6 ポイント 投稿者 GN⁺ 2026-02-05 | 6件のコメント | WhatsAppで共有
  • AIベースの「バイブコーディング(vibe coding)」 の拡大により、企業顧客が自らカスタムツールを作れるようになり、従来の B2B SaaSモデルが脅かされている
  • 顧客はもはや固定的なSaaS機能に満足せず、柔軟性と即時のカスタマイズ を求めており、それが満たされなければ 更新を停止したり離脱したりする
  • 一方で、セキュリティ・認証・安定性 を備えたSaaSプラットフォームは依然として強みを保っており、その価値を明確に伝える必要がある
  • 生き残るためにSaaS企業は 「システム・オブ・レコード(System of Record)」 としての地位を確立し、その上で顧客が自ら カスタムワークフローを構築 できるようにすべき
  • AIはSaaSそのものをなくすのではなく、進化しないSaaSを淘汰する変化の触媒 として作用している

AIがB2B SaaSにもたらす脅威

  • AIにより顧客は 自ら社内ツールを生成 できるようになり、従来SaaSの中核価値だった反復販売モデルが揺らいでいる
    • 顧客は複数の 「バイブコーディング」ツール を使って、CRUDやワークフローアプリを手軽に作成
    • 一部の企業は既存のSaaSサブスクリプションを解約し、Github・Notion API などを活用して独自ソリューションを実装
  • 市場もこれを反映し、Morgan StanleyのSaaS指数NASDAQ比で40ポイント下落、HubSpotとKlaviyoの株価も約30%下落
  • 顧客は今や「何が可能か」を知っており、より高い柔軟性とカスタマイズ性 を求めている

顧客行動の変化と売上への影響

  • 顧客が望む機能を提供できなければ 解約率(churn) が急増
    • あるSeries B企業の営業担当者は、特定ワークフローに未対応なことで 数十万ドル規模の契約損失リスク があると述べた
  • 過去には企業がERPに合わせて組織を変えていたが、今では SaaSが顧客のやり方に合わせるべき になっている
  • 顧客が自らAIを使って社内ツールを作る時代において、従来SaaSの硬直性 は売上減少につながる

生存戦略1: システム・オブ・レコード(System of Record)

  • 会社の中核業務がSaaS上で運用されているなら、そのプラットフォームは 組織内の必須インフラ として位置付く
    • 例: データ可視化もSaaSではなく 自前のバイブコーディングで実装 可能
  • SaaS企業は単なるアプリケーション提供を超え、データ・UI基盤の中核記録システム へ転換すべき
  • この構造は 顧客ロックイン(lock-in) を強化し、長期的な継続率を高める

生存戦略2: セキュリティ・認証・安定性の強化

  • 非専門家が作ったバイブコーディングアプリには セキュリティ脆弱性 が内在する
    • 例: 財務チームが作った承認ツールが 公開S3バケットに暗号化されていないデータを保存 し、営業チームの計算機が 認証なしでアクセス可能 になっている
  • 一方、エンタープライズSaaSは ロールベースアクセス制御、暗号化、侵入テスト、GDPR/HIPAA準拠 などによって信頼を確保する
  • セキュリティは目に見えにくいため、SaaS企業は この価値を積極的に説明 しなければならない
    • 顧客が自作したツールでは 認証・バックアップ・可用性・コンプライアンス を自ら管理しなければならないことを思い出させる必要がある

生存戦略3: 顧客中心のカスタマイズ

  • 顧客に 業務のやり方を変えるよう求める時代は終わった
    • 成功するSaaSは 超高度なカスタマイズ(customization) を提供する
  • あるメンテナンスSaaSの事例では、複雑なUIのために 現場技術者の利用率が35%以下 だったが、
    • バイブコーディングベースのホワイトラベルプラットフォーム を導入して 70%以上に上昇
    • カスタマーサクセスチームが数日で カスタムモバイルWebアプリ を制作して配布
  • ユーザーは自分に必要な機能だけにアクセスし、経営陣は カスタムレポート を自ら生成できる
  • この構造は リテンション・エンゲージメント・拡張性 を同時に高める

AI時代におけるSaaS進化の方向性

  • AIはSaaSを破壊するのではなく、変化を拒むSaaSを淘汰する要因 となる
  • かつての「一度作って永遠に売る」モデルはもはや有効ではない
    • 顧客は今や 非技術者でも自らツールを作れる体験 を通じて新しい基準を持っている
  • 生き残る企業は 機能中心のSaaS ではなく、顧客がその上に構築できるプラットフォーム になるだろう
  • 一部のVCはこの変化を 「未来のマーケットプレイスとソフトウェア企業モデル」 と評価している
  • 結論として、AIはSaaSを食うのではなく、誰がフォークを握って進化するか を決める転換点だ

