アイデアは安い、実行はもっと安い
(davekiss.com)既存の通念 → 完全にひっくり返る
- 過去15年間、開発者として生きてきて信じていた真理: 「アイデアは安く(cheap)、実行(execution)がすべてだ」
- いまや アイデアは相変わらず安いが、実行さえもはるかに安くなった(execution is cheaper)
AIのおかげで実際に起きたこと(著者の経験)
年末年始の休暇中に、3つのアイデアをClaude Codeに説明しただけで:
- Driftless — コード変更に合わせてドキュメントを自動同期
- DeployCast — デプロイ内容をAIが自然言語で要約し、非開発者のチームメンバーに共有
- Triage — ユーザーがバグレポート → AIがtriage → 自動修正PRを生成
→ MVPどころか、テストスイート + ドキュメント + polishまで完成した製品を3つリリース
→ 15年間で自分が直接書いたテストコードより、AIが数時間でより多く、より良く書いた
証拠
- Stack Overflowの質問数が、ほぼ20年前の水準まで急落(人々がもう質問する必要がない)
- アイデアをツイートした直後、数日で別の人が似たものを実装してリリース
- Nader DabitがTypeformのような数億円規模の製品を数時間で再実装 → オープンソース化
→ 「先に作った」という価値が、ほぼ0に近づいている
いま感じている複雑な感情3つ
- 名残惜しさ — 昔のように深く学び、苦労しながらコーディングする職人気質、その複雑さがもたらす誇りが消えつつある
- 高揚 — コードを書くのにエネルギーの90%を使わなくてよくなり、本当の問題・ユーザー・体験だけに集中できる
- めまい — わずか数年でソフトウェアエンジニアの価値が完全に再定義されつつある(コーディング力 = テーブルステークスの水準)
いま本当の差別化要因になるもの
実行コストがほぼなくなったことで、次が重要になる:
- 反復速度 — 素早く作り、ユーザーフィードバックを受け取り、直すサイクル(learning loop)
- センス・判断力(taste) — 作る価値があるものとないものを見分ける眼(大半は作るべきではない)
- 流通・ネットワーク(distribution) — 誰に最初に知られ、誰に信頼され、初期ユーザーをどれだけ早く集められるか
- 問題選定 — 本当に人がお金を払ってでも解決したい問題を見つけること(これはもともと最も難しかったが、いまやさらに重要)
結論を一文で
「コードが核心だったのではない。コードが無料になったことで、その事実が見え始めただけだ。」
→ これから生き残るビルダーは「最高のコードを書く人」ではなく、
**「いちばん重要な問題をいちばん速く見つけ、いちばん上手く広め、いちばん速く学ぶ人」**になるという話。
5件のコメント
コードを書くことは、実行においては単なる関門にすぎません。製品をリリースし、販売し、維持することのほうが、はるかに高コストで難しい仕事です。スマホさえあれば誰でもYouTuberにはなれても、お金を稼げる人はごくわずかであるのと同じです。
反復速度 — 素早く作り、ユーザーのフィードバックを受け取り、修正するサイクル(learning loop)
センス・判断力(taste) — 作る価値のあるものとないものを見極める目(ほとんどは作らないほうがよい)
配布・ネットワーク(distribution) — 誰に最初に知られ、誰が信頼し、初期ユーザーをどれだけ早く集められるか
問題選定 — 本当に人々がお金を払ってでも解決したい問題を見つけること(これがもともと最も難しかったが、今ではさらに重要)
共感します..
問題の選定 — 本当に人々がお金を払ってでも解決したい問題を見つけること -> 最近作った xray スクリーンショットツールがこれほど注目を集めるとは思いませんでした
不便なことを見つけて作り、それを知らせることが重要なのだと思います。
時代の変化が速すぎる気がします(泣)
(コーディング力 = テーブルステークスのレベル)しくしく