- AppleはGoogleのGeminiとクラウド技術を活用し、今年末に公開予定のSiriアップグレードを進めている
- 両社は複数年のパートナーシップを締結しており、GeminiがApple Foundation Modelsの基盤となる予定
- モデルはAppleデバイスとプライベートクラウドコンピュート上で引き続き実行され、契約条件は非公開
- 今回の協力は、GoogleがOpenAIとの競争で回復基調を見せ、市場の信頼を得ていることを示している
- AI競争が激化する中、AppleがSiri改善を通じて主要ビッグテックとの差を縮めようとする動き
AppleとGoogleのAI協力
- AppleはGoogleと協力して人工知能機能を強化し、今年末に大規模なSiriアップグレードを計画
- CNBCが入手した共同声明によると、AppleはGoogleのGeminiモデルとクラウド技術を自社Foundation Modelsの基盤として採用
- Appleは「慎重な評価の結果、Googleの技術が最も強力な基盤を提供すると判断した」と述べた
- モデルはAppleデバイスおよびプライベートクラウドコンピュート環境で引き続き実行される
- 契約条件は公開されておらず、GoogleはCNBCの問い合わせに対し共同声明を参照するよう述べるにとどまった
協力の背景とこれまでの議論
- 2025年8月、BloombergはAppleがGoogle GeminiをSiriに適用する案を検討中だと報じた
- 同年11月には、Appleが年間約10億ドルを支払い、Google AIを活用する計画だと伝えた
- 今回の契約は、GoogleのAI戦略の加速とOpenAIへの反撃を示す事例と評価されている
- Googleは2025年に2009年以降で最高の業績を記録し、2026年1月には時価総額が初めてAppleを上回った
Googleの市場での地位と法的環境
- GoogleはすでにiPhoneのデフォルト検索エンジンに指定されるため、毎年数十億ドルをAppleに支払っている
- しかし2023年、Googleが違法なインターネット検索独占を保有しているとの判決が出され、パートナーシップは一時的に脅かされた
- 2025年9月の判決で、裁判所はChrome事業の分離命令を回避できるよう認め、GoogleがAppleのような取引を継続できるようになった
- 協力発表後にGoogle株は上昇し、時価総額が一時4兆ドルを突破した
AppleのAI戦略の現状
- Appleは2022年末のOpenAIによるChatGPT公開以降続くAIブームの中で、比較的慎重な動きを見せてきた
- Amazon、Meta、MicrosoftなどはAI製品とインフラに数十億ドルを投資
- これを受けてAppleはSiriのAI音声アップグレードを進めたが、2025年の計画を2026年に延期した
- 当時Appleは「予想より時間がかかる」とし、機能を翌年に投入すると発表した
OpenAIとの既存の協力関係
- Appleは現在、ChatGPTをSiriとApple Intelligenceに統合し、複雑な問い合わせの処理に活用している
- 今回のGoogle協力が今後のChatGPT統合にどのような影響を与えるかは不明
- AppleはCNBCに対し、既存のOpenAIとの契約に変更はないと確認しており、OpenAIはコメント要請に直ちには応じなかった
GoogleのGeminiの進展
- Googleは2025年末にアップグレードされたGemini 3モデルを公開し、AI能力を強化した
- CEOのスンダー・ピチャイは、2025年第3四半期までに10億ドル超規模のクラウド契約を締結したと発表した
- これらの成果は、GoogleがAIおよびクラウド市場で影響力を拡大していることを示している
1件のコメント
Hacker Newsの反応
Appleがサーバー側のAI学習インフラ構築を断念した時点で、こういう結果は予見できていた
Neural Engineのおかげでエッジ推論性能は最高レベルだが、TPU podやH100クラスターのような大規模学習インフラは存在しない
結局Appleは**「知能のコスト構造」を認め、学習は他社に任せ、自分たちはプレミアムな「ラストマイル」配送網の役割に転じたように見える
Googleが電力と資本を燃やして超巨大モデルを学習させ、Appleはそれを軽量化・量子化**して自社クラウドで動かす、という構図だ
つまり、iPhoneはGoogleの頭脳を包む「プライバシー劇場」の端末に変わるということだ
