- 著者のRyan KuhnはABLのエンジンプログラムを最初から立ち上げた。最初はエンジン開発の経験がなかったが、好奇心と直感、問題解決能力を基に挑戦した。
E2エンジン設計
- E2エンジンはガスジェネレータサイクルを使用し、ターボポンプ、燃焼室、インジェクター、ガスジェネレータで構成されている。
- ターボポンプは50,000 RPMで回転し、毎秒数ガロンの推進剤を2000 psiで加圧する。
- インジェクターはpintle方式を採用して製造プロセスを簡素化した。
- 燃焼室はInconel素材で3Dプリントし、冷却チャネル設計を最適化した。
ハードウェア製作
- 部品製造業者と協力して初期のエンジン部品を作製したが、コストとリードタイムの問題から自社の生産能力を確立した。
- 5軸ミリングマシンと旋盤を導入し、技術者を採用してインペラとタービンを社内生産した。
- 設計改善と製造技術向上により、インペラとタービンの製作時間を短縮し、コストを大幅に削減した。
チーム編成
- エンジン設計と製作に没頭するエンジニア、現場テストを得意とするエンジニアが効果的である。
- 経験に過度に依存せず、First Principlesに基づいて考えるエンジニアが成功する。
- 自身の分野だけでなくロケット全体を理解しようとするエンジニアが優れている。
- 問題解決能力と機械・流体力学的な直感が最も重要な資質である。
テストと反復
- 2019年の夏にE2エンジン初期テストを実施し、さまざまな問題を経験して解決策を模索した。
- 2020年にAFRLでターボポンプの試験を実施し、安定した動作を実現した。
- 2021年にモハビで新しいテストサイトを建設し、飛行用エンジン試験を開始した。
- 様々な試行錯誤を経て、エンジンとエンジニア、会社全体が強化された。
- テストを継続し、問題を発見して解決することが重要である。
GN⁺の見解
- ABLのエンジン開発事例は、エアロスペース・スタートアップが参考にできる優れた先例となるだろう。小規模チームが短期間で独自のエンジンを開発したことは、驚くべき成果である。
- 単純で管理しやすいエンジン設計、垂直統合による迅速な製作、現場中心のエンジニアリング文化などが成功要因とみられる。
- ただし、実飛行によるエンジン検証がさらに必要だろう。地上燃焼試験だけでは、実際の飛行条件下での性能と信頼性を完全に保証するのは困難である。
- 既存のロケットエンジンメーカーのノウハウと技術力に追いつくには、さらに時間と経験が必要だろう。特に再使用エンジン開発が今後の課題になると予想される。
- それでもABLの事例は、既存の慣習を打破し、革新的な方法でロケットエンジンを開発できることを示す優れた例だと思う。他のスタートアップに刺激を与えると期待される。
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