あるチームがアップグレードを検証できず全体の足を引っ張ることがある
だから段階的ロールアウトが必須だ
monorepo 自体は悪くないが、「1回の変更ですべてが即時にデプロイされる」のは不可能だ
DB スキーマとコードを同時には変えられないからだ
こういう記事は AI が書いたブログ のように見えるし、実際の顧客もほとんどいないように思える
組織の問題を技術の問題と取り違えず、チーム間の方針とリーダーシップ で調整すべきだという
小さなチームだから可能なアプローチだとも付け加えていた
以前は monorepo が嫌いだったが、Claude Code を使って考えが変わった
フロントエンドとバックエンドが1つの repo にあれば同期しやすい
この記事は AI が書いたように 感じられる
人間が書いたコンテンツを見つけにくくなっていて、うんざりする
「This isn’t just for…」「The Challenges (And How We Handle Them)」のような文は典型的な AI 口調 だ
完璧でなくても人間が書いた文章よりましではないか、という感じだ
「Claude に価格ページを更新しろと言う」という部分が奇妙だ
マーケティングページを同じ repo で管理しながら、単に config ファイルのデータ を読めば済むことを LLM に任せるのは納得しがたい
AI があるからといって人間が確認しないわけではない、ということだ
「フロントエンド、バックエンド、ウェブサイト」を1つの repo に入れるのは混乱を招く
コミット単位で統合できるのはよさそうだが、3つの repo でも十分に管理可能 だ
monorepo をきちんと運用するには 維持コストがかなり高い
記事は AI が書いたように見えるが、IaC を極端に拡張したアイデア 自体は興味深い
だから気持ちは複雑だ
今後こうした LLM スタイル が大衆に慣れたものになれば、今の文章は野暮ったく感じられるかもしれない
会社のウェブサイトを同じ repo に置けば、ブランディング資料やトーン を簡単に見つけられる
そのため顧客向けスライドやデモ動画を自動生成しやすい
さらに 文書、バグ、イシュー まで1か所に入れるのも興味深い
以前のスタートアップ Pangea で似た構成を作ったことがある
全体としてはよかったが、完璧ではなかった
それでも ARM へ移行して コンピューティングコストを 70% 削減 といった成果もあった
Pangea リンク
こうしたツールがなければ CI のスケーラビリティ限界にぶつかる、という