microSDカードの信頼性はどの程度か:実データに基づく長期・大規模テスト結果
(old.reddit.com)- 約1年10か月にわたり、256枚のさまざまなブランド・製品を対象にmicroSDカード信頼性実験を実施
- 全カードの82%で少なくとも1回以上のエラーが発生し、最初のエラーまでの平均は2,400回、中央値は1,450回の読み書きサイクル
- 0.1%セクターエラー基準では、**半数近くが4,500回(平均)、3,100回(中央値)**以内に閾値へ到達
- ブランドごとの耐久性のばらつきが大きく、Amazon Basics、Kingston、Kioxia(一部)、Lexar、OVなどは比較的優秀、SanDisk、Silicon Power、Gigastone、onn.などは平均以下と評価
- ブランドに関係なく、オフブランド(非主流ブランド)のカードでも有名ブランドと同等、あるいはそれ以上の結果を示した例が多い
- カードの故障は、書き込み禁止、CSDレジスタ破損、全データ破損、電源シーケンス失敗など多様な形で発生
- Amazonで購入したカードはAliExpressで購入したカードより全体的に良い結果を示した
How reliable are microSD cards? Well, as it turns out...
実験概要
- 約1年10か月にわたり256枚のmicroSDカードをテスト(223枚はテスト継続中、105枚は故障まで検証)
- 合計47ペタバイト超のランダムデータをカードへ継続的に書き込み・検証
- ブランド、容量、製品群など非常に多様なカードが対象
主な結果の要約
一般的なエラー頻度と耐久性
- 82%のカードで1回以上エラーが発生:10回未満のサイクルで最初のエラーが出たものもあれば、10万回以上でも無エラーのものもごく少数存在
- 最初のエラー発生時点の平均:2,400回、中央値:1,450回の読み書きサイクル
- 0.1%セクターエラー閾値への到達:平均4,500回、中央値3,100回サイクル(半数近くがこの時点で到達)
- 一部のカードは3,100回以下で完全故障または閾値到達
ブランド別の耐久性の違い
- ADATA: 平均2,352回で平均以下
- Amazon Basics: 4枚すべてが1年間無故障、うち2枚はエラーなし
- Delkin Devices: 平均以上、無エラー記録(6〜8か月間)
- Gigastone: 9枚中8枚が完全故障、6か月以内の故障例が多数
- Kingston: 15枚中完全故障は1枚のみ、産業用製品もSanDiskより優秀
- Kioxia: Exceriaはすべて早期故障、Exceria Plus/G2は1万回超でも無エラーで、信頼性上位
- Lexar: Micron時代の一部モデルには製造上の問題があったが、全体として耐久性は良好
- onn. (Walmart PB): 4枚すべてが2,000回未満で故障
- OV (AliExpress): 3枚すべてが1万回超に耐え、平均以上の信頼性
- PNY, Samsung, Transcend: 1年以上のテストで大半が無エラー、信頼性は平均以上
- SanDisk/WD: 29枚中14枚が完全故障、突然の故障(電源障害、リーダー交換など)が多数報告
- Silicon Power: 8枚中5枚が完全故障、平均2,000回未満
- XrayDisk: 3枚中1枚のみ故障、性能は低いが耐久性は平均以上
ブランドの影響と購入先
- オフブランド/中小ブランドも有名ブランドと信頼性に大差はなく、むしろ平均はやや高い
- 偽造/不良フラッシュは平均2,200回で最も早く故障
- Amazon購入カードはAliExpressより平均的に耐久性が高いことが示された
カードの故障パターン
- 書き込み禁止ビットの有効化(データは残り、バックアップ可能)
- CSDレジスタ破損(カード容量が127MBと表示されるなど)
- 全データ破損、パワーアップシーケンス失敗など多様な故障タイプ
結論と実務的示唆
- microSDカードの耐久性はカードごとの差が非常に大きく、平均的には数千回の書き込み/消去後にエラーが発生する可能性がある
- ブランド名だけでは信頼性は保証できず、同一ブランド内でも製品群や生産時期によるばらつきが大きい
- 重要データの保存には慎重な選定と定期的なバックアップが必須
- Raspberry PiなどのSBC、監視カメラ、組み込み機器など連続書き込みが多い環境では特に注意
より詳細な数値は、執筆者の実験結果ページ - On the Capacity, Performance, and Reliability of microSD Cards)で確認可能
Redditの主なコメント要約
- Raspberry PiとSDカードの相性問題は過去のカーネル/ドライバ問題であり、最近ではかなり改善されたとの言及
