- 伝統産業の企業が外部コンサルティングよりも 自社ソリューション構築 に注力する現実を見て、オフィスワークを離れ 現場職に復帰
- 害虫駆除業界が 継続収益構造と分散した市場、規制に基づく安定性 を持つ点に魅力を感じ、自ら応募
- 入社後、GPT学習ツールで13日で免許を取得 し、非効率な Salesforce中心のシステムと過剰なモニタリング を経験
- その後営業職に転向し、21日で3万ドルのARR を達成、自動化されたワークフローと地図ベースの営業システム を構築
- 退職後は 小規模な害虫駆除業者の買収と独自ツール開発 を進め、拡張可能なプラットフォームモデル への発展を準備中
ホワイトカラーのコンサルタントから害虫駆除技術者へ
- ホワイトカラーの営業コンサルティング をしていた中で、伝統産業の企業がもはやリサーチインタビューや同行調査を許可しない現実を実感
- 依頼は多く、社内で 自社ソリューション構築(Self-build) に集中する傾向が強まっていた
- 家業の配管事業を手伝った経験のおかげで 現場業務に慣れて おり、オフィスワークから離れたいと考えた
- 最終的に ブルーカラー職に復帰 することを決めた
害虫駆除業界を選んだ理由
- リノベーション会社の 市場参入戦略コンサルティング の最中、過去に害虫駆除会社を売却した事業家に会った
- 彼は20年間会社を育て、初期から Vertical SaaS導入 により競争優位を確保していた
- この業界の特徴として 継続収益構造、専門性、分散した市場、規制産業、米国内で300億ドル規模の市場(TAM) を挙げた
- その夜、地域内のすべての害虫駆除会社に応募書類を送った
採用プロセスと現場への参入
- 3日間返答がなかったため直接訪問すると、3社から同行の提案 を受け、そのうち 2社から採用提案 を受けた
- 全国的に複数の地域ブランドを持つ 大手グループの子会社 に入社
- その後連絡をくれた会社は半分しかなく、採用プロセスの非効率さ を実感した
- 免許取得プロセス は単なる形式ではなく、教材学習・セミナー・監督下での現場経験を含んでいた
- ほとんどの新人は2〜3か月かかるが、自作のGPT学習ツール で13日で合格し、会社の新記録を達成
- 研修マネージャーはこのアプリの存在を知っていたが関心を示さなかった — 自分の業務の4分の1を代替できるから だった
現場勤務の現実
- 車両の割り当てに3週間、初日には バッテリー上がり、燃料カードの発行には5週間以上かかった
- 初期には 自費で燃料代を立て替え、払い戻しまで2〜3週間を要した
- ほとんどの技術者は 給与に依存する構造 のため負担が大きい
- 中核システムは Salesforceベース だが、過度にカスタマイズされており非効率だった
- 会社支給のスマートフォンには10個以上のアプリが入っていたが、実際に使うのは2個ほど
- 車両のアイドリング、GPS、訪問時間、通話記録など全面的なモニタリング が行われていた
- 技術者たちはこれに対する 回避策(workaround) を知っており、全員が一定水準の成果を維持していた
- 同僚たちは彼を 「アンダーカバー・ボス」 と呼び始めた
営業への転換と成果
- 先任技術者との同行中、顧客への 小規模なアップセル を成立させ、営業機会をつかんだ
- 会社から 営業職の提案 を受け、これを承諾
- すぐに 営業エリア内の見込み客を地図化 し、自動化された ワークフローを構築 した
- 21日以内に 年間3万ドル(約4,000万円)ARR を達成
- アウトバウンドキャンペーンでショッピングセンターと 2万4,000ドルの契約 を締結し、既存顧客向けの小規模アップセルも追加
- 社内の見積もりプロセスは 複雑な承認手続きと新規アカウント作成の要求 により取引が遅延した
- 営業トレーニングは Zoominfoのウェビナーレベル で、多くの営業担当者は 社用車で直接訪問営業 を行っていた
- 上位の営業担当者は 年間80万〜120万ドルのARR を達成し、離職率は非常に低い
- 会社は安定して運営されているが、改善意欲やイノベーションへのインセンティブが不足 していた
- 社員たちは 現状維持のほうが安全 だと認識していた
退職と新たなスタート
- 退職面談でマネージャーから「自分で会社を立ち上げろ」と助言された
- 現在 小規模な住宅向け害虫駆除業者の買収 を進めている
- 買収後は 独自ツールを構築 し、拡張可能なプラットフォームモデル へ発展させる計画
- ホームサービス業界への投資・運営経験を持つ人々との協業 を望んでいる
1件のコメント
Hacker Newsのコメント
この手の会社に SaaSやAIを売る のは自分のスタイルではない
自分の原則に従って会社を立ち上げ、その価値観を共有する人たちと一緒に働きたい
マネージャーに退職の意思を伝えたら「自分で起業したら連絡してくれ」と言われ、実際にその通りにしている
