1 ポイント 投稿者 GN⁺ 2026-01-09 | 1件のコメント | WhatsAppで共有
  • 米国の移民・関税執行局(ICE)は2025年に287億ドルの予算を確保し、監視技術全般にわたる大規模な調達を進めている
  • ICEは携帯電話ハッキング・スパイウェア・ソーシャルメディア監視・顔認識・車両ナンバープレート追跡など、多様な監視ツールを民間企業との契約で確保
  • この機関はPalantirのImmigrationOSを通じて、IRS、TSA、民間データなど複数の情報源を統合して検索できるようにしている
  • EFFはこうした監視拡大が市民的自由と人権侵害のリスクを高め、民主主義と両立しにくいと警告
  • 監視産業全体は政権を超えて成長してきており、EFFやACLUなどの団体が法的対応と技術的な監視縮小の取り組みを継続中

ICEの予算拡大と監視拡張

  • ICEは2025年に287億ドルの予算を確保し、今後3年間でさらに562億ドル以上を使用する予定
    • これは世界の軍事予算ランキングで**14位(ウクライナとイスラエルの間)**に相当する規模
  • ICEは移民法執行を名目としているが、非移民者・永住権保持者・市民権保持者まで監視および拘束した事例が多数ある
  • 2022年のGeorgetown Law報告書によると、ICEは米国の成人の3分の1の運転免許写真をスキャンし、4分の3の位置情報・公共料金データにアクセス可能
  • 2008年から2021年の間にICEは監視・データ収集・共有プログラムに28億ドルを支出しており、2025年予算はその10倍規模

監視産業の成長背景

  • 監視産業は民主・共和の両政権下で成長
    • オバマ政権はICEを拡大し、トランプ政権は都市部での取り締まり強化と150万人以上の送還を進めた
  • 最近のICEは左派団体および反ICE活動家の監視を公言
    • ICE長官代行のTodd Lyonsは「Antifaと左派の銃器団体を追跡する」と発言
  • EFFは「監視産業と民主主義は両立しない」とし、監視ツールは最終的に権力乱用の手段になると指摘

携帯電話監視技術

  • ICEは**Cellebrite(1,100万ドル)Magnet Forensics(300万ドル)**と契約し、携帯電話のロック解除とデータ複製を実施
    • アプリ、位置情報、写真、通話記録、暗号化メッセージまで抽出可能
  • **Paragon(200万ドル)**のスパイウェアGraphiteを再契約し、Signal・WhatsAppなどの暗号化メッセージの窃取が可能
  • EFFはこうしたツールが移民・活動家・市民権保持者の監視に悪用される恐れがあると警告
  • 防御策としては、セキュリティ更新の維持、強力なパスワード、端末の電源遮断、生体認証によるロック解除の無効化などが挙げられる

インターネットおよびソーシャルメディア監視

  • ICEは**Pen LinkのWebloc・Tangles(500万ドル)**を購入し、位置情報・ソーシャルメディアデータを収集
    • Weblocは数百万台の携帯電話の位置情報を、Tanglesは投稿・コメント・写真・ソーシャルグラフを分析
  • Fivecast(420万ドル)のAI分析ツールONYXは感情・リスク度の追跡機能を提供
  • ShadowDragonのSocial Netは200以上のWebサイトの公開データを監視
  • ICEは**24時間体制のソーシャルメディア監視センター構築(予算2,000万〜5,000万ドル)**を計画中
  • 市民はアカウントの非公開設定、仮名の使用、アカウント削除などで露出を減らせる

路上および生体監視

  • ICEは**自動車ナンバープレート認識(ALPR)**データをMotorola SolutionsやFlock Safetyなどから確保
    • 全米の運転者の移動経路を追跡可能
  • 顔認識のMobile Fortify(2億枚の写真DB)Clearview AI(1,000万ドル)、**BI2 Technologies(虹彩認識)**などと契約
  • TechOps Specialty Vehiclesから**偽基地局(Stingray)**搭載車両を購入
    • 2013年から2019年の間に少なくとも2,351回以上使用された記録がある
  • 防御手段としては、公共交通機関の利用、携帯電話の機内モード・電源遮断、地域政府にALPR契約の解除を求めることなどが挙げられる

データ統合とPalantirの役割

  • ICEはPalantirと3,000万ドル契約を結び、ImmigrationOSシステムを構築
    • IRS、TSA、民間データなど多様な情報源を1つの画面で統合検索できる
  • Palantirはデータ間のファイアウォールを取り払って、税務・移民・ソーシャルメディア情報を接続
  • EFFはこれを市民的自由侵害の中核的リスクだと指摘

EFFの対応と市民保護活動

  • EFFはICE監視アプリの遮断圧力に関する訴訟労働組合との共同によるソーシャルメディア監視訴訟を進行中
  • サンフランシスコ警察による違法なデータ共有の中止要求Paragonとの協力を批判する声明を発表
  • Rayhunterプロジェクトを通じてStingray検知技術を維持
  • ACLUはMetaアカウント情報要求の召喚状撤回訴訟IRSによる納税者データ共有停止訴訟で勝訴
  • EFFは監視産業が人権侵害の主要因であり、民主主義を脅かす反民主的な道具として機能していると警告

