- AIベースの「バイブコーディング(vibe coding)」 の拡大により、企業顧客が自らカスタムツールを作れるようになり、従来の B2B SaaSモデルが脅かされている
- 顧客はもはや固定的なSaaS機能に満足せず、柔軟性と即時のカスタマイズ を求めており、それが満たされなければ 更新を停止したり離脱したりする
- 一方で、セキュリティ・認証・安定性 を備えたSaaSプラットフォームは依然として強みを保っており、その価値を明確に伝える必要がある
- 生き残るためにSaaS企業は 「システム・オブ・レコード(System of Record)」 としての地位を確立し、その上で顧客が自ら カスタムワークフローを構築 できるようにすべき
- AIはSaaSそのものをなくすのではなく、進化しないSaaSを淘汰する変化の触媒 として作用している
AIがB2B SaaSにもたらす脅威
- AIにより顧客は 自ら社内ツールを生成 できるようになり、従来SaaSの中核価値だった反復販売モデルが揺らいでいる
- 顧客は複数の 「バイブコーディング」ツール を使って、CRUDやワークフローアプリを手軽に作成
- 一部の企業は既存のSaaSサブスクリプションを解約し、Github・Notion API などを活用して独自ソリューションを実装
- 市場もこれを反映し、Morgan StanleyのSaaS指数 は NASDAQ比で40ポイント下落、HubSpotとKlaviyoの株価も約30%下落
- 顧客は今や「何が可能か」を知っており、より高い柔軟性とカスタマイズ性 を求めている
顧客行動の変化と売上への影響
- 顧客が望む機能を提供できなければ 解約率(churn) が急増
- あるSeries B企業の営業担当者は、特定ワークフローに未対応なことで 数十万ドル規模の契約損失リスク があると述べた
- 過去には企業がERPに合わせて組織を変えていたが、今では SaaSが顧客のやり方に合わせるべき になっている
- 顧客が自らAIを使って社内ツールを作る時代において、従来SaaSの硬直性 は売上減少につながる
生存戦略1: システム・オブ・レコード(System of Record)
- 会社の中核業務がSaaS上で運用されているなら、そのプラットフォームは 組織内の必須インフラ として位置付く
- 例: データ可視化もSaaSではなく 自前のバイブコーディングで実装 可能
- SaaS企業は単なるアプリケーション提供を超え、データ・UI基盤の中核記録システム へ転換すべき
- この構造は 顧客ロックイン(lock-in) を強化し、長期的な継続率を高める
生存戦略2: セキュリティ・認証・安定性の強化
- 非専門家が作ったバイブコーディングアプリには セキュリティ脆弱性 が内在する
- 例: 財務チームが作った承認ツールが 公開S3バケットに暗号化されていないデータを保存 し、営業チームの計算機が 認証なしでアクセス可能 になっている
- 一方、エンタープライズSaaSは ロールベースアクセス制御、暗号化、侵入テスト、GDPR/HIPAA準拠 などによって信頼を確保する
- セキュリティは目に見えにくいため、SaaS企業は この価値を積極的に説明 しなければならない
- 顧客が自作したツールでは 認証・バックアップ・可用性・コンプライアンス を自ら管理しなければならないことを思い出させる必要がある
生存戦略3: 顧客中心のカスタマイズ
- 顧客に 業務のやり方を変えるよう求める時代は終わった
- 成功するSaaSは 超高度なカスタマイズ(customization) を提供する
- あるメンテナンスSaaSの事例では、複雑なUIのために 現場技術者の利用率が35%以下 だったが、
- バイブコーディングベースのホワイトラベルプラットフォーム を導入して 70%以上に上昇
- カスタマーサクセスチームが数日で カスタムモバイルWebアプリ を制作して配布
- ユーザーは自分に必要な機能だけにアクセスし、経営陣は カスタムレポート を自ら生成できる
- この構造は リテンション・エンゲージメント・拡張性 を同時に高める
AI時代におけるSaaS進化の方向性
- AIはSaaSを破壊するのではなく、変化を拒むSaaSを淘汰する要因 となる
- かつての「一度作って永遠に売る」モデルはもはや有効ではない
- 顧客は今や 非技術者でも自らツールを作れる体験 を通じて新しい基準を持っている
- 生き残る企業は 機能中心のSaaS ではなく、顧客がその上に構築できるプラットフォーム になるだろう
- 一部のVCはこの変化を 「未来のマーケットプレイスとソフトウェア企業モデル」 と評価している
