- 暗号資産やAIツール など新しい技術に対する FOMO(取り残されることへの恐れ) を武器化する現象について、「待っていても大丈夫だ」と語る文章
- 暗号資産の初期には「出遅れたくないでしょ?」という言葉が、懐疑的な態度を崩す 巧妙な圧力の手段 だった
- 現在のAIツールも多くはまだ有用ではなく、ハイプが現実になるまで待っても 生産性に大きな差はない
- 技術が本当に有用なら いつでも学んで活用できる のであり、早期学習は必須ではない
- Gitも最初に出たときには使わず、安定して仕事で求められるようになってから学んでも十分で、メタバースVRも 早く始めたことによる実質的な利点はまったくなかった
- 毎時間 16,000人の新生児 が生まれる世界で、特定の技術を早く学ばなかったから出遅れるという主張は明らかな虚構。「待って観察する戦略」が合理的な選択 である
FOMOの武器化:暗号資産からAIまで
- 暗号資産の初期ブーム当時、「未来の通貨」として参加を勧められたが、不安定さと実用性の乏しさ から断っていた
- 「出遅れたくないか」と言われても、『何に対して出遅れるのか』が気になった
- その技術が本当にみんなを解放するなら 早く入る理由はなく、いつ参加しても遅くない — 明日になってもまだ存在しているはずだ
- 暗号資産コミュニティの「Have Fun Staying Poor」のような表現は、FOMOを武器化して懐疑論を崩す巧妙な 心理的圧力の戦略 である
AIブームに対する同じ見方
- 複数の AIツールを実際に使ってみた結果、一部は悪くないが大半は 有用性が低い
- 現段階では、実質的な価値よりも 過剰な宣伝と誇張された期待 が多い
- ハイプが現実になるまで待つことに完全に満足しており、DOS版WordStarを学ぶこと のような手間をかける理由はない
- 技術が本当にそれほど素晴らしいのなら、他人が決めた時間割ではなく 自分が選んだタイミングで 学び、生産的に使えるはずだ
早く始めなくても問題なかった事例
- Git は登場した当初には使わず、安定して仕事で求められるようになってから学んだ — 初期の苦労を経験していれば7%ほど効率的だったかもしれないが、失敗した技術に時間を無駄にしていた可能性もあった
- 修士論文を メタバース をテーマに書き、VR開発を学ぶのは楽しかったが、実質的な有用性は まったくなかった
- ワクチン臨床試験 には参加したが、それは個人的な利益があり、人類の役にも立つと判断したからだ
早期参加のリスクと無意味さ
- 早く始めて 自慢する権利以上のもの を得た人を思い浮かべるのは難しい
- 一部の初期投資家はお金を稼いだが、同じくらい損失を出した人もいる
- HTML 2.0のように成功した技術もあるが、Flashという袋小路 に入り込む確率も同じだけある
- 技術の「最先端(cutting edge)」はしばしば 「bleeding edge」、つまり危険でコストの高い領域でもある
待つことの正当性
- 毎時間16,000の新しい命が生まれているが、彼らが生まれてすぐ技術を学ばなかったからといって 「出遅れている」わけではない
- 結論として、何かが本当に有用か確認できるまで待つのは100%問題ない
- 焦りよりも 合理的な判断とタイミングを選ぶ自由 が重要だ
4件のコメント
AIに関する情報過多の時代、今では有益さを超えて疲れのほうが先に立ちます。確証バイアスに近い断定的な助言や宣伝色の強い文章、そして商業色の濃いYouTubeコンテンツまで……。誰もが自分の考えこそ正解であるかのように声を張り上げる昨今、その根拠のない自信がかえって疲労を増幅させます。ときには、そんな雑音から離れたいと思うことがあります。
iPhone、AlphaGo、ビットコインなどは疑いの壁をよじ登ってきたのに、AIはなぜ突然これほど速く進んだのでしょうか?
