1 ポイント 投稿者 GN⁺ 2024-07-22 | 1件のコメント | WhatsAppで共有
  • 1907年のヨークシャー教区登録簿の写本に見られる16〜17世紀の日付末尾の j は、後から付け足された記号ではなく、最後の i を置き換えた表記だった
  • この表記はローマ数字の終わりを明確にする慣習から生まれ、j は最後の i を長く書いた装飾的な形と理解できる
  • xvij は 17 と読むべきで、16 に j が付いた例外表記ではなく、数字そのものの一部である
  • 1901年の Typographical Journal の引用では、16世紀に最後の i に尾を付ける書き方が流行し、viij は 8xij は 12 のように書かれたと説明している
  • 同じ慣習は古いラテン語テキストの i 連続表記にも現れるが、英語圏の事例を中心とした説明であるため、他言語圏への適用可否は断定しにくい

ローマ数字末尾の j は何を意味したのか

  • 古いヨークシャー教区登録簿の写本には、16世紀から17世紀初頭の日付がローマ数字で記され、その末尾に j が付く例がいくつも見られる
  • ここでの j は別個の接尾辞ではなく、最後の i の字形である
    • xvij は 17
    • viij は 8
    • xij は 12
  • この表記には、数字がどこで終わるのかを明確にする役割もあった
    • 1919年の医療処方ガイドでも、誤解を避けるために最後の j の使用を推奨した事例が示されている

字形と使用範囲

  • j は当初から独立した文字だったというより、ローマ数字の末尾で使われた swash、つまり装飾的な字形として始まり、その後に独立した文字として有用になった
  • 1901年の Typographical Journal の「Some Alphabetical Notes」の引用は、i と j の関係を次のように扱っている
    • i と j は、19世紀最初の25年間を過ぎても辞書で同一のものとして扱われることがあった
    • 英語での j の使用は、コモンウェルス期である1649〜1658年の間に一般化したとされる
    • 1630〜1646年にはまれで、1625年以前に使われていたかどうかは不確かとされる
    • 16世紀には、ローマ数字の最後の i に尾を付ける書き方が流行した
  • 同じ説明では、これを初頭・中間・末尾の位置によって変わる 活字の字形の問題として捉えている
    • ラテン語の s には初頭・中間形の ſ と末尾形の s があった
    • 一部のテキストでは vniuersi のように初頭形の v、中間・末尾形の u が現れる
    • ローマ数字では、初頭・中間形の i、末尾形の j が使われたことになる
  • 古いラテン語テキストでも radijsocijspetijt のような形が見られ、単に語末の j というより、2つ以上の i が続くと最後の i が j に変わる方式に近い
  • ローマ数字では i が1つしかなくても、最後の i が j に変わる規則が適用されると整理できる

1件のコメント

 
GN⁺ 2024-07-22
Hacker News のコメント
  • オランダ語の二重字 ij も同じ慣習に由来する
    もともとは ii と書かれていたものが後に ij になり、最初は長い i、つまり英語の “ee” のように発音されていたが、その後英語の “eye” に近い音へ変わった。オランダ語の都市名 Berlijn、Parijs に見られる
    一方、現在の長い i の音は ie と書く。IJ はオランダ語で単一の文字のように扱われ、大文字化されるほぼ唯一の二重字であり、オランダの教育では、固有のオランダ語単語に出てこない y の代わりに25番目の文字として教えられることもある
    電話帳では以前は y と一緒に混ぜて並べていたが、コンピューターが普及してからは通常 i の次に j として並べられる。Ysselsteyn のような地名では、Y が IJ のように発音される

    • オランダ人なのに、アルファベットを習ったときは ij ではなく y(I-grec) を習った気がする
      少し前、子どもが見ていたアルファベットの歌で y の代わりに ij を使っているのを見て驚いた。IJsselstein のことを言っているのかと思ったが、実際に Ysselsteyn もあり、両者は同じ村ではないものの発音は同じ
      そうすると、同じ音を書く方法が yijei の3種類になり、現代の正書法ではあまり使われないが ey も数えるべきかもしれない。ちなみに y は Yvonne のように “ee” とも発音され得る
    • このフォーラムの読者になじみのある例として Edsger Dijkstra がいる
    • 地元のテーマパークに「オランダ・エリア」があったのだが、子どものころ、ある売店の名前に ÿ が入っているのを見ていつも不思議に思っていた
      後になって、それが ij の代替表記のようなものだと知った。ブラックレター体で ij を書くと、なぜそうなったのかが本当にわかりやすい
    • オランダ語の方言である Zeeuws では、標準オランダ語で ij を含む多くの単語が “ee” のように発音され、ie と書かれる
      つまり、すべての地域で完全に変わったわけではない。たとえば Dijk は Diek になる
    • ij でいちばん好きなのは、民間的な音訳として ÿ を使う慣習
      筆記体では ijÿ に変わっていく過程が見えやすい。ところが ÿ の Unicode コードポイントが U+FF なので、「認識されない文字」のプレースホルダーとしてよく現れ、そのせいでオランダ語テキストで ÿ が正しい文字だという誤解がさらに定着することもある
  • 数字の 偽造や改ざん防止 という観点では面白いのだが、この方式が防げる範囲はごく小さい
    i の代わりに j を使っても、せいぜい数字の後ろに 1 や 2 を付け足すのを防ぐ程度
    一方で左側には、依然として iiviixiilxii などに変えられる。また末尾が j でなければ、右側に i を付けて xxjxijxvij のようにすることもできる
    これほど効果が小さいのに、わざわざ j を使っていたのは笑える。数字の上に線を引く慣習もあったのなら、単に全体を箱で囲めばよかったのではと思う

