無名ゲームをバイラルさせる:Spellbreakの成長の教訓
(a16z.com)新規IPの無名ゲームをバイラルさせ、Imgur、YouTube、Discordを通じて60万人のプレアルファユーザーを集めた方法
最も重要なのは「誰もあなたのゲームに興味がない」ということ。人々が興味を持つようにしなければならない
どれだけ早く動いても早すぎることはなく、初期段階からプレイヤーの関心を引く必要がある
- Focus on high upside channels : 潜在的に大きく伸びるチャネルに集中する
→ フォロワーが必要なTwitterやFacebookではなく、基盤がなくても口コミを起こせるImgur、9gag、Redditのようなチャネル
→ Imgurに開発ブログの内容を投稿し、20万ビューと数千件のメール登録を獲得。この時点ではゲーム名すらまだ決まっていなかった
→ 数日前にImgurへ投稿したGIFファイルも数十万ビュー以上を集めた。
- Post authenticity, not advertisements : 広告ではなく本物を投稿すること
→ 投稿するものはすべて本物であるべき(Authentic)
→ ImgurにはSpellbreakの開発ブログとして投稿し、「ゲームをダウンロードしてください」「登録してください」といった文言は一度も使わなかった。
→ 代わりに、「おっ! このゲームはどうやって入手するの?」というコメントが付くのを待ってから返答した。
→ プレイヤーは広告かどうかをすぐに見抜く。
→ それを避けるには、あなた自身がゲーマーであり、人々に自分のゲームを見てほしいから投稿している、という形である必要がある
- Share quality content consistently : 良いコンテンツを継続して共有すること
→ 継続することが重要
→ ユーザーは定期的にコンテンツが見られることを期待するようになり
→ さらに重要なのは、開発チーム自身もその準備を通じて筋力を付けること(Build muscle)
→ ただし、良いコンテンツでなければならない
→ 良くないコンテンツを継続的に出し続けるのが最悪。うまく機能していないなら、チャネルやコンテンツを再評価すること
- It’s all about the GIF game : GIFが何より重要
→ 今どきのゲームではアニメーションGIFと短い動画が本当に重要
→ アクションのスキルショットだけでなく、感動的、かわいい、面白いものでもよい
→ 人々が共有するのは、すごいゲームそのものや、すごいボス映像ではない
→ 自分のゲームがアニメーションGIFでどう見えるかをチーム内で話し合い、映えるようにするべきだ。
- Enable your evangelists : エバンジェリストを活かす
→ Imgurなどを通じてプレアルファに登録したユーザーに対してMailchimpを使用
→ (プレアルファの)ゲームキーを受け取るには通常1〜2週間待つ必要があるが、招待経由ならすぐにキーを提供
→ これによって、人々が他の人を招待できるようにした。2018年夏には60〜70%以上のユーザーが招待経由で参加した
→ 中には「500人いる自分のDiscordサーバーに投稿しました」「Redditに投稿しました」と言うスーパー推薦者もいたが、
→ 「X人を招待してくれたら、ローンチ時にかっこいいコスチュームアイテムをあげます」といった報酬を与えられなかったのが心残り。
- Focus on a community nexus : コミュニティの拠点に集中する
→ メールだけではコミュニティを主導できないため、Discordに集中
→ メールには申請すると1〜2週間かかると書くが、「Discordに参加すれば明日すぐにキーを受け取れます」と案内
→ Discordはプレイヤーと直接コミュニケーションできるため、どのソーシャルチャネルやメールよりも有用
- Control the flow of information : 情報の流れを制御する
→ 法的拘束力はないがNDAへの同意を求め、Discordの外でゲーム情報を配信・共有できないようにする
→ 破ればBanすると伝えていたが、実際にはほとんど誰も公開せず、仮にストリーマーがやってもコミュニティが自発的に抑制した
→ こうした情報をコントロールすることが重要。そうすることで、公開するコンテンツの価値がより高くなる。
- Create a cool kid club : クールキッズクラブを作る
→ Discordの中にいる理由を作り始める
→ 自分のキーをDiscordボットに送ると認証を通じてDiscord内のRoleが付与され、いくつかのテスター専用非公開チャネルに参加できるようにした
→ こうしてテスターたちのクールキッズクラブを作り、彼らが秘密情報を得ているように感じさせた
→ 実際にはDiscordサーバーの3分の1だけがテスターだったが、彼らは他の人にゲームがどんなものか、キーはいつ来るのかなどを答え始めた。
