- PHPプロジェクトは、従来の複雑で互換性のないPHP独自ライセンスとZend Engineライセンスを**BSD 3-Clause(修正BSDライセンス)**へ一本化するRFCを議論中
- 新ライセンスの適用時期はPHP 9.0で、ソースコード・ヘッダー・ドキュメント全般にBSD 3-Clauseが反映され、過去の特別条項やブランド関連の制限がなくなる
- OSI・FSF承認、GPL互換など法的明確性が確保され、コントリビューターおよびユーザーの権利は従来どおり保証される
- ライセンス変更には**PHP Group、Perforce Software(旧Zend)**の正式な同意が必要で、コミュニティでの議論後、6か月以上の検討および投票手続きを進める
- この変更はPECL/拡張機能など外部プロジェクトにもBSD 3-Clauseの選択を推奨し、「PHPライセンス」の使用は推奨しない
概要
- PHPプロジェクトでは長年、独自のオープンソースライセンスとZend Engine Licenseによって混乱と論争が続いていた
- 特にZendディレクトリのソースに適用されるZend Engine LicenseはOSI承認ライセンスではないため複雑さを増していた
- このRFCは、すべてのPHPコントリビューターの著作権を維持しつつ、ユーザーに従来ライセンスと同等の権利を与える実用的なライセンス簡素化を提案するもの
- **BSD 3-Clause(修正BSDライセンス)**を新たな公式ライセンスとして採用し、権利・利用条件を維持しながら複雑さと誤解を減らすことが目的
提案と主な変更点
- 問題の本質は、新しいバージョンのPHP LicenseとZend Engine Licenseを公開し、**Modified BSD License(BSD-3-Clause、OSI/FSFともに承認)**を正式に採用すること
- 既存のPHP License(version 3.01)とZend Engine License(version 2.00)は、特別条項を除けばModified BSDと実質的に同一であり、権限の本質的な変化はない
- ライセンス更新後:
- コントリビューターおよびユーザーに付与される権限に変化はない
- PHP Group、Perforce Softwareと協力して特定グループ固有の条項を削除
- PHPおよびZend EngineはOSI承認、GPL互換ライセンスの下で提供される
- 旧PHP LicenseおよびZend Engine Licenseの使用はもはや推奨されない
- LICENSEおよびソース内のライセンスヘッダーも新フォーマットへ置き換えられる
ライセンス全文の要約
- BSD 3-Clauseは自由にコピー・改変・配布が可能で、著作権表示と免責条項、名称・ブランドの無断使用禁止条件を含む
- BSD-3-ClauseはOSI(オープンソース・イニシアティブ)、FSFの双方で承認された自由ソフトウェアライセンスであり、GPL互換でもある
変更手続きと承認
- RFCはコミュニティでの公開議論の後、投票で確定され、正式な同意・投票後に適用が進められる
- ライセンス変更にはPHP GroupおよびPerforce Softwareの正式同意が必要
- 過去のソースコードコントリビューターの権利はそのまま維持され、変更が既存の権利を侵害することはない
- コミュニティに6か月以上の議論期間を設けた後、投票で確定する
- 変更はPHP 9.0で正式に反映される予定
背景と歴史的文脈
- 初期のPHP 1・2はGPL、その後ApacheライセンスやカスタムBSDベースのライセンスを経て発展してきた
- Zend Engineは別ライセンスを維持していたが、現在では事実上分離不可能な1つのプロジェクトと見なされている
- 既存のPHPライセンスにおける名称使用制限やブランド保護条項は、他のオープンソースとの互換性や配布において継続的に問題を引き起こしてきた
既存コード、拡張機能、ドキュメントへの影響
- 今回のRFCは**php-src全体(別ライセンスが明記されたコードは除く)**に適用され、PECL/拡張機能などにもBSD 3-Clause採用を推奨する
- 新規/既存のPHPソースリポジトリ内でPHP LicenseまたはZend Engine Licenseが適用されているコード全体に影響する
- 既存ライセンス(z.B. timelibなど別ライセンスのコード)はこの変更の対象ではない
- PHPマニュアルはCreative Commons Attribution 3.0以降のライセンスを継続して維持
- 既存の拡張モジュール/ソフトウェアにはPHP License v4(Modified BSD)適用の選択肢が与えられる
- 今後の拡張機能および新規プロジェクトには最新のBSD/Apacheなど公認ライセンスの使用を推奨
結論
- PHPおよびZend Engineのライセンス構造が3-clause BSDへ簡素化され、オープンソースエコシステム内での明確性、互換性、商用活用、法的安定性が強化される見通し
- 本提案が承認・適用されれば、ユーザーはBSD-3-Clauseを基準としてPHPとZend Engineを自由に利用できる
- プロジェクト内のコントリビューター、コミュニティ、主要企業の同意と投票手続きが完了し次第、正式に適用される予定
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