GoogleのAI要約機能導入後、検索クリック率が大幅に低下
(arstechnica.com)- Pew Research の調査によると、AI Overviews が導入されたGoogle検索では、ウェブサイトのクリック率が ほぼ半減 した
- AI要約が 含まれない 検索結果のクリック率は 15% だったが、AI Overviewsが含まれる 結果では 8%まで急減 した
- AI Overview内の 出典リンクのクリック率は1% に過ぎず、主な出典は Wikipedia、YouTube、Reddit
- ユーザーはAI要約を見た後、検索を 早期終了する傾向 が強まり、誤情報にさらされるリスクが高まる
- Googleはこの調査結果に 同意しておらず、検索トラフィック全体には大きな変化はないと主張
Google検索とAI Overviewsの変化
- この1年間で、Googleの検索結果ページ上部に AI Overviews が本格的に適用されるようになった
- GoogleはGeminiベースのAI回答が ウェブサイトのトラフィックを奪うことはない と主張しているが、実際には多くのウェブサイトがトラフィック変動を実感している
Pew Research Centerの分析結果
- Pewは2025年3月、Ipsos KnowledgePanel の900人のユーザーデータを分析した
- AI要約が 含まれない 検索結果のクリック率は 15% だった
- AI Overviewが適用された 検索結果のクリック率は 8% で、ほぼ半減した
- GoogleはAI Overviewで引用されたリンクは人々にクリックされていると主張しているが、Pewの調査によれば 実際の出典クリックは1%に過ぎない
- AI Overviewに頻繁に登場する出典は Wikipedia、YouTube、Reddit で、AI出典全体の15%を占めた
AI Overviewsの拡大状況
- 2025年時点で、全検索の約 20% にAI Overviewが含まれている
- 検索語が長いほど、また質問形式であるほどAI要約 がより頻繁に表示される
- 疑問文では60%、完全な文では36%の確率でAI要約が付くことが確認された
AI Overviewsの影響とリスク
- ユーザーはAI要約を見た後に検索を終了 するケースが増えている
- このようにAI要約で提示される情報には、アルゴリズムの誤作動(hallucination) により誤った事実が含まれる可能性がある
- 例として、Google AIが 航空事故の機種 を誤って案内した事例も発生している
- ユーザーがAIの 誤情報 を事実として受け取り、すぐに検索を終えてしまう現象が懸念される
Googleの公式見解
- Googleは「AIベースの検索体験は、人々がより多くの質問をするよう促し、ウェブサイトとの接点を生み出す」という立場を示している
- また、Pewの調査手法について、「偏ったデータセットと誤った方法論により、全体のトラフィックを代表していない」と主張している
- Googleは「毎日数十億件のクリックを誘導しており、ウェブ全体のトラフィックに有意な減少はない」と説明している
ウェブ生態系とGoogleの利益の方向性
- 複数の研究は、GoogleのAI戦略が 情報探索のあり方 を変えつつあると分析している
- この変化は ウェブサイトの発行者 にとって不利に働く一方、Googleの収益性はむしろ 過去最高水準 を記録している
結論
- Googleの AI Overview機能の拡大 は、検索トラフィックの配分や 情報の信頼性低下 の問題を深刻化させる結果につながっている
- 一方でGoogleは、検索体験の革新 とトラフィックの安定性を掲げ、こうした懸念を公式に否定している
1件のコメント
Hacker Newsの意見
モバイルでリンクをクリックしたときの体験について語っている。ページが読み込まれるやいなやトラッキング同意ポップアップが表示され、運が良ければ「必須のみ」を選べるが、たいていは「オプション管理」で全トラッキングを拒否する方法を探さなければならない構造だという。画面上部や下部には購読やアプリのインストールを促すバナーが表示され、画面の20〜30%を占有し、小さなXボタンを押しても閉じるのに1〜2秒かかる。少しスクロールすると、またサービスやニュースレター登録を促すポップアップが現れ、閉じにくい広告が次々と出てくる。動画や点滅する広告も絶えず邪魔をする。しかも、これは自分が求める情報があるかどうかを確認する前に起きることだという。AIやKagi summarizrのようなものを使えば、広告のない、きれいに整理されたコンテンツをすぐ読める点を強調している
