- カバプー犬種の「モモ」が Claude CodeとGodotエンジン を使って、実際にプレイ可能なゲームを作れるよう訓練した事例
- 入力は Raspberry PiとDogKeyboardアプリ を通じて送られ、一定文字数を入力すると スマート給餌器 が自動でおやつを提供
- Claude Codeには「暗号のような言語で指示する天才ゲームデザイナー」というプロンプトを設定し、無意味な入力を意味のあるゲームアイデアとして解釈 できるように構成
- 自動フィードバックツール(スクリーンショット取得、入力シーケンステスト、リンターなど)を追加し、Claudeが自分でゲームをテストして修正できるようにした
- このプロジェクトは、AI開発の核心がアイデアよりもフィードバックループの品質 にあることを示す実験であり、すべてのツールとコードはオープンソースで公開されている
プロジェクト概要
- モモは Bluetoothキーボード を通じて入力を送り、DogKeyboardがそれをClaude Codeへ渡す
- 一定量の入力がたまると Aqara C1スマート給餌器 がZigbeeコマンドでおやつを給餌
- Claudeが作業中のときは入力をブロックし、待機状態になると自動で送信
- ゲーム制作は Godot 4.6とC# で行われ、1本のゲームはおよそ1〜2時間で完成
プロンプト設計
- Claude Codeがランダム入力を意味のある指示として解釈するよう、「暗号的な天才デザイナー」シナリオ を設定
- 最低要件として サウンド、操作キー(WASD/矢印キー)、敵または障害物、プレイヤーキャラクター を含めるチェックリストを構成
- 入力例
y7u8888888ftrg34BC を解釈して、3Dカエル虫取りゲーム「Swamp Snacker」 を生成
システム拡張
- Bevy、Unity、Godot を比較した結果、Godotを選択
- テキストベースの
.tscn ファイル構造のおかげで、Claudeが直接読み取り・修正できる
- DogKeyboardは キー入力フィルタリング、Claudeの状態監視、自動送信、映像オーバーレイ 機能を担う
- Zigbee制御スクリプト で給餌器をリモート制御し、シンプルなJSONコマンドで動作
自動化ツールと品質改善
- スクリーンショット取得スクリプト でゲーム画面を検証し、Claudeが視覚的フィードバックを直接確認
- 入力シーケンステストツール により、Claudeが自分でゲームをプレイして不具合を修正
- Scene linter、Shader linter、Input action mapper を追加し、ビルドエラーや入力マッピングの問題を事前に防止
- Claudeが自分で6段階のボス戦までテストし、自動QAの役割 を果たした事例もある
モモの訓練過程
- 約2週間、1日2回、10分ずつ訓練
- 最初は 高価値のおやつ(フリーズドライサーモン) でキーボードとのポジティブな関連付けを形成
- その後 自動報酬システム に切り替え、16文字以上入力するとおやつを提供
- テスト中のバグでおやつが連続支給されると、モモは反復入力を試みる行動を学習
- 訓練後は 入力-報酬ループ を完全に自動化
作られたゲーム
- DJ Smirk: 各キーが異なる音を出す音楽実験ゲーム
- Munch: 材料を集めてサラダを完成させる対戦型ゲーム
- Zaaz: タイル単位で移動しながら画面を塗るパズルゲーム
- The Oracle Frog of Rome: クラーケンの腕を避けつつ黄金の鎖を集めるゲーム
- Octogroove: 4本の腕でドラムを叩くリズムゲーム
- Ewe Heard Me!: 羊を追い込んで囲いに入れるゲーム(勝利不能の問題あり)
- Quasar Saz: 宇宙楽器で腐敗した音を打ち払う、6ステージ+ボス戦のアクションゲーム
結論
- このプロジェクトは、AIシステム設計とフィードバック自動化の重要性 を実験的に示した
- 結果の本質はモモの入力ではなく、プロンプト・ガードレール・自動検証ツールの組み合わせ にある
- AI開発のボトルネックはアイデアではなくフィードバックループの品質 だという教訓を示す
- すべてのコードとツールはオープンソースで公開されており、人間・動物・ランダム入力のいずれでも実験可能
8件のコメント
ああ、みんな死ぬ
本当にコーディングは犬や牛でもやる時代か。
こういうアイデアはどうやって思いつくんだろう…ただただ尊敬しますね
面白い発想ですね。プロンプトの指示さえうまくできれば、動物たちの行動をさまざまな形で理解できそうです。
この調子だと、そのうち動物と本当に会話できる時代も来るのではないでしょうか?