1件のコメント

 
GN⁺ 2026-01-09
Hacker Newsの意見
  • 長年、情報機関の監視網についての冗談があった。「Stasiでさえこんな膨大なデータは夢にも見なかっただろう」というような話だ
    しかし、もはや情報機関の話ではない。ICEはアメリカ版のStasiのように振る舞っている。Wikipediaによれば、Stasiは「対象者を孤立させ、睡眠を奪い、心理的脅迫によって家族の逮捕をほのめかす」戦術を使っていたという
    今年、ICEは新たな資金供給によって「党の武装組織」になる見込みだ

    • StasiはDDR人口のかなりの部分を情報提供者にしなければならなかったが、ICEにはPalantirがあれば十分だ
    • ICE職員たちの子孫が、後になってその関係を恥じることになるのではないかと恐れている
    • StasiよりもGestapoに近いと思う。Gestapoの「Geheime」は存在が秘密だという意味ではなく、彼らの運用方法や指揮系統、そして選挙で選ばれた権力による監視を免れる責任回避の構造を意味していた。結局はリンゴとオレンジの比較だが、どちらも同じ果物だ
    • ICEが「党の武装組織」になるという表現は興味深い。20世紀式に「望ましくない人々」を社会から排除し、司法手続きなしに収容所へ閉じ込める行為を繰り返すことで、政府と社会の基本的な契約である適正手続きを完全に破壊している
    • Stasiには少なくとも、自分たちの任務を信じ、有能だと思われていた人々がいた。今のICEは、そうした信念も能力もない無能な組織に見える。むしろ彼らが本気で信じていたら、どれほど危険になるのかが心配だ
  • ICEの職員は追放1件あたり5,000ドルのインセンティブを受け取ると聞いた。だから、裁判所に出廷しに来る移民やHome Depotの駐車場のような簡単な標的を狙う
    そのため、犯罪歴のない高齢者や労働者が逮捕され、追放される事例が多い。結局のところICEは賞金稼ぎ集団のように振る舞っており、金になるなら違法行為も気にしない

    • そのインセンティブについての公式資料や調査へのリンクがあるのか気になる。事実として確認された根拠が必要だ
    • もしそれが本当なら、なぜICEが実際の犯罪者ではなく一般人を対象にしているのか説明がつく
  • ICEは解体されるべきで、指導部の大半は犯罪容疑で処罰されるべきだ

    • 次の大統領がICEの予算削減を主要公約に掲げても驚かないだろう
    • 「誰がそんなことをするんだ」という冷笑的な反応もある
  • ICEはアメリカの移民執行機関の中核的な実働部門だ。アメリカ国内のさまざまな「警察」組織の予算をすべて合算すると、国民を統制するためにどれほどの金が使われているのか気になる
    アメリカには「警察」の役割を果たす多様な組織が何層にも存在している。その全リストと予算規模を見てみたい

  • そういうことはすでに進行中だ。Indeed.comでNorthern VA, MD, DCなどのIT契約職を検索すると、「DHSクライアントの次世代カメラ配備を支援、6か月契約で18万ドル」といった求人が多く見つかる

  • より良い監視データを持つことで、無実の人をより多く、あるいはより少なく殺すことになるのだろうか

    • 少なくなる気がする。監視が増えると「並行構成(parallel construction)」がやりやすくなって、殺害を正当化する機会が増えるからだ
    • 無実かどうかには関心がないのだから、たぶんもっと多くなるだろう
    • いつだって増える
    • 有罪の人を殺しても、それはやはり殺人だ
  • 公共の場での録画が合法である限り、こうした監視を止めるのは難しそうだ

    • 以前は、警察が裁判所命令なしに車両へ追跡装置を取り付けることは禁止されていた。人を直接尾行するのは人手がかかるため、権力乱用を抑える装置になっていた。しかし電子追跡なら数十人を同時に監視できる
      今ではCCTV、ナンバープレート追跡装置、顔認識などによって大規模監視が日常化している。フロリダではナンバープレート追跡を妨害すると重罪になる。顔認識もそのうち同じようになる気がする
    • ICEの違法行為はすでに多すぎる。法の支配の崩壊がどれほど深刻か分かっていない人が多い
    • その理屈だと、AmazonがRing映像の全体を公開しても合法ということになる。政府がそうしたらどうなるのか気になる。どうせ公共予算で収集されたデータなら、公共資産として公開すべきだと思う
  • みんな一度はDHSのTwitterアカウントを見るべきだ

    • 誰もTwitterに時間を使うべきではない
  • 「なぜ大半の人はナチスに抵抗しなかったのか?」という問いを思い出す。今まさにその場面を見ている。ICEは、管轄外で暴力を行使するナチスのSAのような組織になりつつある

  • 「ICEは不法移民だけを苦しめているわけではない」という記事の一文があったが、今の時点ではその言い方はあまりにも甘く聞こえる

    • 今日ミネアポリスで、ICE職員がある女性を銃で射殺した。職員は車の横から窓越しに発砲し、車両は制御を失って他の車と衝突した。
      職員は正当防衛を主張したが、発砲は車がすでに離れつつある最中に行われた。被害者は37歳のアメリカ市民で、いかなる抗議団体とも関係がなかった
    • むしろ記事のタイミングは完璧だ。昨日までは誇張に聞こえた言葉が、今日は現実になった