Netflixの4K HDRアニメーション『Sol Levante』に込められた技術
(netflixtechblog.com)-
アニメーション制作環境を変えるためのNetflixの取り組みを詳しく説明した記事。内容が本当に興味深いです。
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業界がこの技術を理解し、発展・実験できるようにするため、
4K HDR、Dolby Vision、Atmos制作に使用されたRawデータをS3で公開
- 現在の日本アニメーションの状況
- ビジネス面
→ 製作委員会方式によってコンテンツ制作はしやすくなったが、利害関係者が増えて複雑化
→ 多段階の下請け構造により、技術の変化に適応したり新しい創造的な機会をつかんだりするのが難しい
→ フリーランスが多いため、彼らはスタジオに比べて機材が限定的
- 制作面
→ 『聖闘士星矢』や『Ultraman』のような3D CGアニメーションが人気を集めているが、ほとんどのタイトルはいまだに手描き
→ 一部のアーティストは紙の質感を好むか、デジタル移行の実験に投資する時間や費用がない
→ 実際には作画後の工程はすでにデジタルだが、より高い解像度に対応するには機材のアップグレードが必要
→ また、デジタルアニメーターを教えられる経験やツールを持つ教師も不足
→ 放送用アニメーションは一般的に1280x700の「ハーフHD」で作られ、一部の最高級作品のみが1080HDで制作
→ 4Kへ移行するには、完成した絵をスキャンする都合上、デジタル化が必須
→ しかし通常サイズの用紙に描いた手描きを高DPIでスキャンすると、鉛筆線の不要なディテールまで見えてしまうため、解像度を上げるにはより大きな用紙が必要
→ 制作工程で一貫した色を得るのに役立つカラーマネジメントは、アニメーションのワークフローにはほとんど存在しない。
→ ほとんどがsRGB色空間で作られている。
→ 長編映画の場合は、まずsRGBで作成し、3D LUT (3D Lookup Table) を適用してP3に変換し、P3色空間でsRGBを維持する
→ 日本の放送局は9300Kの色温度を設定しており、世界標準の6500Kよりかなり青みが強い
→ Netflixに配信されるアニメーションはD65 BT.1886に変換し、すべてのストリーミング機器で正確に見えるようにしている
→ 放送向け12話シリーズの制作に必要な時間は通常1年半〜2年
- Sol Levanteはすべてデジタルで制作 → プリプロダクションおよび作画工程にiPad + Procreate → 中割りのためにClipStudio
→ 背景画と一部の選択要素のためにVue
→ 彩色のためにRetas Stylos
→ Photoshop + After Effects
→ 日本国外で「カットアウト」アニメーション用として多く使われるToon Boom Harmonyも実験
→ アニメーションで一般的に使われる「Whiteout」(100%の白に変わるストーリーテリング技法)は、HDRでは白が強すぎるため、別の白レイヤーを重ねる必要があった → 4Kでの問題点は、パン時に4Kよりさらに大きな画像を持ってきて描く際に発生するレンダリングの問題。4Kパイプラインのためにハードウェアも調整し、ソフトウェア設計も変更
→ 制作全体を通じて監督が学んだ最大のことは、実際には下請け業者にもワークフローとツールを提供しなければならないということ。
「大手スタジオが制作会社とチームを組んでデジタル移行を推進しなければ、状況は変えられない」
1件のコメント
日本のアニメーション制作者たちがNetflixとの協業を好むという記事を見たことがありますが、その理由が分かる文章だと思います。
文章がとても長く、アニメーション・映像・サウンドに関する技術的な内容が非常に多いため、私が面白く読んだ部分だけを簡単に要約しましたので、原文もご覧ください。
関連業界の方々は、ぜひ一度読むべき文章だと思います。
ソル・レバンテ(4分) https://www.netflix.com/title/81017017