10億年に一度あるかないかの進化的出来事、2つの生命体の融合(Merge)
(newatlas.com)前例のない、10億年ぶりの進化的事件:2つの生命体が1つに融合
- 藻類の Braarudosphaera bigelowii が UCYN-A というシアノバクテリアを取り込んだことが明らかになった。これは進化における大きな飛躍となる可能性がある。
一次共生:微生物が別の微生物を取り込む現象
- 一次共生(primary endosymbiosis)は、ある微生物が別の微生物を取り込み、それを内部器官のように使い始めるときに起こる。
- 宿主細胞は共生体に栄養分、エネルギー、保護といった利点を提供し、やがて共生体は単独では生き残れなくなって、宿主の器官、つまり細胞内小器官(organelle)になる。
地球の歴史上、一次共生は2回しか起きていない
- 約22億年前、古細菌が細菌を取り込んでミトコンドリアになったのが最初の例である。これはすべての複雑な生命体の進化を可能にした。
- 約16億年前、こうして進化した細胞の一部が、太陽エネルギーを取り込めるシアノバクテリアを吸収して葉緑体となった。これにより植物は光合成能力と緑色を得た。
B. bigelowii 藻類で3度目の一次共生が発見
- B. bigelowii 藻類は UCYN-A 細菌を取り込み、大気中の窒素を固定し、ほかの元素と結びつけてより有用な化合物を作れるようになった。これは一般的な藻類や植物にはできないことだ。
- 研究チームは、宿主と共生体のあいだのサイズ比、栄養交換による成長制御、複製および細胞分裂の同期などを通じて、これが一次共生であることを確認した。
- UCYN-A は必要なタンパク質のおよそ半分しか生産できず、残りは宿主藻類に依存している。これは内部小器官になりつつある過程の特徴の1つである。
新しい小器官「ニトロプラスト」の発見
- 研究チームは、UCYN-A が完全な小器官であることを示しており、これを「ニトロプラスト(nitroplast)」と命名した。
- ニトロプラストは約1億年前に進化を始めたようで、これはミトコンドリアや葉緑体と比べると非常に短い時間である。
- 研究チームは、ニトロプラストがほかの細胞にも存在するのか、どのような影響を与えるのかなどを今後も研究していく計画だ。
- ニトロプラストは植物に窒素固定能力を与え、より良い作物栽培に活用できる可能性がある。
GN⁺の意見
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一次共生は生命進化において非常に重要な出来事であり、この現象が現在も起きているというのは興味深い発見である。今後ニトロプラストがどのような役割を果たすのか注目に値する。
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ただし、この研究結果が実際の農業に応用されるまでには、まだ多くの研究が必要だとみられる。遺伝子操作によって作物に窒素固定能力を与えることは、生態系に予期しない影響を及ぼす可能性があるため、慎重であるべきだ。
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ミトコンドリアと葉緑体の起源となった一次共生が約10億年前に起きたことを考えると、ニトロプラストの進化はまだ初期段階にあると推測される。今後この小器官がどのように進化していくのか見守る必要がある。
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このような研究結果は、生物同士が緊密に相互作用しながら進化してきたことを示している。他の生物との共生が、新しい能力を獲得するうえで重要な役割を果たしてきたことを示唆している。
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一次共生が起こるメカニズムや条件について、さらなる理解が必要だと思われる。それによって生命進化の中核的な過程を明らかにし、新たな生物学的応用の可能性を探ることができるだろう。
1件のコメント
Hacker News の意見
要約:
Braarudosphaera bigelowiiは、12枚の五角形の板に囲まれ、完全な正十二面体の形をしている。非常に興味深い生物である。