Giga Catalystの紹介

  • Giga Catalyst はB2B SaaS企業向けの ホワイトラベルAIプラットフォーム であり、
    • ユーザーは既存システム上で バイブコーディングによるカスタムワークフロー を構築できる
  • これにより リテンション・エンゲージメント・拡張性 を高める2026年型ソリューションとして提示されている
  • 関心のある企業は カスタムデモの依頼 または公式サイトで追加情報を確認できる

6件のコメント

 
colus001 2026-02-06

あまり共感できませんね。Hacker News の意見のように、SaaS を使う理由はそれを作れないからではなく、私たちがやるべき仕事ではないからです。月額 $10 のサービスのために、$200 の Claude Code を使って作る? メンテナンスは誰がして、バグは誰が直すのか……うーん……

 
kuthia 2026-02-06

今では大半のサービスがトークン単位のコストに置き換えられていくような感覚です

 
xguru 2026-02-06

これはまさにSaaSに限った話ではなく、一般的なツールやアプリにも同じことが当てはまる気がします。
PMFの前にモデル・マーケット・フィット(Model-Market Fit) を確認してください
これともつながっている気がします。

 
ragingwind 2026-02-06

これからは、一目見て自分にはすぐには作れそうにないレベルのサービスやアプリだけが出てくる気がします。とてもきれいで格好よかったり、複雑な作業をこなしてくれたりするものです。ある意味では、これも進歩なのかもしれませんね。

 
hmmhmmhm 2026-02-06

まもなくエージェントがSaaSになり、SaaSがエージェントになるのではないでしょうか?