猫たちと話してみたいです
もう犬にすら負ける時代か……しかもこの子、かわいいときた……
これって、あの猿の実験か何かじゃないんですか?www
おお…これ、なんだかディフュージョンと似たような方式みたいですね
Hacker Newsのコメント
犬でももう vibe-coding ができる
ほとんどのアプリは、人間が作ったアプリのように一応は動く
昔の漫画 “On the Internet, nobody knows you’re a dog” を思い出した
今では「AIは君が犬かどうかなんて 気にもしていない、キーボードを叩けさえすればいい」という版に変わったようだ
これは本当に見事な 社会風刺 だと思う
プロジェクト全体に社会的メッセージは込めているけれど、各自が自分で解釈してほしい
複雑なソフトウェアにも改善点は多いのに、それを何年も開発してきた人の立場からすると「こっちは何十年もかけたのに!」と叫びたくなるだろう
結局のところ大半は技術文書に頼って 勘でコーディング してきただけだ
この記事が本当に気に入った
明日の朝には Karpathy が「犬ベースの LLM インターフェースこそ未来だ」と言って、それが HN の1位を取っていそうだ
それで上司が「うちも今すぐやれ」と言い出しそうで少し心配だ
犬は Claude にプロンプトを出し、人間は犬に餌をやり、犬は人間がコンピュータを切れないようにする
犬は忠実で情熱的だし、オフィスの場所もあまり取らない
ゲーム業界は犬が、金融業界は猫が支配しそうだ
ノートPCが防水であることを願う
犬は賢い。適切な入力デバイスさえ与えれば vibe-coding もできるかもしれない
昔の サボテンが株取引をしていた実験 を思い出した
本当の核心は「魔法は入力ではなくシステムにある」という一文だ
ランダム入力でもゲームが作られるということは、入力の重要性が下がったという意味だ
今やエンジニアリングの本質は プロンプトではなく構造設計 にある
持続メモリ、行動制約、フィードバックループのような システム構造 が、プロンプト最適化よりはるかに重要だった
犬の実験はその論理を極端まで押し進めた例だ — 結局、AI の能力は構造そのものにある
工学とは全体的な システム思考 の領域だ
AI が発展すれば、プロンプト技術はすぐに 無意味 になる
結局、私たちは自分たちの代替物を訓練している最中だ
技術が完全に成熟すれば、犬でもできる仕事になる
もちろん LLM が無限に大きくできるわけではなく、収穫逓減 が来る可能性もあるが、AI バブルがはじければ皆そろって仕事を失うかもしれない
タイトルはとても クリック誘導的 だが、実際には記事の内容を正確に説明していて見事だ
著者は犬に vibe-coding を教えたのではなく、単に キーボードを叩けばおやつが出る条件反射 を教えただけだ
犬が実際にゲームのフィードバックに反応するようにしたら、その時点で初めてクリックベイトではなくなる
「歴史家たちは2026年ごろ、人類の伴侶だった犬が同僚へと進化していく時代を『Dog Days』と呼んだ…ワン」 — Puppers Domingo, Good Boy, Esquire
そのうち現実で 無限の猿定理 の証拠を見ることになるかもしれない
入力方式を改善すべきだ
尻尾の振りや視覚的な関心を検知する カメラベースのインターフェース があれば、犬が本当に自分好みのゲームを作れるかもしれない
キーボードは間違った入力デバイスだ
nanobana と組み合わせて選択肢を選ばせてみようかと考えている
たぶん次のバージョンで試す予定だ
「誰がいい ソフトウェア開発者 なのかな?」 [なでなで]
著者はキーボードを Dvorak 配列 に変えるべきだ
そのほうがずっと面白い乱数入力を生み出せる