- AIエージェントのスタートアップ約170社を26のカテゴリーに分類した市場マップ
- あわせて、AIエージェント技術の発展状況、限界、今後の見通しを分析
概要と市場動向
- AIエージェント(自律的で意思決定の範囲が広いシステム)は、概念段階を超えて、実際に企業環境へ急速に導入されつつある
- AIエージェントのスタートアップは2024年に38億ドル(約3倍増)の投資を受けた
- 大手テック企業も積極的にAIエージェントを開発したり、関連ツールを提供したりしている
- 企業は人間とAIエージェントが協働するハイブリッドチームの構築を進めており、日常業務を自動化して効率を最大化すると見込まれる
AIエージェントのスタートアップ動向
- AIエージェントのスタートアップ選定では、Mosaic健康スコア(500以上)と直近の資金調達の有無(2022年以降)を基準とした
- スタートアップはインフラとアプリケーションに分けて分類され、主なカテゴリーは次の通り
- 推論(Reasoning): 複雑な思考と言語理解を担う基盤モデル
- 記憶(Memory): 情報を保存・管理するシステム
- ツール利用(Tool use): 外部ソフトウェアやインターネットと相互作用できる機能
- 計画(Planning): 複雑な業務を分解し、適応する仕組み
AIエージェント技術の見通し
- まだ完全自律型のエージェントは、信頼性、推論能力、アクセス性などの面で制約があり、ほとんどは限定された環境でのみ動作する
- 今後、技術の進展によって推論や記憶能力が向上すれば、より高度な意思決定や業務遂行が可能になるとみられる
- 例:
- リーガルAIスタートアップのHarveyは、OpenAIのo1モデルを活用して法務業務全般を自動化するエージェントを開発中で、最近3億ドルの投資を受けた
- 今後は、既存のチャットボットとは異なる新しい形のAIベース業務環境(AI-native workspace)が広がると予想される
- Eve: 法務業務の全プロセスを自動化
- Hebbia: スプレッドシートを通じてファイル内データを自動で分析・整理
- The Browser Company: Webブラウジング作業を自動化し、予測可能な新しいインターフェースを開発
分野別の市場分析
AIエージェントインフラ
- AIエージェント開発専用のインフラツールが増加中
- 開発ツール: Letta(記憶管理)、Composio(外部連携)、Anon(認証)、Browserbase(ブラウザー自動化)など
- 音声および決済ツール市場も成長中で、ノーコードやローコード型の開発プラットフォームの人気が高まっている
- Cohere、Mistralのような主要LLM企業や、Amazon、Microsoft、Googleなどのビッグテック企業もインフラを提供している
信頼性と性能(Trust & Performance)
- AIエージェントの信頼性やセキュリティの問題を解決するスタートアップが登場している(例: Haize Labs、Langfuse)
- マルチエージェントシステム(Multi-agent systems)は、複数の専門化されたエージェントが協力して精度を高める方式として人気を集めており、CrewAIはFortune 500企業の40%が利用中だと報告している
- エージェントの信頼性確保に向けた5つの方法:
- 透明性
- 人間による監督
- 技術的な保護措置
- セキュリティと規制遵守
- 継続的な性能改善
水平型アプリケーションと業務機能(Horizontal applications & job functions)
- AIエージェント市場全体のほぼ半分を占めており、顧客サービスとソフトウェア開発分野が特に目立つ
- HR、マーケティング、セキュリティなど、業界全体にまたがる多様な業務の自動化が進んでいる
- 顧客サービス分野では特に導入が活発で、調査対象企業の3分の2が今後1年以内にAIエージェントを利用する予定だと回答した
垂直型(業界特化)アプリケーション(Vertical applications)
- 業界別に特化したAIエージェント市場も成長しており、金融サービス、ヘルスケア、産業分野が代表的
- 金融・保険分野が最も多く(例: Boosted.ai、Indemnなど)、ヘルスケアではHippocratic AIやThoughtful AIなどが医療業務全般の自動化を提供している
- 産業分野ではComposablが産業機器制御向けのエージェントプラットフォームを提供している
結論と今後の見通し
- AIエージェント市場は、ビッグテック中心の汎用市場と、専門性を打ち出した垂直市場に分かれて発展している
- エージェントの信頼性とセキュリティの課題が主要な関心事項となり、それを解決する専門企業が台頭するとみられる
- 今後はAI-nativeワークスペースなど新しい形のエージェント活用環境が増えることで、AIエージェントの定義と活用方法がさらに広がると期待される
1件のコメント
Michael Tefula が作成した AIエージェント市場マップ と少し異なりますが、ほぼ似ています。
この CBInsight のものは会社をクリックできないため詳細情報が分かりにくいのですが(有料ユーザーにのみ提供されているようです)、
上の Tefula のものは会社をクリックしてその会社のウェブサイトへ移動できるので、参考にしてください。