- ソフトウェア開発で速さ(fast)が求められることはまれだが、速いソフトウェアはユーザー行動に変化を生み出す
- 高速デプロイやリアルタイムストリーミングのような技術は、業務効率とリモートワークを革新的に向上させる
- 遅いソフトウェアは認知的摩擦を引き起こし、実際にユーザーの生産性を大きく低下させる要因になる
- 速いソフトウェアは複雑さを隠すのではなく、単純さと集中を示す
- 今後の開発業界では、性能と体験の最適化を重視する流れが強まる見通しである
速さを求めないソフトウェア業界
- ソフトウェア業界では主に機能、価格、データ統合などが求められ、「速さ」が直接求められることは少ない
- しかし速いソフトウェアはユーザー行動そのものを変える力を持つ
- コードをデプロイする時間が秒単位まで短縮されると、開発者のデプロイ頻度も増える
- AIベースのコード自動補完機能は、慣れていない言語でのプロトタイピングを容易にする
- リアルタイムストリーミング技術は、リモートワークの可能性を切り開く
遅いソフトウェアの限界
- 遅いソフトウェアは私たちが思う以上の制約を与える
- たとえば機内WiFiを使うとき、大きな成果を出しにくいという経験をすることがある
- Slackでメッセージを送ったりメールに返信したりする程度しかできず、
- Google Docsはまともに動かないことが多く、
- 結局は諦めてしまうようなユーザー体験になる
- 一方でInstagramのようなサービスは、一貫して速い体験を提供する
速いソフトウェアの効果
- 速さは魔法のようだと感じさせる
- 速いソフトウェアは認知的摩擦を取り除き、RaycastやSuperhumanのように予想より一歩先の反応を見せる
- Superhumanの100ms以下の応答速度と優れたショートカット対応は、メール利用体験を革新する
- Mercuryの即時送金機能も、遅い銀行取引に慣れたユーザーに驚きを与える
- こうしたツールの速さは明示的に称賛されることは少ないが、ユーザーがまるで魔法のように感じる要因である
速さと単純さ、集中力
- 速さはすなわちシンプルさを意味し、現代のソフトウェア環境ではますます希少な価値になっている
- ソフトウェアを速くするには、不要な機能を取り除く努力が必要だ
- Linearのような簡潔なプロジェクト管理ツールは、WorkdayやOracleのようなエンタープライズアプリに比べてはるかに速い利用体験を提供する
- 速さはユーザーへの敬意であり、不要な要素を徹底的にそぎ落としたことを示す
速く作るための隠れた努力
- 速いソフトウェアを作るには、複雑なバックエンド最適化が必要だ
- Cash Appでは、ユーザーの導線に本当に必要な段階だけを追加するよう努め、複雑さは内部で処理する
- Instagramは写真アップロード時にキャプション入力と同時にアップロードを開始し、ユーザーが即座にアップロードされたと感じられるようにした
- 速さは単なる技術的達成ではなく、優先順位と集中力の結果である
速さは楽しさとモチベーション
- 速いソフトウェアは、それ自体で楽しさと満足感を与える
- タイピング速度(WPM)の計測やショートカット設定のような小さな部分でも、ユーザーは速くなる体験を楽しむ
速さの相対性
- AIおよびLLMベースのワークフローは、従来方式と比べて圧倒的に速い体験を提供する
- たとえば、6分でLLMにリサーチを任せることは、以前と比べて10,000倍以上速い生産性を生み出す
- しかし現時点では、AIアプリの開発、ビルド、デプロイの過程には以前のソフトウェア時代に比べて不足している点がまだ多い
- 現段階では、性能と体験よりも新機能にさらに注力している
- 将来は、低遅延、インターフェースデザイン、接続性、信頼性といった最適化を優先する流れが来るだろう
- そうなれば、より多くの新たな可能性とユーザー体験の進化が開かれるはずだ
参考資料
- 速さに関して有用な追加資料として、以下の文章がある
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