1 ポイント 投稿者 GN⁺ 2025-12-08 | 1件のコメント | WhatsAppで共有
  • Mieboは、米国で1か月分の価格が800ドル以上となるBausch & Lombドライアイ治療薬で、欧州ではEvoTearsという名称で約20ドルの一般用医薬品として販売されている
  • 同一成分の薬だが、米国ではFDAの処方薬承認プロセスを経ることで高額に価格設定されている
  • Bausch & Lombは2019年にNOV03の北米地域独占商業化・開発権を取得した後、これを処方薬として承認し販売している
  • RAND研究によれば、米国の処方薬価格は32か国の先進国平均の2.5倍以上であり、Mieboの事例は製薬企業が規制と特許制度を使って利益を最大化する構造を示している
  • このような価格構造は患者の信頼を損ねるとして、制度的な抜け穴を是正する必要性が提起されている

MieboとEvoTearsの価格差

  • Mieboは米国で1か月分あたり保険適用前で800ドル以上で販売されている
    • GoodRxでは、Walgreensで830.27ドル、Amazon Pharmacyでは818.38ドルと表示されている
  • 同一成分のEvoTearsは欧州で2015年から**約20ドルの一般用医薬品(OTC)**として販売されている
    • 海外の薬局では**32ドル(配送料込み)**で注文でき、1週間以内に配送される

製薬企業と承認プロセス

  • Bausch & Lombは2019年12月、**NOV03(現Miebo)**の米国・カナダでの独占商業化および開発権を取得した
  • 欧州ではOTCとして販売されるが、米国ではFDA処方薬承認を受けて高価格戦略を採用している
  • 同社はOTC承認ではなく処方薬ルートを選択することで、価格を大幅に引き上げた

米国と欧州の薬価比較

  • 2021年のRAND研究によると、米国の処方薬価格は32か国の先進国平均より2.5倍以上高い
  • Mieboの事例は、この構造的な問題を代表しており、規制の抜け穴と特許保護が価格上昇の主因として作用している

信頼と制度的課題

  • Mieboの事例は、製薬会社が患者より収益を優先する行動により、米国医療システムへの信頼が弱まっていることを示している
  • 本文では、これらの抜け穴を修正する方法は存在すると述べるが、具体的な方策は示されていない

要約

  • 同一薬剤が欧州では低価格の一般用医薬品、米国では高価な処方薬として販売されるという構造
  • 承認ルートの選択が価格格差の中核要因
  • 米国の薬価における構造的不均衡患者の信頼低下の問題を示す典型例

1件のコメント

 
GN⁺ 2025-12-08
Hacker Newsの意見
  • 米国の保険制度をよく知らない人向けの説明
    実際に米国で薬代として800ドルを払う人はほとんどいない。これは保険会社に請求される「リスト価格」にすぎず、保険会社も製薬会社と交渉してより低い価格を支払う
    製薬会社は、もう一段別の保険のように機能する**「セービングカード」**も提供している。たとえば Mieboセービングカードを見ると、現金価格は約225ドルで、自己負担額(co-pay)を0ドルまで下げて保険請求を促している。そのため実際には多くの利用者が0ドルで薬を受け取っている
    しかしこうした構造になっているのは、FDAが新薬承認(New Drug Application)を要求したためでもある。この手続きには数億〜数十億ドルかかるため、製薬会社は初期投資を回収するべく高い価格を設定せざるを得ない

    • ACA(Obamacare)プランでは状況が異なる。保険会社は各治療群ごとに1種類の薬だけを保障すればよいため、たいてい古いジェネリックしかカバーされない。ブランド薬はほとんど保障されず、交渉すら行われない
      クーポンもよく失効したり、薬局で処理できなかったりする。自分も緑内障の点眼薬クーポンが失効して、3か月分に650ドルを自腹で払った。だから「誰も800ドルは払わない」というのは間違いだ
    • こういうカフカ的な制度を通らなければ薬を受け取れないというのは、むしろもっと悪いことのように思える
    • セービングカードには年間上限額があるので、保険が薬をカバーしない人や自費購入の人は年末前に上限を使い切り、結局定価を払うことになる
    • 薬局で直接800ドルを払わなくても、保険会社が払った金は結局管理コストが上乗せされて、私たち全員が負担することになる
    • 薬ごとに事情は違う。たとえば私のパートナーは1錠100ドルの薬を使っているが、セービングカードは12か月または8錠までしか適用されない。その後は保険があっても100ドルをそのまま払う。英国では同じ薬が10ポンドで、NHSを使えば無料のこともある
  • Miebo/Evotearsは興味深い薬だ。ただしPFAS(有機フッ素化合物)成分のため議論がある。水道水中のPFAS懸念レベルより何百万倍も高い濃度のものを、直接目に入れることになる
    それでも
    ドライアイ治療
    としては革新的だ。「目が潤いすぎた」という感想まである

