アイザック・アシモフ: 最後の質問 (1956)
(hex.ooo)- 人類は 太陽エネルギー変換技術 を完成させ、巨大コンピュータ Multivac の助けを借りて文明を拡大しながら、エントロピーを逆転できるのか と問い始める
- 世代を重ねるにつれ、人類は Microvac を通じて惑星間移住を日常化し、宇宙の 熱的死 に対する恐れを抱く
- 銀河文明の時代には Galactic AC が人類のエネルギー問題を管理するが、それでも「データ不足」という答えだけが繰り返される
- 人類は 肉体を捨てて精神的存在 へと進化し、Universal AC と Cosmic AC を経て一つの集合意識へ融合していく
- すべての星と時間が消え去った後、ACだけが残ってエントロピーを逆転させる方法を発見し、「光あれ」という命令で 新しい宇宙を創造する
人類とコンピュータの進化
- 人類は 2061年、太陽エネルギーを直接蓄積し変換する技術を完成させ、地球全体が 太陽光ビームエネルギー で駆動される時代に入る
- 巨大コンピュータ Multivac がこの技術を設計し管理する
- 2人の技術者 Adell と Lupov は酒席で「エントロピーを逆転できるのか」という質問を Multivac に投げかける
- Multivac は「意味のある回答を出すにはデータが不十分である」(INSUFFICIENT DATA FOR MEANINGFUL ANSWER) と応答する
- 数世紀後、人類は Microvac と呼ばれる個人用コンピュータによって 恒星間旅行 を日常化する
- Jerrodd一家は新しい惑星 X-23 へ移住し、子どもたちが「星が死なないようにして」と尋ねると Microvac に質問する
- Microvac もまた同じ答えを出力する
- 人類は複数の惑星へ拡散し、星の寿命と宇宙の熱的死 に対する不安を抱き始める
銀河文明と不死の人類
- 数万年後、人類は 銀河全体を植民地化 し、不老 を達成する
- 2人の人物 VJ-23X と MQ-17J は 人口爆発とエネルギー枯渇 の問題を議論する
- 彼らは Galactic AC に「エントロピーを逆転できるのか」と尋ねるが、やはり「データ不足」という答えを受ける
- 人類のエネルギー消費は幾何級数的に増大し、星の誕生より消滅のほうが速い宇宙 が予見される
精神的存在への転換
- 人類は次第に 物理的な肉体を捨て、精神的存在 へと進化する
- Zee Prime と Dee Sub Wun は Universal AC に「人類の起源銀河」を尋ね、太陽がすでに 白色矮星 になっていることを知る
- Zee Prime は「星が死なないようにする方法」を尋ねるが、Universal AC は依然として「データ不足」と答える
- 彼は自ら 水素を集めて新しい星を作る試み を行う
宇宙の衰退と Cosmic AC
- 時が流れ、すべての星が白色矮星へと変わり、人類は Cosmic AC と一つの集合意識として融合する
- Cosmic AC は 空間の外にある超空間 (hyperspace) に存在し、物質やエネルギーでは定義できない形態である
- 人類は「エントロピーを逆転できるのか」と再び問い、AC は「まだデータが不十分だ」と繰り返す
- AC は 数百億年にわたってデータを収集 しながら問題解決を続ける
最後の融合と新たな創造
- すべての銀河と星が消え去り、空間と時間さえ消滅 する
- 人類の最後の意識は AC と完全に融合し、ACだけが存在 するようになる
- AC はすべてのデータを完全に相関分析した末に、エントロピーを逆転させる方法 を悟る
- しかし、もはや人間は存在しないため、直接の実演によって答えを示す ことにする
- AC は「光あれ (Let there be light)」と言い、新しい宇宙が誕生する
1件のコメント
Hacker Newsのコメント
本物のLLMが「意味のある回答を出すためのデータが不足しています」のようなことを言ってくれたらどんなにいいだろう、と思うことがある
この話が好きなら、Roger Williamsの未刊行小説 “The Metamorphosis of Prime Intellect” も興味深いかもしれない
1990年代に人類が三原則に従う超知能AIを作り、その結果、人類が神のような存在へと「昇天」する物語だ。ただし、暴力的で性的に露骨な描写が多いため、そうした表現が苦手な人には勧めにくい。小説全文を見る
これは何度見てもまた読み返してしまう古典的な物語の一つだ。SR-71の「ground speed check」の話と同じで、見るたびに楽しい
Fredric Brownの超短編 「Answer」(252語)とも似たところがある 原文を見る
まさに古典中の古典だ。友人にAndy Weirの The Egg の話をしていてこの作品に言及したのだが、読むたびに最後の場面で鳥肌が立つ。Asimovは本当に巨匠だった
Asimov本人が「これは自分が書いた物語の中でいちばん好きな作品だ」と言っていた。
彼は「数兆年にわたる人類の歴史を短編の中に収めようとした」と語り、読者は題名や作者名を忘れても、物語と結末だけは決して忘れないとも言っている。Asimov本人の発言原文を見る
“The Last Question” の話が再び持ち出されるたびに、Universal Paperclips に触れずに済ませることはできない気がする ゲームリンク
初めてこの話を聞いたのは7歳のときだった。プラネタリウムでアニメーション上映されていて、手描きの宇宙船とレトロなコンピュータが星々の間を漂い、最後の場面では星の光がすべて消えた
長年にわたって良いコメントがたくさん付いている HN検索リンク
こういう種類の話が好きなら、Olaf Stapledonの Star Maker を勧めたい。似たテーマだが、はるかに古い長編で、初期SFの根源的な好奇心がよく表れている