- 公開された調査によると、OpenAI、米国政府、Persona が連携するインフラ上で、ユーザーの身元データを監視・報告する 「watchlistdb」システム が運用されている
- 該当システムは、顔認識、金融犯罪報告(SAR/STR)、政治家類似度分析、暗号資産アドレス追跡 など 269の検証手続き を実行することがコードから確認された
- Personaの政府向けプラットフォーム(withpersona-gov.com) には、FinCEN(米財務省金融犯罪取締ネットワーク) と FINTRAC(カナダ金融取引報告分析センター) に直接レポートを提出できる機能が含まれている
- OpenAIのユーザー認証プロセス は Persona のインフラを通じて実行され、この過程で 顔・身分証画像、生体情報、位置情報 などが収集・保存される
- 同一のコードベースが民間サービスと政府監視システムの両方で使われており、AIサービス利用と国家監視体制の境界が曖昧になっている状況 である
調査概要
- 研究チームは Shodan、CTログ、DNS、HTTPヘッダー、公開ソースマップ など公開資料のみを用いて分析を実施
- 不正アクセスやハッキング行為はなかった と明記されており、すべてのデータは公開サーバーから収集された
- 調査の結果、
openai-watchlistdb.withpersona.com および openai-watchlistdb-testing.withpersona.com という OpenAI関連サブドメイン が発見された
- 該当サーバーは Google Cloud(カンザスシティ) に位置し、Cloudflare保護なしで独立運用
- 証明書透明性ログによると、2023年11月から2年以上稼働中
Personaインフラと政府連携
- Persona は サンフランシスコ拠点の本人確認企業 で、一般向けサービスは Cloudflare の背後で運用されている
- しかし OpenAI向け watchlistdb インスタンス は別個の GCP サーバー上で独立運用されており、高リスクデータ分離を目的とした専用インフラ と推定される
- withpersona-gov.com ドメインは FedRAMP認証(2025年10月) を取得した政府向けデプロイ版で、
- FinCEN報告、顔認識、金融データウィジェット、リアルタイムユーザーモニタリング 機能を含む
- Oktaベースのログインシステム と Cloudflare Access保護領域 が存在する
ONYXデプロイとソースコード露出
- 2026年2月、
onyx.withpersona-gov.com という新規サブドメインが登場
- ICE(米移民・関税執行局)が使用する Fivecast ONYX監視ツール と同じ名称を使用
- コード上の直接的な関連はないものの、名称とインフラの類似性 が確認された
- 該当サーバーは 53MB規模のTypeScriptソースマップ を認証なしで公開提供していた
- 内部コードには SAR/STR報告、顔データベース、PEP(政治的に重要な人物)顔比較、暗号資産アドレス監視 機能が含まれる
- 269の検証項目 と 13種類の追跡リスト が定義されている
主な機能とデータフロー
- SAR(疑わしい活動報告): FinCEN に直接送信可能で、状態値(受付・警告・拒否など)を管理
- STR(疑わしい取引報告): FINTRAC に提出され、Project SHADOW、LEGION など情報機関コードネーム のタグ付けが可能
- 顔データベース: 最大 3年間保管、セルフィーをリストに追加して再検証を実施
- PEP顔比較: ユーザーのセルフィーを 政治家・公職者の写真と類似度分析
- Chainalysis連携: 暗号資産アドレスのリスク評価と継続的モニタリング
- OpenAI連携: 政府プラットフォーム内の AI Copilot(AskAI) 機能として、運用担当者向けのチャット支援ツールを提供
法的・倫理的論点
- OpenAIの本人確認ポリシー(2025年導入) 以前から watchlist インフラが稼働していた事実が確認された
- 生体データ保管期間 は OpenAI が明らかにした1年とは異なり、コード上では3年と明記されている
- イリノイ州BIPA(生体情報プライバシー法) 違反の可能性が指摘されている
- ウクライナ遮断ポリシー は法的制裁対象ではないにもかかわらず含まれている
- ユーザーは 拒否理由や異議申し立て手続きなしにアクセスを遮断 される可能性がある
結論
- 同一の Persona コードベースが 民間AIサービス(OpenAI) と 政府監視・金融報告システム の両方で使用されていることが確認された
- コードには FinCEN・FINTRAC報告、顔認識、政治家類似度分析、暗号資産追跡 など 監視レベルの機能 が含まれている
- 直接的なデータ送信経路は確認されていないものの、AIサービス利用プロセスが国家監視体制と技術的に接続されうる構造 である
- 研究チームは Persona と OpenAI に対し、FedRAMP準拠の検証および18項目の公式回答 を求めており、続報の公開を予告している
1件のコメント
Hacker Newsのコメント
onyxは内部プロジェクトのコードネームにすぎず、ポケモンのOnyxに由来する名前で、Fivecast ONYXとは無関係だという関連する顧客事例はこちらで見られる
TL;DR — 「うちは責任なし、LinkedInに聞いてくれ」という趣旨だ