こういう話を聞くと、ベンチャーでなければ意味がない という古い物語から離れて、自分で作る道があるのは良いことだと思う
ベンチャー資金でサービス会社を育てるのは簡単ではないが、今はAIのおかげでブートストラップ方式でも十分可能になっている
AIが開発人員を減らし、単一顧客単位の機敏なソリューションを保守しやすくしてくれる
結果として ライフスタイルビジネス として始めたとしても、フランチャイズやライセンス、さらにはSaaSへ発展できる余地がある
害虫駆除は単純だが大きな市場で、基本を着実にしっかりこなせば複利のように成長できる
前の会社は「世界を征服しよう」という目標で始めたが、今回は「良い会社」を土台にし、その上で業界最高を目標にしている
実際には浅いコピー品をより速く作らせたり、専門家の速度を上げたりする程度だ
ほとんどのブートストラップ型産業には当てはまらない
たぶん害虫そのものではなく、事業を作る過程 に情熱を感じているのだと思う
私も、「他社に売るソフトウェア」ではなく 自分のビジネスのためのソフトウェア を自分で作るというアイデアが気に入っている
妻と一緒に中古衣料店を運営していて、Solidusベースの カスタムPOSシステム を自分で構築した
オンライン販売はしていないが、このエンジンで店内決済とクレジットシステムを回している
在宅勤務のパートタイム開発者がいて、最近はClaudeの助けも少し借りている
他社に合わせるために苦労する必要がなく、こちらの必要に合わせてシステムを変えられるのが本当に良い
今作り直すなら、オープンソースのフレームワークの上でClaudeをもっと積極的に活用すると思う
参入障壁の低いサービスを選んだ点が良い
中核資産は 地域の事業者と紹介ネットワーク だ
大企業の統制なしに効率を高められるなら、誰にとっても利益になる
地域の事業者が組合員として参加する プラットフォーム協同組合 モデルも検討に値する
Platform Coop 参照
技術者としてはすぐ始められるが、運営ライセンスを取るには2年以上の経験と追加試験が必要になる
ライセンス保有者は問題が起きたとき法的責任を負わなければならない
現場で感じたのは、人は 自由を重視する ということだ
良い会社ほど従業員を過度に統制せず、その結果として忠誠心と勤続期間が長くなる
私の地域でも従業員たちが融資を受けて 平等な構造のカフェ協同組合 を立ち上げ、みんなの予想を裏切って大成功している
こういうモデルの テック版 を見てみたい
私の周りにも会社を離れて 自社製品を作り、最終的にその会社に再び 買収された事例 が多い
大企業のずさんな運営を見て、地域単位でイノベーションを起こし、全国規模へ拡張できる可能性を示せば
結局その会社が高額で買収することになる
私は ボートの船長 として働きながら、16か月間 Camera Search というプラットフォームを開発している
現場技術者がより良い診断と修理情報を得られるようにする 動画・写真ベースのエージェント を作っている
長期的には、伝統産業における 知的労働と肉体労働をつなぐエージェントプラットフォーム を目指している
このプロジェクトがうまくいって、年商100万ドル規模の 害虫駆除帝国 を築き、
最終的には汗を流す仕事の方が好きになる結末だといいと思う
現場で実際の価値を生み出す方がはるかにやりがいがあり、報酬もスタートアップと似たようなものだ
今のAI業界では「AIエンジニア」という職種がまだ明確に定着していない
技術者たちは今後、ソフトウェアを作る仕事より、実際の産業現場を支える仕事 へ移っていく気がする
こうした会社こそAIを最もうまく活用できる場所だ
現場は問題解決の速度が速く、実質的な結果がすぐ見えるからだ
AIがソフトウェア産業に及ぼす影響を、シリコンバレーですら完全には受け止めきれていない
私も似たように 石油設備サービス会社 を買収し、社内向けツールを自分で開発している
いまだに 紙とペン が主流の業界だ
最初は害虫駆除業界を学ぶために 技術者として就職 してからSaaSを作ろうとしていた、ということで合っている?
結局SaaSではなく 自分で害虫駆除会社を起業 したのだろうか?
今後はもっと多くの人が ホワイトカラーからブルーカラーへ移動 していく気がする
既存の運営会社を買収して 技術で強化 し、成功したら他の会社を買収したり、技術者を引き入れたりして拡大する計画だ
興味深い転換だ。ただ、SaaSが害虫駆除会社の成長に どう貢献するのか はよく分からない
だから私はAI/SaaSを売るより、オペレーションに技術を溶け込ませて自ら競争する 方式を選んだ
例えば CRMの自動入力、スマートトラップ、アップセルの自動化 といった部分で効率を高められる
ポッサム(possum) は実は害獣ではなく友達だ。殺さないでほしい :(
野生動物を慣らすのは長期的には有害だ
自然はできるだけそのままにしておくのがよい