- 米国内で Sci-Hub関連ドメイン34件 がGoogle検索結果から削除され、この国における初の「海賊版ドメイン」削除事例として記録された
- この措置は 2018年のバージニア連邦地裁の永久差止命令 を根拠としており、この命令は検索エンジン・ISP・ホスティング事業者などにSci-Hubへのアクセス遮断を求めている
- 英国の法律事務所 Wiggin LLP が2025年12月初旬にGoogleへ削除要請を送り、Googleはこれを米国内の検索結果にのみ反映した
- 同じドメインは他国のGoogle検索では引き続きアクセス可能
- 今回の事例は、Googleが 法的義務なのか自発的な協力なのか不明確な状態で、海外の遮断命令と類似した形で対応していることを示している
Sci-Hubに対する初期の裁判所判断と差止命令
- Sci-Hubは「科学界のPirate Bay」と呼ばれ、バージニア連邦地裁に出廷しなかったため、ACS(American Chemical Society) は480万ドルの損害賠償について 欠席判決(default judgment) を得た
- 2017年に承認された 永久差止命令 は、ACSが既存および新規のSci-Hubドメインを自由に遮断できるようにした
- 命令は、Sci-Hubと「積極的に協力または関与する」すべての当事者に対し、アクセス支援の停止を求めている
- これには 検索エンジン、ISP、ホスティング事業者、ドメインレジストラ が含まれる
- 文書上は米国内のISPと検索エンジンがSci-Hubドメインを遮断できたが、実際には大半のドメインが引き続きアクセス可能な状態だった
- ACSが命令を積極的に執行しなかったのか、あるいは仲介事業者が要請を拒否したのかは明らかではない
2025年、Googleによる「ゾンビ命令」の履行
- 2025年12月初旬、Lumen Database で2018年命令を引用した新たな要請が見つかった
- この通知は Sci-Hub関連の34件の(サブ)ドメイン の検索結果削除をGoogleに求めていた
- これらのドメインは2018年命令に直接記載されていなかったが、Sci-Hubとの関連が確認された
- 一部は scihubtw.tw ミラーネットワーク の派生ドメイン(例: edu.scihubtw.tw, freeus.scihubtw.tw)である
- Googleはこの要請を受け入れ、米国内の検索結果でのみ 該当ドメインを非表示にした
- 同一ドメインは 他国のGoogle検索では引き続き表示されている
米国内で初のSci-Hub検索結果削除
- 12月2日付の通知は 英国の法律事務所 Wiggin LLP が送付したもので、2022年以降、計7件の類似要請が確認されている
- Wiggin LLPは2025年9月にも数十件のSci-Hubドメインについて削除要請を送っていた
- 米国内でSci-Hubを検索すると、結果の下部に 「法的要請により削除されました(Removed by legal request)」 という文言が表示される
- ACSがなぜ5年を経てようやくGoogleに対応を求めたのかは不明
- 今回の措置は、Googleが 英国・オランダなどでISP遮断命令に基づき海賊版サイトのドメインを削除した事例 と似た形である
Googleの協力の性格をめぐる議論
- Googleはオーストラリア、オランダ、フランス、英国などで ISP遮断命令に自発的に協力 した前例がある
- 今回の米国内での措置が 法的義務によるものか、自発的な協力なのか は明確でない
- 2018年命令はSci-Hubと「積極的に協力または関与する」すべての当事者に措置を求めているが、
検索エンジンがこれに該当するかどうか は議論の対象となっている
- Googleや他のテック企業は過去に、中立的な第三者サービスは「積極的協力者」ではない との立場を維持してきた
- Googleは今回の件に関する報道機関からの問い合わせに 回答していない
1件のコメント
Hacker Newsのコメント
Anna’s ArchiveとZ-LibがSci-Hub全体をミラーしていて、実際に使える代替手段になっている
Internet-Places-Databaseを参照できる
DOIを入力して論文を見つけられるなら、Googleが検索結果をどれだけ検閲しても関係ない
トレントトラッカーも同じように確認している
Googleはもう物議を醸す検索には使っていないが、Wikiの品質まで下がったら本当に困ると思う
例えば sci-hub.pub はかなり信頼できる
ほとんどの人はSci-HubでDOIを直接入力して論文を探す
ちなみにGoogleでも、今でもSci-Hubのミラー一覧は見つけられる
DNS、ブラウザ、検索エンジンを1社がすべて提供しているのはリスクだ
例: Yandexの検索結果
独自クローラーを運用している4つの検索エンジンの1つで、遅いが検索品質は非常に高い
Sci-Hubがロシアで作られたからYandexが検閲していないだけだ
その代わり、ほかのテーマはかなりブロックされている
関連レポートは HRWレポート で見られる
ちなみに Bing でも Sci-Hub検索 は問題なくできる
実に賢明な判断だ /s
アメリカ政府が科学的優位を中国に明け渡しているとも言える
例えば mRNAワクチン研究資金の削減 がその一例だ
5年以上停滞しているように見える
広告だらけのGoogleを使わなくなってもう数か月経つ
多くの「新しい」発見は、実際には過去の研究の再発見にすぎない
Sci-Hubはこうした歴史的論文のアーカイブとして今なお重要だ
19世紀の論文ですらペイウォールの向こう側にある現実では、Sci-Hubは貴重な資源だ