実際のコンテンツにたどり着いても、SEO向けの無意味な文章が5段落ほど先に続き、その後でようやく本題に入れる点を指摘している
darkpatterns.orgで見たさまざまな悪質パターンに着想を得てゲームを作ったという。すべてのポップアップは実在するダークパターンに基づいている。termsandconditions.gameで遊べる
AIもまるで麻薬の売人のように「最初の1回は無料」モデルをたどっている。AIの提供にはコストがかかるので、今後はダークパターンがさらに増えるだろうと予測している
「必須のみ」オプションはほとんど使わないという。「正当な利益」オプションが残る設定になっている場合が多いだろうと推測している。結局のところ「あなたがオンラインで追跡されたくないのは分かっているが、こちらは気にしない」という態度に感じるという
バックグラウンド通知の許可を求めるポップアップも抜けていると述べている
遅くて不便なウェブサイトは、代替手段が現れると大幅なクリック減少につながることを実感している。HNのように高速でテキスト中心のサイトのほうが良いと考えている。ウェブサイトはますます過剰にデザインされて遅くなる一方、HNのコメントは素早く情報を得られるのでよく利用しているという
自分も同じ理由でコメントのほうを好むという。ブログや記事は一種の営業トークのように感じられ、コメントには感情があり率直さがにじむ。非論理的かもしれないが、そういう選択をする人は自分だけではない気がすると述べている
HNコメントを読みながら情報を把握するのは、実際には同調圧力に流されて自分の思考を他人に代行させていることだと批判的に解釈している
良いデザインは好きだが、情報へのアクセスを妨げない場合にだけ意味があると見ている。eww(Emacsウェブブラウザ)やw3mのようなツールを使い、JavaScriptの過負荷を取り除いたときの速さを体験している
悪いサイトを避ける悪循環が続くと見ている。訪問者が減ることでサイトはさらに広告を増やし、UXが悪化し、結局また訪問者が減る構造だという
わざわざ元記事をクリックする理由がないのは、過剰なデザインや読み込み速度の問題以上に、素早く感情のこもった論争的な要約から情報を得られることのほうが大きいと考えている
AIや要約サービスが誤った情報を表示することがあり、その修正が難しいという問題を経験している。Google AIが内線番号を誤って表記して別部署に誤問い合わせが来たり、存在しない日程や場所を示して混乱を招いたりした事例を何度も経験している。こうした問題を自分で追跡してフィードバックも送っているが、いつ直るのか確信が持てず、そもそも回避する方法もない。昔のGoogleやYelpが非公式プロフィールを勝手に作り、管理を強いる状況よりもひどいという
英国の保健サービス関連サイトnhs.uk、nhsinform.scotのように、地域ごとに質の高い情報があるが、Google AI要約はこうした地理的文脈や公式情報を無視して、米国ベースのMayo Clinicの資料を持ってくる。環境によって必要な情報は異なるのに、一律に米国情報を見せるのは適切ではないという
あるイベントで、ChatGPTが参加費はないと答えたスクリーンショットを持ってきて、実際の料金を払おうとしない人がいたという
SaaSアプリを運営していて、顧客がChatGPTでサポート質問をし、完全に間違った答えを受け取った結果、自社アプリにはその機能がないと思い込んで解約してしまったという。どうすればAIが自社の全機能を把握できるのか悩んでいる
AI要約が最初の数件の実際の検索結果と矛盾している場合が特に腹立たしいという
世界最大の検索エンジンが、誤情報を自己満足的にページ上部へ表示していることに驚いている。たとえば、ゲーム「Blue Prince」のヒントを探したかったのに、まったく別地域のカジノ情報が出てきたり、労働者の権利情報を探した際にも実際の政府指針と正反対の答えが表示されたりした。公式な情報提供者はトラフィックを奪われ、訪問者は検索ページ上ですでに誤情報を見せられるため、失望が大きいという