    • こうした物質が水質汚染を引き起こさないようにする仕組みは何なのか気になる
    • PFASは眼球内液の代替にも使われる。この場合の曝露量ははるかに多い。PFASはあまりに広い分類なので、恐怖が誇張されている面もある
    • PFASが気になるなら、**涙点焼灼術(punctal cauterization)**で涙の排出を止める方法もある。そうすれば人工涙液は不要になる
    • ロシアで開発された**Visomitin(Emoxipine/Mexidol)**点眼液も代替になり得る。抗酸化作用で細胞損傷を防ぎ、疲労・放射線損傷・白内障回復などに役立つ。ただし米国ではFDA未承認なので海外購入が必要になる
  • 薬が次の3つのどれかに当てはまらないなら、**一般用医薬品(OTC)**として販売されるべきだと思う

    1. 強い依存性がある薬
    2. 使い方を少しでも誤ると危険な薬
    3. 抗生物質(耐性の問題があるため)
      そして慢性疾患の治療薬は生涯処方が可能であるべきだ。そうすれば医療費と時間の無駄を大きく減らせる
    • では**ゲートキーパー(医師)**たちは何を食べて生きていくんだ、という冗談が出る
    • ただし薬物相互作用のリスクがあるので、製薬会社に免責を与える制度も必要だ
    • 抗生物質の乱用を心配する前に、工場式畜産での大規模乱用を先に解決すべきだ。私は抗生物質はスーパーで買えるべきだと思う
    • こういう意見をHNで言うのは勇気がいる。ここはチャットボットと感情的な会話をすることさえ違法扱いするような場所だからだ
  • 米国の薬局は製薬会社との契約のせいで、保険なしなら10ドルで買える薬を患者に20ドルの自己負担額で売りながら、その事実を伝えられない。薬剤師の義務が患者に向いていないのなら、こんな構造を心配する必要すらない

    • しかし2018年以降、この種の守秘条項は違法になった。患者が求めれば薬局はすべての価格を見せなければならない。関連法は Patient Right to Know Drug Prices Act (S.2554)
    • それでも以前こうした不当なルールをこっそり無視してくれた薬剤師たちには感謝している。私は処方を地元の小規模薬局に移したが、保険会社が損をしないよう許可した薬だけを扱っているのかも確認した。保険が変わったらまた確認するつもりだ
  • 英国ではメラトニンや第1世代抗ヒスタミン薬、大容量包装の鎮痛薬などが手に入りにくい。米国へ行くたびに薬局用の買い物リストを持っていく

    • 実際には薬局で薬剤師に直接言えば大容量包装も買える。例: Boots 400mgイブプロフェン 96錠
    • 逆に私は英国へ行くたびにKwellsを買って帰る。英国ではOTCだが、米国では処方箋が必要なパッチ形態でしか手に入らない
    • 米国はメラトニンを自由に売っている一方で、ホルモン類の大半は規制している。英国は一貫した形で規制している。以前は**コデイン(Co-codamol)**も処方なしで買えた。結局どの国でも、選択的な例を挙げて「自分たちの制度のほうがましだ」と主張できる
    • 私はメキシコのPuerto Vallartaで少量のベンゾジアゼピンを購入している。米国で処方してもらうよりはるかに簡単だ。ただしGuadalajaraではずっと厳しい。またBenadrylは中南米ではほとんど手に入らない
    • ヨーロッパ大陸ではメラトニンの購入は難しくなかった
  • この薬の成分原価が気になって、学術的な興味から調べてみた
    参考: Four Thieves Vinegarプロジェクト, DEFCON 32講演動画

    • Mieboは純粋な1-(perfluorohexyl)octaneだ。家庭での合成は不可能だが、工業用としてはkgあたり750〜980ドルで購入できる
      ChemicalBook資料 参照
      純度分析費を加えても、ブランド薬数本分の価格で一生使える量を確保できる。最近の米国人がGLP-1ペプチドを海外から安く調達するやり方に近い
    • しかしそんなことをしたら連邦刑務所で30年食らうかもしれない
  • こんな状況だけでも、米国で内戦が起きるべき理由として十分だと怒っている

  • 米国はもう「United States of Greed」(強欲合衆国)に改名したほうが混乱が減る気がする

  • インドでは耳の痛み用のCiplox点耳液を薬局で15ルピー(約0.17ドル)で買える
    製品リンク
    米国では同じ薬が、保険使用時で200ドル、保険なしでも GoodRxアプリで40ドルで購入できた

  • なぜ議会が**VAとMedicareの「最恵国条項(Most Favored Nation)」**をすべての薬価に適用しないのか疑問だ。保険割引まで含めれば公正で有用に思える

    • しかし今の議会はまともな法律を通さない
    • 他の先進国のように国民皆保険を導入できない理由は、結局のところ強欲だ
    • 政府調達ではすでにMFN規定が存在する。ただし政府との取引はコストが高く手続きも複雑なので、製薬会社はそれを織り込んでリスト価格を高く設定する。その後、民間向けにはさまざまな割引構造で実際の価格を下げる
      つまりリスト価格は規制対応のための見せかけの価格にすぎない。政府は高コストな顧客なので、実際にはより多く払っていることになる
    • トランプが薬価を1200%下げたと言っていたのだから、もう十分ではないかという皮肉も出る
    • 「Most favored nation」という言葉はトランプ流の愛国マーケティングのスローガンにすぎず、実際の医療市場の問題とは無関係だ。根本原因は米国内の医療市場構造そのものにある