legalQ – 韓国の法令と判例を自然言語で尋ねられる公開チャットボット
(legalq.dnotitia.ai)韓国の法令や判例を自然言語で質問できる公開チャットボット legalQ(リーガルキュー) を作成し、共有します。
私はディノティシアで legalQ の開発に参加しているエンジニアです。会社の公式発表とは別に、GeekNews のユーザーの皆さんから技術的なフィードバックをいただきたく、個人アカウントで共有します。
法令や判例は、キーワードだけでは見つけにくいことが少なくありません。一方で、ChatGPT や Claude のような汎用 LLM にそのまま尋ねると、回答は便利でも、条文番号や判例の引用が不正確になることがあります。
リーガルキューは、こうした問題を減らすために RAG ベースで動作します。ユーザーの自然言語の質問を検索に適した形に変換し、関連する法令・判例データを検索したうえで、可能な限り回答に参考にした条文と判例情報もあわせて表示するようにしました。
データは、少し前に GN で紹介された legalize-kr をベースに使用しました。
現在は以下の別表データの処理がまだ十分ではありません。そのため、別表の内容が核心となる質問については、回答だけで完結させるのではなく、関連法令のリンクもあわせて表示する形で対応しています。
従来の方式との違い
- 既存の法令・判例検索サービス
キーワード検索には強みがありますが、ユーザーの状況を自然言語で説明して質問するには、やや不便な場合があります。 - ChatGPT や Claude に直接質問
使い勝手は良いものの、条文番号や判例引用が間違っていることがあります。リーガルキューは検索インデックスに基づいて回答し、可能な限り根拠となる条文と判例情報も一緒に表示するよう設計しました。 - 法網、Korean Law MCP のようなツール
API や MCP レイヤーに近いツールだと理解しています。リーガルキューは、別途インストールなしでブラウザからすぐ使える UI を志向しています。
スタック
バックエンドは FastAPI、フロントエンドは React を使用しました。LLM 呼び出しは OpenRouter 経由で処理し、検索には legalize-kr データを自社ベクター DB(Seahorse Cloud)にインデックスして利用しています。
ツール呼び出し部分は MCP として分離しています。自然言語の質問を検索用クエリに変換し、必要な法令・判例情報を取得した後、その結果をもとに回答を生成します。
プライバシー
法令や判例に関する質問は、ユーザーの具体的な状況が表れうる領域であるため、会話の保存は最小限に抑える方針で設計しました。
- 会員登録やログインはありません。
- 会話内容はサーバー DB に保存しません。
- 各リクエストごとにクライアントが必要な history を一緒に送る stateless 構造です。
- 会話履歴はブラウザの localStorage にのみ残り、ブラウザの保存領域を消去すれば削除されます。
- IP は rate limit のための in-memory bucket でのみ使用します。
- 標準 access log のリクエストメタデータは 30 日単位でローテーション保存されます。
- 回答生成のため、ユーザーの問い合わせが LLM API に送信されることがあります。
制約
まだ初期バージョンのため、制約が多くあります。
- 法律相談サービスではなく、一般的な法令・判例情報検索ツールです。
- 回答が誤っている可能性があるため、重要な事項については必ず原文の法令と専門家の確認が必要です。
- 別表データはまだ十分に処理できておらず、関連法令のリンクで案内する場合があります。
- 判例検索と引用は、データ範囲と検索品質によって漏れや不正確さが生じる可能性があります。
- 複数の法令情報をあわせて参照する必要がある質問では、tool call が多くなり、回答が遅くなったり一部情報が抜けたりすることがあります。
フィードバックをもらいたい点
初期公開なので、足りない点を多く聞きたいと思っています。特に以下のようなフィードバックが役立ちます。
- 特定の質問に対する回答がおかしかった
- 条文や判例引用が誤っていた
- 関連法令を適切に見つけられなかった
- UX で詰まる部分があった
- 既存サービスやツールと比べたときに欠けている視点がある
- 法律相談のように見えて長期的に問題になりうる表現が見られる
ぜひ使ってみて、鋭いフィードバックをいただければありがたいです。
読んでいただきありがとうございます。
2件のコメント
私も税務分野で似たようなサービスを作ろうと試みたことがあるので、うれしく感じました。
投資税額控除に関連する法人税や租税特例制限法について質問してみましたが、正しい法令や条文を参照して回答している点を確認しました。回答時に原文を直接示し、可能な限りケース別に分けて説明してくれる点が印象的でした。
もし税務分野への拡張をお考えであれば、税務分野では一般的に企画財政部や国税庁、租税審判院などの行政解釈、租税審判事例、予規、質疑回答などのほうが、より詳細な情報を提供する場合が多いため(通常、税務系サービスではすでにそれらの資料がコーパスに必須で含まれています)、その部分が補完されればさらに良くなると思います。
フィードバックと貴重な情報をありがとうございます!
税務の分野もデータの整備がなかなか難しいようです。
改善できる方法を探してみます。