- 人気のシャドーライブラリ向けメタ検索エンジンである Anna’s Archive の主要ドメイン annas-archive.org が予告なく停止され、
serverHold 状態に移行
- この措置は**ドメインレジストリ(Public Interest Registry, PIR)**が実施する手続きで、ドメインが調査中または停止状態にあることを意味
- 運営者は今回の措置が最近公開したSpotify 300TB バックアッププロジェクトとは無関係だと述べており、サイトには引き続き .li, .se, .in, .pm などの代替ドメインからアクセス可能
- PIR は TorrentFreak の問い合わせに対し「現時点ではコメントできない」とのみ回答し、裁判所命令の有無など具体的な理由は確認されていない
- Anna’s Archive は過去にも複数回ドメイン停止を経験しながら継続的に復旧しており、著作権取締り強化の中でも運営を続ける回復力を示している
Anna’s Archive のドメイン停止状況
- annas-archive.org ドメインが世界的にアクセス不能となり、ドメイン状態が
serverHold に変更
- この状態はドメインレジストリが直接設定するもので、ドメインが停止され調査中であることを意味
- 同様の措置は過去に他の**海賊版サイト(pirate sites)**にも適用された事例がある
- .org ドメインでこのような停止措置が行われるのは珍しく、管理機関である Public Interest Registry(PIR) には過去に thepiratebay.org の停止要請を拒否した前例がある
- PIR の慎重な姿勢を踏まえると、今回の措置が裁判所命令に基づく可能性も指摘されるが、記事では証拠はないと明記されている
- TorrentFreak が PIR に法的根拠を問い合わせたが、PIR マーケティングディレクター Kendal Rowe は「現時点では言及できない」と返信
Anna’s Archive の背景と最近の活動
- Anna’s Archive はシャドーライブラリ向けメタ検索エンジンで、ユーザーが海賊版の書籍や資料を見つけられるよう支援している
- 2022 年秋、Z-Library が米当局の取締りを受けた直後に開設され、無料資料へのアクセスを継続的に提供
- サイトはAI 研究者に学習用データ資料を提供しており、最近ではSpotify の 300TB バックアップを作成して順次公開中
- こうした活動により複数の国でブロッキング措置を受け、WorldCat データ 2.2TB の無断収集をめぐって米国で OCLC に提訴されたこともある
ドメイン停止の経緯と法的文脈
- 今回の停止は予告なく発生し、ドメインレジストリによる直接措置であることが確認されている
- 記事では、Spotify バックアッププロジェクトが DRM 回避行為と見なされ、権利者側が**差止命令(injunction)**を求めた可能性にも触れているが、証拠は確認されていない
- WorldCat 訴訟でも OCLC がドメインレジストリなど仲介者に対する措置を求めたが、裁判所はこれを認めていない状態だと記されている
代替ドメインと運営継続
- Anna’s Archive は過去にもドメイン停止を経験しており、.org → .gs に移転した後、.gs ドメインも停止されて再び .org に戻った経緯がある
- 今回も Reddit を通じて「.org ドメインは停止されたが、他のドメインは正常に動作しており、Wikipedia ページで最新アドレスを確認できる」と告知
- 運営者は「今回の停止はシャドーライブラリではよくあることで、Spotify バックアップとは無関係だ」と強調
- 現在は .li, .se, .in, .pm ドメインでサイトが通常運営されているが、法的圧力が続く状況のため安定性は不透明
Anna’s Archive の継続性と意味
- 繰り返されるドメイン停止にもかかわらず、運営継続能力と復元力を示している
- 著作権取締りが強化される環境でも、代替インフラを通じてアクセスを維持する戦略を継続
- 今回の事例は、.org ドメイン管理機関の方針変化の可能性とシャドーライブラリの法的脆弱性を同時に示す事例と評価される
1件のコメント
Hacker News の意見
ServerHold 状態の濫用なのか気になった。最近、Gaza Video Archive も同じ方法で一覧から削除されたことがあったのか疑問だった
関連説明は ICANN 文書 にある
通常は裁判所命令や FBI/DHS のような機関からの要請 がある場合に限られる。ほとんどは registrar を通じて clientHold や削除依頼を行う形だった
彼らはこれをトレントで公開する計画だとブログに書いていた
そのときは TLD 運営者ではなく Namecheap が clientHold をかけ、その後 Trustname(エストニア) に移管して復旧した
Namecheap の CEO が Twitter で DNS の仕組みを誤解した発言をしていたこともあった
ICANN 文書でも、この状態は通常 法的紛争中 に使われると明記されている
Wikipedia のページを「最新ドメイン確認用」と案内しているのを見て、まるで DNS の代替 のように使われているのが興味深かった
関連議論は このスレッド にある
以前 The Pirate Bay の .org ドメインが落ちたときのことを覚えている
彼らは代替ドメインに ヒドラのロゴ を掲げて見事に復活した
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DNS 検閲はいつか来ると予想していた。驚くべきなのは、ここまで長く持ちこたえたことだ
X.509 PKI も濫用されている可能性が高い
DNS や PKI のような中央集権的インフラだけに依存するのは危険だ
GNU Name System のような代替策を検討すべきだ
なぜ Anna’s Archive のようなサイトが .onion アドレス を提供しないのか不思議だった
Tor ベースのアドレスは DNS 検閲に弱くなく、鍵ベースなのでずっと 高い回復力 を持つ
接続リンク
参考: library-access.sk
IPNS の概念文書
https://annas-archive.li/ は今も動作している
ページ下部に他の代替ドメインも列挙されている
今回の件はむしろ Anna’s Archive の宣伝効果 になったようだ
この1年で言及が急増しており、トラフィックも大幅に増えたはずだ
Anna’s Archive は Nostr アカウント を作ったほうがよさそうだ
裁判所命令によるドメイン差し押さえが始まると、進行が速いからだ
Nostr は ドメイン依存のない分散型フィード を提供する
Wikipedia を迂回手段として使うのは、むしろ 法的リスク を高める可能性がある
リレーが召喚状を受ければコンテンツは消える
Bluesky のスパム事例も、Nostr の問題というより ブリッジ管理の不備 に見える
https://annas-archive.se/ ドメインも引き続き動作している
1990年代初頭のドイツで DNS がまともに機能していなかった時代、FTP サーバーの IP アドレス一覧を互いに交換していたのを思い出す