- 結論として、AIはSaaSを食うのではなく、誰がフォークを握って進化するか を決める転換点だ
Giga Catalystの紹介
- Giga Catalyst はB2B SaaS企業向けの ホワイトラベルAIプラットフォーム であり、
- ユーザーは既存システム上で バイブコーディングによるカスタムワークフロー を構築できる
- これにより リテンション・エンゲージメント・拡張性 を高める2026年型ソリューションとして提示されている
- 関心のある企業は カスタムデモの依頼 または公式サイトで追加情報を確認できる
6件のコメント
あまり共感できませんね。Hacker News の意見のように、SaaS を使う理由はそれを作れないからではなく、私たちがやるべき仕事ではないからです。月額 $10 のサービスのために、$200 の Claude Code を使って作る? メンテナンスは誰がして、バグは誰が直すのか……うーん……
今では大半のサービスがトークン単位のコストに置き換えられていくような感覚です
これはまさにSaaSに限った話ではなく、一般的なツールやアプリにも同じことが当てはまる気がします。
PMFの前にモデル・マーケット・フィット(Model-Market Fit) を確認してください
これともつながっている気がします。
これからは、一目見て自分にはすぐには作れそうにないレベルのサービスやアプリだけが出てくる気がします。とてもきれいで格好よかったり、複雑な作業をこなしてくれたりするものです。ある意味では、これも進歩なのかもしれませんね。
まもなくエージェントがSaaSになり、SaaSがエージェントになるのではないでしょうか?
Hacker Newsの反応
結局、顧客要件を実装するために私と協業している。顧客が望む機能を自分で作らなければならないとは、皮肉な話だ
しかし管理者の立場から見ると、会社はそうしたカスタムシステムの責任を負いたがらない。私も管理者になって初めてその理由が理解できた
週末のあいだにDjangoでプロトタイプを作って見せたところ、月曜には社内が混乱し、上司から二度とそうするなと言われた。
結局退職したが、時には新しく来た人がより良い版を素早く作れることもある。問題は、それが47チームの利害関係に阻まれることだ
しかし製品は単なるコードではなく、マーケティング・セールス・顧客サポートが一体となって動かなければならない。
さらにデータが企業の参入障壁になるため、新製品は市場で時間を積み上げる必要がある
「無料」の代替も、結局は別の形のコストを要求する
2台のコンピュータ間で映像接続するところまではできても、実際の製品では最後の**80%が全体時間の99%**を占める
ほとんどの企業は「自分たちで作りたくないから金を払う」というマインドで動いている。保守的な市場だ
Canvaがドキュメント、Notionがメールへと拡張するように、隣接市場での競争が激化している
実際には、大半のSaaS株はいまだに高値圏付近で取引されている。
関連記事も、たった1人のアナリストの発言にすぎない
ほとんどの企業は会計やHRISのようなシステムを自分で作りたがらない
しかも、ほとんどの顧客企業にはエンジニアすらいない
顧客が求めているのは内部実装ではなく、結果、品質、価格、可用性だ。AIはSaaSを殺しているのではなく、2つ目のSへと移動させている
DropboxやAtlassianが技術的には後れを取っていてもなお生き残っているのは、販売力と顧客サービスのおかげだ
企業は必要な10個の機能だけを自分で作ってSLAを満たせばよい。AIがこのCapEx/OpExバランスを変えている
顧客が自らプロトタイプを作るなら、それは製品の必要性を証明するシグナルだ。
SaaS企業はそれを反映して、より良い機能を素早く提供できる
構造的欠陥を人間がその場しのぎで覆い隠し、その人たちが退職するとデータ品質が崩壊する。
結局また、ドメイン駆動設計ができるコンサルティング需要が増えるだろう。
生き残るSaaSは『Software』ではなく『Solutions』を意味するようになるはずだ
個人の経験を一般化してはならない
SnowflakeやDefinite.appのように、データプラットフォームがBI機能を内蔵することで競争の構図が変わりつつある
とりわけ高価なERPやCRMのように毎年値上がりする製品は、内製化を検討する価値がある。
ただし、オフィス製品群や給与システムのように法的・慣行的な参入障壁のあるSaaSは残り続けるだろう
リアルタイム整合性とデータ規模の問題により、初期の誤った判断が後になって大きなコストとなって返ってくる。
AIは反復作業には役立つが、中核システムは今でも慎重に設計すべきだ