- High Endurance/Industrialなど耐久性強化モデルは一般カードよりはるかに長持ちするという実体験が多数。特にSamsung PRO Endurance、SanDisk High/Max Endurance、Kingston Industrialシリーズが高評価
- SanDisk/Nintendo Switch向けカードは信頼性面で高評価で、特に大容量(128GBなど)ほど耐久性が高い可能性があるとの意見(ただし、テストデータ上では大容量が必ず長寿命かは不明)
- カード故障の主因は電源断(ブラウンアウト、ハードシャットダウン)、発熱、品質不良、過剰なシステム/DBログ書き込みなど。SDカードは電源中断に非常に弱いという事例が多い
- SDカードのNANDタイプ(SLC、MLC、TLCなど)が耐久性の鍵だが、ほとんどの民生向け製品はこれを公開していない。Industrial/上位モデルは明記されているため、Digi-KeyやMouserなどでの購入を勧める声もある
- SSDやM.2、NVMe、USBドライブで起動/データ保存する例も多く、実際には速度・耐久性ともにSDカードより優れるという意見が多い
- カードの使用環境(温度、機器、リーダー品質など)も寿命に影響するとの指摘。Pi環境でのSDカード故障は使用環境や電源、リーダー品質に大きく左右される
- Amazon Basicsカードの性能が意外に良かったという結果が注目を集めた。低価格ブランドに不信感を持つ利用者も多かったが、実テストでは十分良好と評価された
- 読み取り専用/読み取り中心の用途では故障が著しく少ないとの意見もあったが、時間が経てばフラッシュ内部の電荷保持の問題で結局は劣化しうる
- 価格対性能比で最良の組み合わせとしてKingston Canvas Go! Plusなども推奨されている(耐久性+性能+価格の観点)
- 信頼性・耐久性だけを重視するなら産業用カード/高価格帯モデルが最上だが、一般ユーザーには価格負担が大きいという指摘もある
1件のコメント
Hacker Newsのコメント
リストにあるブランドのかなりの部分は実際の製造元ではなく単なるブランド名だという点に触れておきたい。真の製造元を突き止める過程自体も興味深いポイントだと思う。これはカードのクエリや実機確認(例: 裏面のテストポイント配列など。メーカーごとに異なる)で判別できる。
こういうテストに労力をかけてくれる人がいるのはありがたい。安価な電子機器の品質を消費者が適切に評価するのは本当に難しい状況で、特に主要レビュー媒体が次々となくなっているのでなおさらだ。AnandTechも今では思い出だ。大半の消費者が得られる情報は、スペックを並べただけの広告的な「リスト記事」とアフィリエイトリンクばかりだ。
0.1%のエラー率基準についてもっと聞きたい。実際には次の3つの状況は大きく異なる。1) 読み取りがエラーを返すが、再試行すると成功する 2) 読み取りが継続してエラーを返す 3) 読み取りが誤ったデータを返しているのに成功扱いになる
これらの SD カードの耐久性には本当に感心する。コンシューマ向け SSD では、容量に対して 600 ドライブサイクル(TBW基準)が宣伝される上限で、かなり標準的な数値だ。賭けではあるが、一部の SD カードが 4000 サイクルまで耐えたという結果は非常に印象的だ。
実際、NVMe/SATA SSD もかなり長持ちする傾向がある。TechReport が10年前に耐久限界までのテストを行ったが、すべての SSD が 3000 サイクルまで耐え、Samsung 840 Pro はほぼ1万サイクルに達した。 TechReport SSD耐久性実験
最新の SSD もテストしてみてほしい。実際に誰がフラッシュを最もうまく作っているのか(Kioxia、Micron など)気になる。TechReport の SSD DB を見ると各パーツの仕様がすべて出ていて、たとえば SanDisk/WD SN7100 には Kioxia 218-Layer BiCS8 3D TLC が使われている。実際にはフラッシュそのものを作っている会社はそれほど多くない。
コンシューマ向けスタックを耐久限界まで試すのも面白そうだ。218層とは! むしろこの10年で耐久性が向上したのか疑問ですらある。昔は期待値を大きく上回る持ち方をしていたからだ。 Western Digital SN7100 スペック
結果の要約と少しの推測
中央値ベースの SD カード耐久性データ
最初のエラー発生: 約1450 読み書きサイクル
故障時点: 約3100 読み書きサイクル(完全故障または 0.1% 区間エラー)
ブランド別耐久性(点数が高いほど良い):
5点: ブランドの「Endurance」「Industrial」シリーズ
2点: Adata
4点: Amazon Basics
4点: Delkin
1点: Gigastone
5点: Kingston
4点: Kioxia(Plus、G2 のみ)
4点: Lexar
1点: onn.