 
GN⁺ 2026-02-05
Hacker Newsの反応
  • あるSaaS企業が顧客の特定のレポーティング・ワークフローを支援できず、数十万ドル規模のアカウントを失いかけていた。
    結局、顧客要件を実装するために私と協業している。顧客が望む機能を自分で作らなければならないとは、皮肉な話だ
  • 昔から開発者、特にジュニアには「週末にさっと作って高価なSaaSを置き換えられる」と信じる傾向があった。
    しかし管理者の立場から見ると、会社はそうしたカスタムシステムの責任を負いたがらない。私も管理者になって初めてその理由が理解できた
    • 以前、大企業でバックエンドのリライトプロジェクトに参加したが、よく見ると彼らはDjangoを作り直していた。
      週末のあいだにDjangoでプロトタイプを作って見せたところ、月曜には社内が混乱し、上司から二度とそうするなと言われた。
      結局退職したが、時には新しく来た人がより良い版を素早く作れることもある。問題は、それが47チームの利害関係に阻まれることだ
    • 今はプロトタイプを素早く作って市場に出すのがずっと簡単になった。
      しかし製品は単なるコードではなく、マーケティング・セールス・顧客サポートが一体となって動かなければならない。
      さらにデータが企業の参入障壁になるため、新製品は市場で時間を積み上げる必要がある
    • このvibe-codingがSaaSを代替するという考えは、昔の「暗号資産が法定通貨を置き換える」という主張に似た妄想だ
    • Datadogのようなプラットフォームを捨ててオープンソースのself-hosted代替を使おうとする開発者を見ると、保守コストを見落としている場合が多い。
      「無料」の代替も、結局は別の形のコストを要求する
    • 「1日でZoomを作れる」という類いの思い込みも似ている。
      2台のコンピュータ間で映像接続するところまではできても、実際の製品では最後の**80%が全体時間の99%**を占める
  • B2B SaaSはAIに最も耐性のある分野だと思う。
    ほとんどの企業は「自分たちで作りたくないから金を払う」というマインドで動いている。保守的な市場だ
    • 昔、「ギガビット・インターネットが普及すれば、誰もが自分のメールサーバーを運用するようになる」という文章を思い出した
    • B2B SaaSは単にソフトウェアを売っているのではなく、ドメイン専門性とそれに対する責任を売っているのだ
    • 大企業はそうだが、**SMB(中小企業)**市場はもっと大きく異なる動きをする
    • 企業は今でもお金を払いたがっているが、今はSaaSの選択肢が増えたため、SalesforceやAtlassianのような既存強者の参入障壁は低くなっている。
      Canvaがドキュメント、Notionがメールへと拡張するように、隣接市場での競争が激化している
    • 大企業の問題は価格ではなく、導入時間・プロセス適合性・人材不足
  • 一部のスタートアップCEOは「GitHubとNotion APIでSaaSを置き換えた」と語るが、こうしたものはデータのない逸話レベルにすぎない。
    実際には、大半のSaaS株はいまだに高値圏付近で取引されている。
    関連記事も、たった1人のアナリストの発言にすぎない
    • B2B SaaS業界で働く立場から見ると、顧客が独自の統合機能を作ると、むしろ自社製品の価値が上がる。
      ほとんどの企業は会計やHRISのようなシステムを自分で作りたがらない
    • 誰かが「AIがAI関連記事を殺している」というパロディ記事を書いたら面白そうだ
    • こうした記事はまるで床屋が髪型を勧めるように、自分の利益のための助言に見える
    • 年1万ドルのSaaSを置き換えるために、月給1万ドルのエンジニアを投入するのは不経済だ。
      しかも、ほとんどの顧客企業にはエンジニアすらいない
    • 結局、こうした記事はリード獲得用コンテンツにすぎない
  • SaaSは『Software』よりも『Service』にもっと焦点を当てるべきだ。
    顧客が求めているのは内部実装ではなく、結果、品質、価格、可用性だ。AIはSaaSを殺しているのではなく、2つ目のSへと移動させている
    • SaaS企業は単なるソフトウェア会社ではなく、営業組織だ。
      DropboxやAtlassianが技術的には後れを取っていてもなお生き残っているのは、販売力と顧客サービスのおかげだ
    • しかし大半のサービスは代替可能で、注意力の短い市場では参入障壁の高い分野だけが生き残る
    • 2つ目のSはしばしばベンダーロックインとコンサル収益を最大化するために設計される
    • SharePointやTeamsの品質を見ると、顧客が必ずしも品質だけを見ているわけではなさそうだ
  • AIはB2B SaaSを殺しているのではなく、構築コスト構造を変えている
    企業は必要な10個の機能だけを自分で作ってSLAを満たせばよい。AIがこのCapEx/OpExバランスを変えている
    • 実際に必要な機能は12個しかなく、そのうち2個は既存SaaSにないことが多い。Jiraのようなツールを使っていると、誰でも自分版を想像するようになる
    • しかし社内で作ったアプリは、セキュリティ・権限管理・保守の問題ですぐ限界に突き当たる
    • 私たちの会社も年50万ドルのSaaSを数日で置き換えたが、必要だった機能はごく一部だけだった
    • ドメイン知識が明確なら、本当に必要なものだけを素早く作れる
    • しかし実際には、要件定義と合意形成が最も難しい。技術実装よりも調整のプロセスのほうが大変だ
  • SaaSを殺すのではなく、むしろ顧客のフィードバックループを強化しているのだと思う。
    顧客が自らプロトタイプを作るなら、それは製品の必要性を証明するシグナルだ。
    SaaS企業はそれを反映して、より良い機能を素早く提供できる
    • SaaS企業の強みは今でも営業力だ。ソフトウェア費用は税額控除にもなり、企業にとっては小さな支出にすぎない
    • SaaSは複数の顧客の要望を集めて業界別インサイトを提供できる。顧客は自分が何を望んでいるのかわからないことが多い
    • もちろんSaaSにもロックインと移行コストの問題はある。だがデータを完全に所有できるなら、それほど怖くない
  • AIが作ったvibe-codedシステムは、結局時限爆弾になる可能性が高い。
    構造的欠陥を人間がその場しのぎで覆い隠し、その人たちが退職するとデータ品質が崩壊する。
    結局また、ドメイン駆動設計ができるコンサルティング需要が増えるだろう。
    生き残るSaaSは『Software』ではなく『Solutions』を意味するようになるはずだ
    • ただし将来は、AIがこうした**vibeコードの浄化(unvibe)**まで自動化するかもしれない
  • 小さなスタートアップなら自前でデータ可視化ツールを作れるかもしれないが、大企業環境ではファイアウォール・認証・管理構造などのため不可能だ。
    個人の経験を一般化してはならない
    • BI SaaSは単にグラフを売っているのではなく、権限システム・クエリキャッシュ・スケジューリングなどを提供している。
      SnowflakeやDefinite.appのように、データプラットフォームがBI機能を内蔵することで競争の構図が変わりつつある
  • SaaSを代替するには「より良いもの」である必要はなく、十分に使えるものであればよい。
    とりわけ高価なERPやCRMのように毎年値上がりする製品は、内製化を検討する価値がある。
    ただし、オフィス製品群や給与システムのように法的・慣行的な参入障壁のあるSaaSは残り続けるだろう
    • 大手小売企業の在庫システムを自作した経験から言うと、vibe codingが有用なのはプロトタイプまでだ。
      リアルタイム整合性とデータ規模の問題により、初期の誤った判断が後になって大きなコストとなって返ってくる。
      AIは反復作業には役立つが、中核システムは今でも慎重に設計すべきだ