3 ポイント 投稿者 GN⁺ 2025-10-05 | 1件のコメント | WhatsAppで共有
  • Paged Out! 第7号が刊行され、オフラインイベントでも配布が始まった
  • 今号では AIがAIを認識する テスト、ローカルLLM を用いた財務意思決定、CAPTCHAとAIエージェント判別 など多様な技術テーマを扱っている
  • 小規模なローカル言語モデル でゲームをプレイさせる際には、エージェントベースのアプローチではなく 固定されたワークフロー設計 のほうが効果的であることが実験的に確認された
  • 商用LLMの 法的・倫理的ガードレール の特徴を利用した新しいCAPTCHAの概念が提案されている
  • 雑誌に掲載された多様なアート作品と技術寄稿文が 無料で配布 されている

紹介と刊行情報

  • Paged Out! 第7号は、技術、ハッキング、セキュリティ、プログラミング、アートが融合した無料のオンライン雑誌で、オフラインの実物版も各種イベントで配布されている
  • 今号ではAI、ゲーム、ハードウェア、セキュリティ、アートなど幅広いテーマを扱っている
  • 表紙やアート作品はAmir Zandら複数のアーティストが担当し、さまざまなテンプレート、技術アドバイス、レビューアの支援によって構成されている

配布と著作権

  • Paged Out! は無料で共有、複製、音声化が可能であり、視覚障害者向けの活用や非商用印刷も許可されている
  • 商用印刷の際は機関への問い合わせが必要
  • 印刷版ファイル(A4、300 DPI)およびバックナンバーは公式ホームページからダウンロード可能

第7号の主な内容まとめ

  • オフラインイベントで雑誌の配布が始まり、現実世界で読者に会える喜びが表明されている
  • 7年目の7号目として、印刷版流通の拡大や、Lulu.com のようなオンデマンド出版プラットフォームへの掲載が進められている
  • 表紙などのレイアウト作業は、いまや人間のアーティストによるアートワークの上にスクリプトベースの自動化を重ねる方式で統一性が強化されている
  • 寄稿、作品、技術文書、アートワークは編集チームおよび多様な寄稿者から受け付けており、新しい号の募集(CFP)は常時開かれている

主な技術記事とハイライト

Can AI recognize AI? (AIはAIを認識できるか?)

  • AIテキスト検出器が実際にAI作成テキストをどれだけうまく見分けられるか、さまざまなサンプルで実験を実施
    • 1番: 完全に人間が書いたテキスト
    • 2番: 純粋なAI生成(GPT 5.0)
    • 3番: 1番をAIでパラフレーズ
    • 4番: 2番を20%ほど人間が修正
  • 主要なAIテキスト検出サービス(originality.ai, zerogpt.com, brandwell.ai, gptzero.me)ごとに結果の差が大きく、わずかな修正だけでも検出を回避できる
  • 結論: AI検出器は信頼性に欠け、科学的手続きというより「魔女狩り」に近い結果を示す

Escaping the Rat Race: Local Models for Cashflow Decisions (ローカルモデルを活用したCashflowゲームの意思決定)

  • Robert Kiyosaki の Cashflow ゲームを、小規模LLMベースの人工知能にプレイさせるシステムを設計
  • 初期のエージェント型設計(LLMがツール呼び出し、数式選択、結論導出を行う)は、非合理的で一貫性のない判断を繰り返し生んだ
  • 固定手順型ワークフロー(各ターンで決められた段階ごとにのみLLMが「選択」する)として実装すると、意思決定の品質が大きく向上し、実際にゲームで勝利(脱出)可能になった
  • 入力シナリオをハードコードして反復テスト可能に設計し、開発と検証の効率を高めた
  • LLMの役割を縮小して「考えることだけできる」よう制限すると、実際の実用性が高まった
  • 関連コード公開: https://github.com/avanitanna/cashflow

Piracy as Proof of Personhood (海賊行為が人間性の証明になる?)