4点: OV(読み書き性能は最悪)
4点: PNY
1点: SanDisk(買収後のバージョン)
1点: Silicon Power
4点: Transcend
SanDisk で起きたことは残念だ。以前は最高だったのに、今では最低だ。最近 SanDisk の USB ドライブを返品したが、連続書き込みに耐えられず途中で接続が切れた。
こうした総合テストは Storagereviews のようなところで扱ってほしい内容だ。すでにさまざまなカードをさまざまなシナリオでベンチマークしているのだから、耐久性も一緒に扱ってくれるとよい。
総ドライブ記録 3000 回なら、Raspberry Pi 用途ではかなり高い耐久性だ。128GB モデルなら OS とアプリで 20〜30GB しか使わないので、OS アップデートや DB 書き込みも十分こなせる。
実際にこういうテストをしてくれる人がいるのはうれしい。自分は個人的に A2 等級の endurance カード(Samsung)だけを選んできた。これまで SanDisk カードは Raspberry Pi で一度も壊れたことがなく、今も正常に動いている(激しく使ったことはない)。最近は Orange Pi 5 Plus に移行して SSD を使っている。性能と耐久性の観点では SSD が最終的な解決策だ。
SanDisk/WD が「brownout」(電圧低下)に弱いことを実験で知った。
実際に SD カードを使っていた SBC が、安物の USB 電源アダプタのせいで数日で停止して誤動作し、メーカーに修理問い合わせまでしたが、新しい電源アダプタに替えたら問題が完全に解決した。
結局のところ原因は電源問題で、残念なのは SBC メーカーがストレージを SSD に移行してくれないことだ。エントリークラスの SSD でも TF カードよりはるかに信頼性が高い。
SD カードは、いつかは必ず壊れる一時保存用ストレージとして扱っている。
この点を受け入れるとストレスはかなり減る。本当に重要なデータなら外部ストレージに別途保管すべきだ。
ちなみに WD に買収される前の HGST ハードディスクを使っていたことがあるが、普段の細かなエラーはうまく処理しつつ、本当に完全故障したときには読み取り専用モードに切り替わり、データ全体の復旧に成功した。
自分はカメラ用途の SD カードを2つの運用トラックに分けて管理している。
1つ目は毎日使う日常用 SD カードで、主にカメラやカードリーダーで回しながら使い、毎月1〜2回交換する。
2つ目はプロジェクト単位で使うカードで、1つのプロジェクトが終わるたびにファイルをコピーして別保管している。
動画は撮らず、Pentax 645Z のような比較的遅いカメラを使っているので、低速なカードでも問題ない。32GB カードをまとめ買いしている。
ちなみに今、Seagate HDD を RMA に出している。毎週バックアップ用に使っていたところ、バックアップが半分ほど進んだ時点でエラーが発生し、その後はエラーとクリック音の無限ループになった。フォーマットもできず完全に壊れた(フリーザートリックは試していない)。
SD カードは信頼性の低い保存媒体の1つだが、本当にデータが惜しいなら、SD カード1枚に1回保存するより2枚に2回保存するほうがまだ良さそうだ。もちろん第一選択ではないが。
SD および microSD カードはもともとバッテリー駆動機器向けに設計されている。
SBC はバッテリー駆動ではなく、SD カード拷問機に近い。
ほとんどの場合、SD カードの損傷原因はカード自体ではなく電源の品質だ。
電源品質が原因だという具体的な根拠があるのか気になる。
個人的には Linux ディストリビューションの書き込みパターンのほうが SD カードにははるかに厳しいと感じる。デジタルカメラはたいてい FAT/exFAT で大容量のシーケンシャル書き込みを行い、ジャーナリングもない。
microSD カードの問題で質問してくる人は、ほぼ例外なく安物の電源アダプタを使っていた。
自分は RPi 公式アダプタと SanDisk の通常カードしか使っていないが、8年以上にわたり複数台を運用して一度も問題がない。
性能設定や読み取り専用モードも特に使っておらず、昔の Pi で電源を抜いて再起動することもよくあったが問題なかった。
むしろ RPi 本体がランダムに壊れたときでも microSD カードは無事だった。
最近はすべての Raspberry Pi に DietPi を入れている。標準設定(RAM log など)が非常によくできていて気に入っているし、Raspberry Pi 以外にも多様な SBC にインストールできる点も利点だ。