コメント欄で、ウェブサイトが敵対的でAI要約のほうがUXとして優れているという共感が支配的であることは認めている。しかし根本的には、このモデルがインターネットの経済構造を揺るがしている点を懸念している。以前はレシピやジャーナリズムのような創作コンテンツによって直接収入を得たり、広告を貼って収益化したりできた。たとえばstrawberry-recipes.coolからレシピを取得し、自分のサイトのUXで再配布する行為は著作権上禁じられるが、AI要約を通じてGoogleは事実上それを行っているという。最悪の場合、人々が新しいコンテンツの公開をやめてしまう状況だと診断している。より現実的には、要約サービスや検索エンジンが、これまでクリエイターが得ていた収入をすべて吸い上げてしまうことを懸念している。もちろんAI要約が有用であることは否定しないが、インターネット経済の構造自体が再編されつつある点は見落とされがちだと述べている
こうした変化はむしろ意味があると考えている。最悪の場合、もうウェブにコンテンツが出てこなくなるが、逆に人々は純粋な興味から文章を投稿したり、情熱を共有したいという本質に戻るだろうと期待している。今後は「2025年7月の最高の帽子25選」のようなAI SEOゴミ記事ではなく、本当に帽子を愛する人たちが広告やアフィリエイトリンクなしで評価だけを残す雰囲気を思い描いている
それにもかかわらず、大半の人がこうした現実をきちんと認識していないことに驚いている。ビッグテックがクリエイターの作った価値を吸い上げ、独立ウェブを弱体化させる寄生的な状況だと解釈している
ウェブで金にならなければ、残るのは広告素材や扇動だけで、真摯さや正確さは失われるだろうと懸念している
即座に答えを得られるという点では、AI要約は確かに便利だ。以前は「豚肉の安全な温度」のような簡単な質問でも、だらだら長いSEO向けブログに飛ばされ、華氏温度しか案内されなかった。最近はGoogle AIが最初の文で「豚肉は145°F(63°C)で安全に食べられる」と教えてくれる
食品の安全温度についてAI要約だけに頼るのは大きなリスクがある。賭けの判定のような用途ならともかく、実際の調理温度は必ず信頼できる実際の検索結果を確認すべきだという
オーストラリアで "what temp is pork safe at?" と検索したところ、上位3件はすべて公式で信頼性の高い資料だった
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ドイツでは、生の豚肉と生タマネギを添えたMettが一般的だ。ドイツ語で安全温度を検索したところ、ぬるめに火を通したほうが最もおいしく、58〜59度がよいという推奨もあった。厳格な検査により健康上の問題はないという公式専門家の回答も確認できた。記事
AIの答えをそのまま参考にしてハンバーガーをミディアムレア(130度)で食べたところ、中心部が異常に赤いことに気づき、「ああ、ひき肉の牛肉は160度でないと安全じゃないんだ」と悟ったという。AIにそれを伝えると「間違えた、すまない」と返してきた。幸い問題はなかったが、頭を使う手間を省こうとしてAIに頼りすぎてはいけないという教訓だとしている
「豚肉の安全温度」について、ブログは長々と人類が4万年前から豚肉を食べてきたという歴史話から始まり、かなり後になってようやくUSDA推奨温度を示す、といった構成になっているという
この問題をむしろ改善点だと見る向きもある。ユーザーが新機能に満足していることを強調している。もちろんAI要約の品質改善は必要だが、サイトが競争力を失ったためにトラフィックが減ったのだという。Geminiより良いコンテンツがあれば、依然としてそのサイトを訪れるはずだと述べている
しかし、AI要約の源泉は結局既存のサイトであることを思い出させている。Googleがビジネスとユーザーの間に割って入り、信頼できるコンテンツが金にならない構造になったとき、何が残るのかと疑問を呈している
一部の企業は、GoogleやMicrosoftが無料で継続的にトラフィックを送ってくれるという前提で事業モデルを組んでいたため、この変化に戸惑っている