この業界に長くいて見てきた感覚では、最近の変化は大きく二つの理由によるものだと思います。
まず、賭け金が大きくなりすぎました。昔は数百万ドルでもすごく見えましたが、今ではビリオン単位でお金が流れているじゃないですか。もともと金の匂いが立ち込める場所には、実にいろいろな人が集まってくるものですから。そこに特定の文化圏の人たちが大量に流入してきて、業界の空気そのものが彼ら特有のスタイルに変わった影響も大きいです。
最近を見ると、確かに昔のIT/CS的な感性とは違って、「話術」と「ショーマンシップ」がすべてを支えている感じです。昔ならバブルが弾けるときに一緒に去っていたような人たちですが、今回はLLMという「話がうまい技術」が中心にあるせいで、この流れが簡単には終わりそうにありません。これからはこういう雰囲気が続いていく気がします。
Hacker Newsの意見
この技術が本当にそこまですごいのなら、自分が望むペースで習得して生産性を上げられるはず
今でも生産性向上の機会はあるが、誰にとっても圧倒的な変化というわけではなく、オンボーディングの難易度もかなり高い
時間が経てば生産性も上がり、参入障壁も下がると思う。今は待つのも悪くない
技術的には任意なのに、こんなふうに圧力をかけるのは初めて見た。結局はトークン消費を増やしてAI企業に金を払う構造に見える
技術パラダイムが変われば、そのスキルセットが無意味になる可能性が高い
主にやりたくない反復作業を代わりにやらせる時に便利。Vimユーザーとの差を縮めた程度で、特別なものではない
今Web開発を始めるなら、ずっと難しく感じる気がする
そうしてこそ方向性に影響を与えられるし、進化の過程に貢献することもできる
世代が変われば、「保存アイコンがなぜフロッピーディスクの形なのか分からない」人のようになるかもしれない
私は暗号資産やメタバースは完全に無視したが、何も損したとは感じなかった
一方でLLMは、アイデアから実装までの距離を劇的に縮めてくれて、私の開発者人生における本当の転機になった
良い変化かどうかはまだ分からないが、今はかなり楽しんでいる
プロジェクトの性格によってまったく違う
以前はシニア開発者やStack Overflowに頼っていたが、今は自分で解決できる
ただしLLM全体をひとつのスペクトラムとして見るべきだ — 一部が有用だからといって、全部に価値があるとは言いにくい
私はLLMベースのチャットインターフェースには前向きだが、エージェント自動化には懐疑的だ
今は「待つ時」ではなく、職業的に新しい技術を学ぶ時期だと思う
仮に役に立たなくなっても、その時は昔のやり方に戻ればいい
早く始めることの価値は確かにある
ビットコイン、ニューラルネット、モバイルゲームのように、初期に飛び込んだ人は大きな報酬を得た
だがActionScriptやBlackBerryアプリのような消えた技術も多い
大きな利益を望むならリスクを取って早く入るべきだし、安定を望むなら待つのが正しい
新しい技術が自分の価値観に合うかを判断するには時間が必要だ
今考えてもやはり馬鹿げているが、あの時買っていれば金持ちになっていただろう
数年間は利益が出たが、結局は消えた技術になった
将来価値を予測する難しさを、みんな見落としている
モバイルゲームの成功も、技術よりマーケティングに左右されていた
キャリアが消えるかもしれないという恐怖が大きい
LLMのおかげで生産性が上がったなら、企業が人を再び採用する理由がないかもしれない
だからあと10年持ちこたえるか、それともキャリアを変えるか悩んでいる
タイヤを直す整備士を見て、むしろうらやましいと思った — 景気に関係なくタイヤはタイヤだから
昔のMS Accessのように、「プログラマーは不要だ」と言われたツールが、結局は保守市場を生み出した
むやみに履歴書をばらまくやり方は効果がない
欲求が尽きない限り、新しい機能とプラットフォーム、テスト、文書、サービスは生まれ続ける
完全な自動化が来るまでは、仕事はなくならない
だがソフトウェアは進化し続けるだけで、消えはしない
本当の「堀」を望むなら、複雑で、資格が必要で常に需要のある仕事を探すべきだ
私はむしろ、最新技術に素早く乗りつつ、将来が不確かになったらすぐ降りる戦略が最適だと思う
ビットコインのように初期に入れば大きな利益を得られるが、遅すぎるとリスクばかり大きい
AIも同じで、初期にコンテンツを作った人は得をしたが、今は先行者利益が失われつつある
ビットコイン以外にも無数のコインがあり、その大半は失敗した
結局はチューリップ・バブルのようにTulip Maniaの事例が繰り返される
その原則に従えば、ビットコインを15年間保有することはできなかったはずだ
本当の差別化は深い専門性を積み上げ、その知識で新しいつながりを作り出すことにある
そうしてこそ意味のあるファーストムーバーになれる
1986年からコードを書いてきたが、FOMO(取り残されることへの恐れ)に振り回されなくなった
急がなくても、結局整理作業は残る
AIも同じで、チーム規模を縮小する方向に進んでいる
SaaS、iPaaS、サーバーレス、マネージドクラウドのように、AIも小規模チーム中心の開発を加速させている
クラウド初期に「絶対に流行らない」と言っていたシステム管理者がいた
だが好奇心旺盛なアーリーアダプターたちは、のちにクラウド移行のリーダーになった
モバイル開発も同じで、初期に学んだ人だけがチャンスをつかんだ
EC2管理も物理サーバー管理も、技術的にはほとんど同じだ
ただし経営陣がマーケティングを信じたからこそ市場が大きくなった
LLMはIDEのようなツールに近く、学ぶのも難しくない
私は最初、LLM支援コーディングに反対していたが、今はClaude Codeをよく使う
非技術者でも簡単に使えることがLLMの核心的価値なら、開発者にとってはなおさら簡単なはずだ
だから「取り残される心配をする必要はない」という投稿者の言葉に同意する
今エンジニアリング組織がやるべきことは、AIツールを十分に理解し、どこに適用するかを見つけることだ
Claude Codeのようなツールは、「いつかやろう」と思っていたアイデアを1時間で機能として実装できる
こうした機会を逃すのは本当にもったいない
ただ仕事と生活を分けたい人もいる。必要な分だけ学べばいい
技術は進歩するだろうが、今は待つのも賢明だ
私にとってLLMは今や必須スキルだ
いつ、どこで、どう使うとよいかを知っていることが重要だ
単純な反復作業を自動化できなければ、チーム全体の生産性低下につながる
たとえばLLMでバグ再現コードを作ったり、性能回帰をテストしたりするのは、もはや基本だ
こうした自動化のおかげで精密な分析がしやすくなり、同僚もそうした効率性を期待している
Gitを最初に使わなかったという話は、バージョン管理そのものをしていなかったという意味かもしれない
今でもファイルコピーでバージョン管理している開発者はいたし、彼らはGitを学ぶとすぐ大きな助けを得た
LLMはそうではない
すべてのクライアントがGitに移行してくれたらいいのにと思う
成熟した技術を待つのも悪くない、という論旨だ