Anthropic、OpenAIのClaude APIアクセスを遮断
(wired.com)- Anthropicは、OpenAIが自社のサービス利用規約を違反したとして、ClaudeモデルへのAPIアクセス権を停止した
- OpenAIはClaudeを自社の内部ツールにAPIを統合し、自社モデルと機能・安全性を比較評価する中で、競争を禁止する規定を違反した
- AI業界では競合他社へのアクセス制限が頻繁に発生しており、Salesforceをはじめとする他の大手企業も同様の措置を実施した経緯がある
- OpenAIはAnthropicの決定を尊重する一方、自社APIがAnthropicにも引き続き開放されていることを残念がった
- Anthropicは、今後も業界標準に沿ってベンチマークおよび安全性評価目的の限定的なAPIアクセスは許可する方針だと明らかにしたが、実際の影響範囲は不明確
Anthropic、OpenAIのClaude APIアクセス停止の概要
- Anthropicは現地時間7月30日、OpenAIのClaudeモデルAPIアクセスを停止した
- 複数の情報筋によると、利用規約違反が理由で、OpenAIに停止の事実が通知された
サービス利用規約違反の内容と経緯
- Anthropic広報担当のChristopher Nultyは「Claude Codeは開発者の間で好評であり、OpenAI所属のエンジニアもGPT-5公開前にそのコーディングツールを使用していた」と述べた
- 最近、OpenAIはGPT-5の公開準備を進めており、このモデルがコーディング性能が高いとされている
- その行為は、Anthropicの商用サービス利用規約に明記された「競合製品・サービスを開発する目的での使用、またはリバースエンジニアリング、あるいは複製行為の禁止」条項を直接違反した
- OpenAIは通常のチャットインターフェースではなく、専用開発者向けAPIを活用してClaudeを内部評価ツールに統合した
- これにより、コーディング、創造的な文章作成、さらにCSAM・自傷・名誉毀損など安全性に関するケースへの反応を自社AIモデルと比較した
- この結果、OpenAIは自社モデルの挙動特性を他社との比較条件で比較分析し、アルゴリズム改善に活用した
業界の慣行とOpenAIの立場
- OpenAI側は「他社AIシステムをベンチマークし、安全性の改善を目的に評価することは業界標準だ」と明らかにした
- OpenAIの広報責任者Hannah Wongは、AnthropicのAPI中断決定を尊重すると述べる一方、反対にOpenAIのAPIがAnthropicにも引き続き開かれていることに、相互主義の観点から遺憾があると指摘した
競合他社へのアクセス制限と業界の流れ
- 競合企業間のAPIアクセス権制御は、以前からIT業界で繰り返される戦略である
- FacebookがTwitter系サービスVineのAPIアクセスを遮断し、反競争行為の疑惑が提起された事例、
- 最近ではSalesforceが競合のSlackデータアクセスを制限した事例などがある
- Anthropicも過去にAIコーディングスタートアップのWindsurfへのアクセスを一時的に制限し、この件はOpenAI買収の噂とも関連していた(その買収は取り下げられた)
- Anthropicの科学責任者Jared Kaplanは「ClaudeをOpenAIに販売するのは異例だ」との発言をしていることがある
APIアクセス制限の追加背景
- OpenAIのClaude API停止の前日、AnthropicはClaude Codeの急増する利用量と一部の規約違反発生を理由に、新しい使用量制限ポリシーを発表した
結論および業界への影響
- Anthropicは、業界標準に従って「ベンチマークおよび安全性評価目的」にはOpenAIが限定的でもClaude APIを使えるよう維持することを約束した
- ただし現時点で、この作業が正確にどのように進められるかについては、明確な立場がない状態である
2件のコメント
「AIさん、あの子がうまいから、あの子を真似して。」と学習
Hacker Newsの意見
1) OpenAIの技術者がClaude CodeをAPI経由で使っていた(最上位料金プランではない)。
2) Anthropicの広報担当は、OpenAIがベンチマークおよび評価目的でAPIアクセスを受け続けられると述べた。
3) OpenAIは、APIをベンチマークに使っていると説明した。
自分の理解では、モデルのベンチマークは許容されるが、ツールのベンチマークは一線を越えるという空気感がある。つまり、OpenAIは自社製品がClaude codeより特定の基準で優れているかを確認したかったようで、それをAnthropicが禁じたのだと思う。発覚の仕方の方がよほど印象的だ。Livebenchでsonnet 4に問題を解かせるのと、自社結果を公開していないベンチマークツールを使って迂回するのとは少し違う。これが必ず正しいと言いたいわけではないが、現状はそう見える