- Keygenを8年間運営する中で、創業者たちが重要なビジネス指標を見落としがちであることが分かった。その1つがまさに「転換までにかかる時間(time-to-convert)」である。
- 当初は14日間の無料トライアルを提供していたが、見込み顧客が14日以内にソフトウェアライセンシングAPIを自社のスタック全体に統合するのは非常に難しかった。
- そこで無料トライアル期間の延長を提供し始めたところ、延長を依頼した顧客の転換率のほうが高いことが分かった。
転換までにかかる時間(Time-to-Convert)の重要性
- Baremetricsの限られた測定項目に不満を感じ、Rake taskで置き換える中で「転換までにかかる時間(TTC)」を知った。
- TTCは、顧客が登録した時点から実際に支払うまでにかかる時間を意味する。
- Keygenの場合、p50 TTCは41日、p90は130日、p95は198日、p99は290日だった。
- 14日間の無料トライアルでは、顧客がKeygenの価値を実感し、購入を決定するのに十分ではなかった。
無制限トライアル(無料プラン)の導入
- 見込み顧客に対して、APIの理解、オンボーディング、PoCの計画と実行などを14日以内に終えるよう求めるのは無理があった。
- 見込み顧客がKeygenが解決策になり得ると判断した瞬間にリードを獲得し、育成するために、無制限トライアル(無料プラン)を導入した。
- その結果、全体の登録者数は増加し、有料登録者数も転換率を維持したまま手作業なしで増加した。
GN⁺の意見
- SaaS製品では、顧客が価値を実感して購入を決めるまでにかかる時間を正確に把握することが重要であり、無料トライアル期間もそれに合わせて設定すべきである。
- 無料トライアルの延長を提供しつつ、延長時に支払い情報を求めることも転換率の向上に役立つ可能性がある。
- ただし無料プランを導入する際には、収益モデルを綿密に検討する必要がある。無料ユーザーによるコスト増加を負担できる必要があり、無料ユーザーを有料ユーザーへ転換するための戦略も必要である。
- 顧客のTTCを短縮するには、オンボーディングプロセスの改善、ドキュメントやチュートリアルの強化、カスタマーサポートの拡充など、さまざまな取り組みが伴うべきである。
- TTC改善のために、Pocus、EndgameなどのPLG(Product-Led Growth)ツールを活用してみることもできる。
1件のコメント
Hacker Newsの意見
要約すると、次のような意見がある:
一般消費者向けSWでも、7/14/30日の無料トライアルは不自然であることが多い。たいていは一度使って、数か月後にまた必要になったときにはトライアルが期限切れになっていて、追加で使いにくい。代わりに、利用量ベースの無料トライアルのほうが適切である。
開発者向けライブラリを販売する場合、無期限トライアル(ウォーターマーク付き)を提供し、その代わりに30日間の無料サポートを提供する方式のほうが効果的である。
14日間の無料トライアルは、実際には無料ではなく、評価に多くの時間がかかる。オープンソースは使い続けられるが、商用製品は購入承認を得なければならないため、よりためらいやすい。
SaaS企業に望むこと:
トライアル期間の延長を望む人たちのコンバージョン率が高いのは当然の結果である。重要なのは、どの機能の利用がコンバージョンにつながるのかを把握し、その機能を使える可能性を高めることである。
登録後に知ることになる、圧迫感のある時間制限付き特典も好ましくない。あまりに早く登録してしまったミスをした気分になる。
期限付きの体験は常に否定的である。代わりに、期限切れにならない無料クレジットを提供するのも良い方法である。
一部のSWは習得に時間がかかるため、高度な機能をテストしにくい。競合他社に比べて忍耐強さがなく、トライアル延長を拒否した会社があったが、結局は競合他社と契約した。