    • 1つ目の仮説は、偽造防止ではなく うっかり読み間違えること を防ぐ目的だったというもの
      任意の汚れが xv のように見える可能性は、i のように見える可能性より低いので、そうした文字には終端記号があまり必要なかったのかもしれない。そして i は大きいローマ数字の先頭には来られないため、終端記号だけで十分だった
      2つ目の仮説は、そもそもそのような保護装置として始まったのではないというもの。ijuv が別個の文字ではなかった時代の タイポグラフィ上の慣習 であり、人々が後になって読解補助として使い始めた可能性がある
    • ドイツ語には、誰かをだましたり詐欺を働いたりする意味の古い慣用句があり、大まかには U を X にごまかす という感じに訳される
      酒場のツケ帳や記録で vx に変えていたことに由来するとされる。これが慣用句となり、ローマ数字の使用がなくなった後も長く残ったことを考えると、かつてはかなり共感される出来事だったのだろう
    • これはどんな数字にも当てはまる問題ではないかと思う。2 を 12 や 21 にできる
      だから法的文書では「12か月以下」のように、数字と一緒に twelve (12) months という形で書かれているのを見かける
    • 記事の出典を見ると、改ざん防止というより、患者が誤って 間違った用量 を受け取らないようにする方法のように聞こえる
      1900年代初頭以前には、英語圏の大半でコカインやアヘンを処方箋なしでも買えたはずなので、処方箋を書き換える理由はあまりなかったように思う
      記事で引用されている出典は1919年の資料なので、それ以前の自由放任的な薬物政策から数十年しか経っていない時期である
  • 英語でかつて ss の重複を表記する際に使われていた 長い s に似た装飾のように見える: poſseſs または poſſeſs
    https://en.wikipedia.org/wiki/Long_s

    • ドイツ語では ſ と s の合字 が単一文字 ß になった
  • xvij は16ではなく 17 と解釈すべき。付け足されたものではなく、数字の一部である
    元祖オフバイワンエラーなのかと思う

    • 違う。文字 J は西暦4世紀に、ラテン語で I の子音形を表すために生まれたから
      そのため J と I は同等の関係にある
      U と V にも似た歴史がある。もともとのラテンアルファベットには V しかなく、U は V が母音である場合を担当した。古い彫刻や像で U を V として書いている理由はそのため
    • 面白い考えだが、実際には ij が昔は同じ文字の変種だったことを知らない人による 読み間違い にすぎない
  • なぜ xx は終わっていることが明確なのに、iii は終わっていることが明確ではなく、最後の i を j と書かなければならないのか理解できない
    そのうえ上付きの th のような追加文法が付いているなら、なぜそれでも j が必要なのかもわからない。その頃には目的や必要性を考えず、ただ惰性で j を使っているだけに近い

    • 手書きのメモを改ざんするときは、x を1つ余分に挿入するより i を1つ余分に挿入する ほうが簡単
      小切手に金額を数字だけでなく文字でも書く理由と似ている。若い読者は、小切手が何かを親に聞くといい
    • I の形のせいかもしれない。ひっかき傷1本だけでも I のように見えやすいが、X には少なくとも2画が必要になる
  • スペイン語、あるいは英語の単語末尾の -y も、可読性を高めるために装飾的にした i のように見える
    leyrey のような例がある

    • それらの単語はラテン語の lexrex に由来するので、もしかすると流麗な手書き文字が標準化されたこととの関係のほうが大きいのかもしれない
      一方で、x は昔 /j/ と読まれることもあったので、たとえば Quixote や Mexico のように、lex → lej → ley だった可能性もありそうだ
    • オランダ語の二重字/合字 ij は、ウムラウト付きの y のようにも見える
      https://en.wikipedia.org/wiki/IJ_(digraph)
    • 古スペイン語には、そうした単語の一部に i があったようだ。たとえば rei のような形や、“and” を意味する i があった
  • いちばん興味深いのは、その投稿が何か月もの間「なぜそうしたのか」への答えなしに置かれていたのに、2時間前に追加されたコメントをもとに ChatGPT は知っていた、という点だ
    j は偽造や文書改ざんを防ぐためのものだったという。ii は後から iii に変えられるが、ij が後から iji のように見えたら、操作されたことは明らかになる

    • ChatGPT は単に Wikipedia で読んだだけのように思える: https://en.m.wikipedia.org/wiki/Roman_numerals#Use_in_the_Mi..., https://samplecontents.library.ph/wikipedia/wp/r/Roman_numer...
      とくに Wikipedia の出典である https://archive.org/details/materiamedica00bastgoog/page/584... には、詐欺、偽造、改ざんについての記述はなさそうだ。そしてその説明は回避があまりに簡単なので、実際にもあまり筋が通らない
      だから「ChatGPT が教えてくれた」というコメントは信じないほうがよい
    • 質問は10年以上前に投稿されたもので、今になって HN でクリックを集めているため、誰かが 大規模言語モデル の回答を検証せずにコピー&ペーストした可能性がある
      興味深くはあるが、良い意味ではない
    • 質問は「2013年10月10日 1:54」に投稿され、なぜそうしたのかを説明する回答は「2013年10月10日 2:58」に付いている
      ChatGPT の回答についてよりもっともらしい解釈は、偽造防止という説明 自体が間違っている、ということだ。2013年の回答は当時の資料を引用して理由を説明しており、偽造防止は出てこない
    • StackExchange は AI による回答を許可していない ;)
    • xxx に変えられるのに、なぜそれは問題ではないのか?