  • 商用AIモデルは、法的・倫理的リスクを避けるため、特定の要求には応答しないよう設計されている(ガードレール適用)
  • 「AIが拒否する行為を要求して反応を見る」という方法で、AIエージェント判別に活用できる可能性がある(CAPTCHAの変種的な概念)
  • 例として、著作権のある映画の要求に対する応答態度から人工知能かどうかを判断する実験的手法が提案されている
  • これは冗談でもあり、将来のCAPTCHA対応アイデアとして提示されたもの

そのほかの主要記事・アートワーク一覧

  • 手書き数字認識器、BentoML のシリアライズ方式、RSA の解説、BB84 QKD、ハードウェアセキュリティモジュール、PDF データ埋め込み、SpringBoot ファイルアップロード API、Postgres パフォーマンス調整など、実用的な技術テーマを含む
  • さまざまなアーティストによるデジタルアートワーク、コンセプトアートの実演も収録

結論

  • 小規模LLMを現場で使う際には、deterministic なワークフロー 設計が重要な信頼性と効率をもたらす
  • AIの特性を活用したり、AI検出への実験的アプローチ、創造的なCAPTCHAアイデアなど、研究者・開発者に刺激を与える事例が数多く含まれている
  • 記事とアート作品の両方が、創造性と実験を重視するコミュニティ中心の無料マガジンとなっている

1件のコメント

 
GN⁺ 2025-10-05
Hacker Newsのコメント
  • PoC||GTFOを思い出した。この雑誌もあの雑誌もどちらもものすごく面白い体験で、たまに自分は本当にプログラミングを分かっているのかと(良い意味で)自問させられる
  • 今朝読みながらものすごく楽しい時間を過ごした。Sound hacking関連の内容が本当に興味深く、波形の音も聴いてみたいと思ったし、改めて中国製の安物カメラは使わないようにしようと自分に言い聞かせた
  • 55ページで、作者が特別に作った音をカメラに聞かせるだけでroot化する過程が本当にすごい。昔オーディオカセットでプログラムをロードしていた記憶もよみがえったし、BLIT(David Langfordの短編小説)もうっすらと思い出した
    • 私の最初のコンピュータは、オーディオカセットがつながったTandy CoCo TRS-80だった。昨日はBASICプログラム用のグラフィックを作るためにAIでプランを立ててみた。実際に作る必要性はそれほど高くないが、こういう古いコンピュータへの郷愁は今でも変わらない
    • 55ページの内容ではなく、58ページを参照すべきだと思う
  • アイデアが独創的で、完成度も高く、芸術的な面もすばらしい。PDFで読むのが少し惜しく、プリント・オン・デマンドの価格が高いのも残念だ。こういうコンテンツを郵送で受け取れるなら、喜んで定期購読を申し込むつもりがある
    • 手頃な価格の郵送定期購読も予定リストに入っている。それまでは、カンファレンスやデモパーティーのようなオフラインイベントで無料配布する取り組みをもっと広げたい
    • PDFで読むのがなぜ惜しいのか気になる。全ページカラーでレイアウトもよく合っていて、欠けている内容もない。カラーe-ink端末で見ると本当にきれいだ
    • ここで購読できる(公式サイト pagedout.institute の下部でリンクが案内されている)
    • 印刷注文に関する案内はこのページにある
  • すべての内容をワンページで構成している点が本当に気に入っていて、全体のコンセプトもとてもすばらしい
  • 雑誌では実際の印刷向けPDFを提供すると言っているが、サイトにはプリンタ向けファイルを直接ダウンロードできる場所がない。印刷ページにはメールで問い合わせるよう書かれているが、どこでプリンタで出力しやすい文書を見つけられるのか気になる
    • 当初は印刷用ファイルをそのままWebサイトに載せるつもりだったが、実際に印刷経験を積むうちに、工程は思ったより単純ではないと分かった。裁ち落とし、背幅など、さまざまなパラメータが変動する。そこで今は、必要な仕様について問い合わせを受けるたびに、カスタムPDFを作って渡している。将来的には条件ごとのPDF一式をあらかじめ作成して公開したい(いつか提供する予定だ)
  • 本当にかなり良いクオリティだと思う。自分でも会員登録した
  • もしかするとこのプロジェクトはスパムかフィッシングキャンペーンなのではないかと疑っている。登録した覚えのないGoogle Groupから今朝未明にスパムメールを受け取った。もし人手によるマーケティングだとしても、こういうやり方はやめてほしい
    • それはおかしい。私の知るセキュリティコミュニティの人たち(特に編集長)は、そんなことは絶対にしない。本当に登録していないのにメールを受け取ったのが確かなら、直接連絡してその事実を知らせてほしい
    • Paged Out!プロジェクトのリードです。非常に奇妙なことです。メールを受け取ったGoogle Groupの名前を教えるか、私のメールアドレス(gynvael@pagedout.institute)に受信したメールアドレスを送ってくれれば、すぐに削除対応し、そのメールアドレスがどう登録されたのか追跡したい