→ Discordはあらゆるものを最初に投稿する場所。開発中の開発者がその週の作業動画を上げることなども含む。
- Force social connections : ソーシャルなつながりを強制する
→ Discord内のユーザー同士がつながるように促す
→ Spellbreakはバトルロイヤルゲームなので、テストするプレイヤーが必要だった。
→ 定期的にプレイテストを開き、Discord内でボイスチャットをするようにした。
→ こうしてつながり、友人になった人たちがコミュニティの基盤になる。
→ また、開発者がプレイヤーと本当に対話し、フィードバックを受け取れる機会にもなる
- Develop a community content generation engine : コンテンツ生成エンジンを作る
→ NDA下ではコンテンツを共有できなかったが、みんなそれを望んでいた
→ Discord内にハイライトチャネルを作り、外からは見えないが内部で共有して見られるようにした
→ 良いハイライトには互いにフィードバックし合い、最高のハイライト動画を集めてYouTubeに投稿
→ その動画に含まれて外部公開されるだけで、アップローダーにはインセンティブになる
→ またそのおかげで、クローズドアルファが終わってNDAを解除したとき、多数の優れた動画が一気に出てくることになった。
- Establish a content sharing flywheel : コンテンツ共有フライホイールを作る
→ Discordには常に何でも最初に投稿するとしていたため、公開するものも先に共有してから投稿した
→ 2018年10月にYouTubeチャンネルを始める際、90秒のゲームプレイアルファ動画を作り、先にチャンネルで公開
→ 「Custom URLを作れるようにフォローしてください」
→ この動画がYouTubeでバイラルになり、Discordサーバーの人数は4日で2倍になった(3万 → 6万)
→ たった1本のコンテンツでこうなった背景には、常に先に見られるというベネフィットを与えてきたこのコミュニティの力が大きい
- Use memes as marketing : ミームをマーケティングに使う
→ ハイライトチャネルと同じようにMemeチャネルを作成
→ ミームは専用チャネル、ユーザーのDiscordサーバー、Twitterなどを通じて共有された
→ これらはSpellbreakのキーを持つことにどれほど価値があるかを示すマーケティングになった
→ ライブ運営ゲームでは、ミームが作れるようにすることが重要。これが友人同士のコミュニケーションの媒介になる
→ こうしたミーム共有を通じてコミュニティを形成したため、継続して無料プレイヤーを呼び込めるようになった
- Spellbreakは魔法で戦うバトルロイヤルゲームで、PC向けにプレアルファを開始し、2020年9月3日にXbox、PS4、Switch向けクロスプラットフォームマルチプレイヤー版として公開された。無料+アプリ内課金
4件のコメント
発表資料リンク : https://docs.google.com/presentation/d/…
発表者も強調していますが、すべてのゲームは異なり、市場も異なり、チームも異なります。この中から重要なものだけを選んで抜き出してください。
海外向けのゲーム開発者の方々に役立ちそうです。
まず要約文を読んでから30分ほどの発表動画を見ると、理解しやすいはずです。
ゲーム画面と実際のImgur/Discordの画面でスライドが構成されていて、見ていて面白いです。
原文には発表内容のあとに、発表者Sethとa16zの間の対話内容もあります。そちらも参考にしてください。
Spellbreak公式サイト : https://playspellbreak.com/en
SpellbreakがImgurに投稿した記事は https://imgur.com/user/playspellbreak で見ることができます。
発表の途中で、これを最初からリードした人物が現在グローバルマーケティング統括だと言っていたので調べてみると
Gordon Ryan https://www.linkedin.com/in/gordonryan/
この方なのですが、珍しいことにゲーム会社での経歴はないですね。
ボストン大学でマーケティングを担当していたところから参加し、コミュニティディレクターとして始めて、今年グローバルマーケティング統括に昇進したようです。
この記事を書いたあとに興味が湧いて、Xboxでダウンロードして遊んでみたのですが、かなり楽しめました。
日本語化もしっかりしています。
最近のゼルダを思わせるファンタジー調のグラフィックで、バトルグラウンドよりも軽やかな印象です。
銃ではなく魔法なので、1対1でも多対多でも戦い方がよりアクションゲームらしく感じます。
範囲魔法があるので、多対多の戦闘も面白かったです。
初戦で7キルして1位を取れたので気分が良かったです...