20 ポイント 投稿者 spilist2 2024-02-17 | まだコメントはありません。 | WhatsAppで共有

キャリアと老害化の相関関係

子どもの頃は、自分から求めなくてもさまざまな形のフィードバック(e.g., 親に叱られる、学校の試験の成績)が入ってきた。しかし年齢を重ね、キャリアを積み、立場が高くなるほど、自分のもとに自然と入ってくるフィードバックは少なくなっていく。

フィードバックを与える側の立場で考えると、これはごく自然な変化だ。自分より年上で、経験が豊富で、地位も高い人にフィードバックを与えるのは決して簡単ではないからだ。高い場所に石を投げるにはより大きな力が必要なように、自分がキャリアのはしごを上がるほど、下から届くフィードバックが減り、弱くなるのは当然だ。

ふと、こうした変化を自覚しないまま年齢やキャリアがある閾値を超えた人は、高い確率で「老害」になってしまうのではないかと思った。ネガティブなフィードバックがないことは、うまくやれている保証ではないにもかかわらず、それが自信と結びつき、自分はうまくやっているという錯覚に陥る。たまにフィードバックが入ってきても防御的に反応するので、ますますフィードバックは少なくなる。そうして自分だけの世界に閉じこもって老害へと変わっていくが、本人は自分が老害であることにすら気づかない。

この問題を認識できれば、「老害化」の流れに逆らうことができる。自分に入ってくるフィードバックが減ることが問題なのだから、フィードバックを再び増やせばよい。つまり、自然に入ってくるフィードバックだけに頼らず、さまざまなフィードバック獲得戦略を積極的に使うことで、キャリアを積んでも老害にならずに済む。

私たちがフィードバックを必要とする理由

私たちがフィードバックを受ける理由は、結局のところ重要な問題を解決し、将来の成果を向上させたいからだ。フィードバックが効果を発揮する流れをもう少し詳しく見ると、次のようになる。

  • 行為(Action): 自分の行動および行動の結果について意見を集め
  • 産出物(Output): 変化のための行動計画を立て
  • 中短期的な効果(Outcome): 自分の認識と行動が有意義に変化し
  • 長期的な効果(Impact): 重要な問題が解決され、将来の成果が向上する。

毎日残業したからといって顧客の製品満足度が急に上がるわけではないのと同じように、「認識および行動の変化」が「問題解決と成果向上」を必ずしも保証するわけではない。

しかし、フィードバックを受けて自分の認識と行動を変えるところまでは、明らかに自分のコントロール範囲内にある。したがって、「効果的にフィードバックを受ける戦略」は、すなわち 「自分の認識と行動が有意義に変化しやすいようにフィードバックループを設計する戦略」 と解釈しても差し支えない。

一方で、フィードバックを受けることは広い意味では情報収集活動に属する。「将来の成果向上」に役立つのであれば、どのような情報を集めてもフィードバックを受けたとみなせる。したがって、効果的な情報収集方法はたいてい、効果的なフィードバックループ設計にも役立つ。

フィードバックを効果的に受ける3x3マトリクス戦略

効果的にフィードバックを得る、つまりフィードバックループの設計戦略を2つの次元で考えてみた。

1つ目の次元は、フィードバックそのものに関するものだ。

  • 自分に入ってくるフィードバックの量を増やす戦略
  • 自分に入ってくるフィードバックの質を高める戦略
  • 自分に入ってきたフィードバックが有意義な行動変化につながる確率、つまりフィードバックの効果を高める戦略

2つ目の次元は、認識と行動のタイミングに関するものだ。

  • フィードバックを受ける前には、どのような認識・行動をすべきか
  • フィードバックを受けている最中には、どのような認識・行動をすべきか
  • フィードバックを受けた後には、どのような認識・行動をすべきか

この2つの次元を掛け合わせると、3x3のマトリクスになる。

私は、このように思考の枠組みを組むだけでも視野が広がり、効果的にフィードバックを受けるうえでかなり有利になったと感じた。次の文章では、いよいよ各マスに当てはめられるような戦略を、自分の経験と学術的根拠に基づいて紹介してみたい。

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