Googleが収集するデータのせいで、実際にいくつかの企業が倒産している。サイトとGoogleは密接に結びついていたが、今ではさらに不利な立場になっているという
変化に反対する人もいるが、そうした人々は既存の進歩があってこそ現在があることを理解していないという
GoogleがAI要約を自社サイトに掲載する瞬間、「自分たちは単にインデックスしているだけだ」という主張を維持するのは難しくなると見ている。AIの答えに満足すればクリックしないことへの後ろめたさもあるが、実際にAIが間違っていたことも何度もある。それでも上部に表示されて、欲しい答えをすぐにくれるという点は強い。個人的には「AI Overview」よりも、ユーザーが自分でより良く調べられるよう支援するツールのほうを好むという
デスクトップで関連サイトへたどるには、アンカーアイコンをクリックし、さらに右側に表示されるサイトの1つを選ばなければならず、2回もクリックが必要で面倒だという
AI生成コンテンツを自社ドメインでホスティングするなら、不満や訴訟が起きた際、Googleはまたしても「アルゴリズム」というブラックボックスを盾にするだろうと予想している
「Googleが責任を負うべきだ」という主張に対しては、そんな日が来る前に地獄が凍るだろうという皮肉混じりの反応をしている
Kagiを購読しており、広告がなく、サイトのランクを自分で調整できる点に十分価値があったという。そして検索エンジン上部にAI絡みのゴミ情報がないのも利点だとしている
Kagiでは、クエリ自体を質問文の形で入力するとLLMが答えてくれる。たとえば “who is Roger rabbit” ではサイト一覧を、“who is Roger rabbit?” ではLLMベースのクイック回答と別の一覧を表示し、LLMの参照資料の影響を受けているようだという
最近Kagiにより興味が出てきたという。検索結果の大半を素早く得たいのに、GoogleのPMたちがむしろ障害になっている。以前は小規模検索エンジンでは珍しい情報を探すのに役立たなかったが、手軽な代替としてKagiを試す価値があると考えている
自分も購読していて、ほとんどの検索でこちらを好んで使っている。ただし地域の店の営業時間や買い物、最安値の商品探しではKagiは弱く、Googleに切り替えなければならないという限界もある。それ以外では、ほとんどKagiがデフォルトだという
勧めてくれてありがとう、Googleがあまりにユーザーを離れさせるので、代替を探し続けている最中だと述べている
個人的には役に立たないと思う。Googleより悪く、AI要約機能もないと感じたという
GoogleがAI検索を導入しているのに広告収益が伸び続けているのは不思議だとしている。本来なら広告売上はその分減るはずだが、そうなっていないのが奇妙だという
Googleにとって難題は、AI機能の導入と広告収益の維持を両立させることだと指摘している
LLMの結果に広告を差し込むのが主流になるだろうと予測している。たとえば商品推薦にLLMを使うなら、小売業者は露出に対して支払い、支払わなければ競合小売サイトへ誘導される。GoogleとOpenAIが競うようにこのモデルを導入すると見ている
皆が懸念しているが、ChatGPT導入から2年たった今もGoogleの広告収益は2桁成長を続けている。収益性の高いクエリはリンク中心(例: adidasの靴 45サイズを探す)で、そうしたクエリが金になる。豚肉の温度のような情報クエリは簡単には収益化できない。(Google株主であることを明かしている)
広告ビジネスとAIはまったく矛盾しないと見ている。新しいビジネスラインとして広告領域が広がっただけだという。Overviewが信頼を得れば、そこに広告を埋め込めばよい。すでに少しそうなっている。テキストベースのプロダクトプレースメントに近い発想だという
AI要約が有用なクエリと、企業が広告を買うクエリは別だという意見だ。地域広告の例(「近くの配管工」)ではAI要約は出ず、「植物はなぜ緑なのか?」のような純粋な情報クエリには広告がないという
ユーザーはここ10年、SEO向けコンテンツファームにうんざりしており、明確で意味のある検索結果をGoogleに求めている。Googleがそれに失敗すれば、ChatGPTのような代替ツールへ移ってしまうため、この問題はGoogleが好き勝手に左右できる領域ではないとしている