AppleはApp Intents、Core Spotlight、Siri Shortcutsなどを通じて、すべてのアプリのデータと機能を文脈とスキルとして露出させている
Google依存は一時的なもので、いつでも別のモデルに置き換えられるよう設計されている
Appleが公に語っているのは短期戦略にすぎず、実際の5〜20年計画ははるかに深い
秘密主義の文化と官僚的な組織のせいで人材流入が難しく、社内AI組織の運営もひどかったという評価が多い
今回の提携はむしろ、彼らの「Not-Invented-Here」病を克服するきっかけになったと思う
非営利機関のAllen Instituteは公開データで Molmo 2、Olmo 3 を学習させ、Geminiに匹敵する性能を出しているし、
AMDも OLMoモデル を自社ハードウェアで再現した
こうした事例を見ると、「10年分のキャッシュフローを燃やさなければならない」という話は誇張に思える
すでに莫大なコストをかけて学習済みのモデルが数多くあり、Appleはその中から最良のものを選んで契約すればいい
新しいブレークスルーが出ればいつでも入れ替えられる
大規模AI学習はAppleのDNAに合っておらず、会社の中核的な成功要因でもない
わざわざ不確実な市場へ急旋回する理由はない
Googleが最も安定したAI研究所だからAppleは選んだのだと思う
Geminiは十分に優れたモデルで、Googleは資本力・インフラ・企業向け理解のすべてが高い
AnthropicやOpenAIは財務的に不安定で、リスク許容度も高く、Appleにとってはリスクが大きい
2年前から予告していた機能がいまだ未提供のままで、今回は成果物を示す必要がある
今回の提携でAIエンジンまでおまけで得る形になるのだと思う
Anthropicには自前のデータセンターもなく、AWS・Microsoft・Googleに依存している
AppleはGeminiモデルをPrivate Cloud Compute環境で動かす予定なので、
GoogleがSiriデータに直接アクセスすることはないように見える
関連リンク
「Googleの技術がApple Foundation Modelsの最も強力な基盤を提供する」という曖昧な文言があるだけだ
おそらく契約上の微妙な表現なのだろう
Siriに関する問題は何層にも積み重なっている
John Gruberのようなブロガーも、こうした技術的制約を理解しないまま比較しがちだ
中核機能すら動かないことが多い
たとえば、私が転んだとき「911に電話して」と頼んでも、認識すらしなかった
何年もサーバー側で動いていたのに、いまだにひどいままだった
見当違いの相手に電話をかけるレベルから「かなり良い」程度に上がるだけでも歓迎だ
今回の提携で、今年中に新しいSiriがリリースされることを期待している
すでにOSレベルでGemini統合を進めてきた可能性が高い
Appleにとってはリスク最小化戦略だ
独自AIエンジン構築に必要な設備投資を避けつつ、Googleとの契約関係を維持することで法的紛争の可能性も減らせる
AppleはAGI誇大論を信じていないが、AIサービスの価値は認めている
今は**「自前で持つより買うほうがよい」**と判断したのだろう
ただし長期的には、VLSIビジョンとIPR戦略を通じて最終的には自社技術へ回帰するはずだ
関連記事: Apple nears $1B Google deal for custom Gemini model to power Siri
ニュースリンク
Appleは公式にGoogleモデルがSiriの基盤であることを認めた
これは将来自社モデルへ切り替えにくくする決定だ
Googleが検索デフォルトの対価として支払っている金額の一部を、AI提携に振り向けた可能性がある
OpenAIは昨年、Siri統合でチャンスをつかんだが、その後完全に取りこぼした
一方でGoogleは安定性と十分な性能を提供できるため、Appleはそちらへ舵を切ったようだ
消費者の立場からすると、今回の発表は最も歓迎すべきニュースだ
我が家では子どもが8歳になるとHomePodを最初のデバイスとして渡すのだが、この6年間Siriはまったく進歩していない
子どもたちはポッドキャストや情報検索を使いたがるが、Siriは役に立たず、むしろいら立たしいレベルだ
これは本当にありえない
新ハードウェアが準備中で、おそらくSiriアップデート待ちなのだろう
本当に笑うしかないが悲しい現実だ
「Googleの技術がApple Foundation Modelsの最も強力な基盤を提供する」という文言を見ると、
AppleのFoundation Modelsは本当の『基盤』ではないような印象を受ける