7 ポイント 投稿者 GN⁺ 2025-08-15 | 1件のコメント | WhatsAppで共有
  • Gartner は「未来」という名目で用語を作ってマーケティングし、企業が マジック・クアドラント に載るために費用を支払わせる構造を運営してきた
  • 2022年に本命として押し出していた Composable Architecture の概念が2024年には主要企業のサイトから消えるなど、最近はカテゴリー提案の失敗が加速している
  • Composite AI などの新語も主要な AI業界 ではほとんど注目されておらず、実質的なデータなしに権威を主張するやり方の限界が露呈している
  • AI業界では Artificial Analysis のように、エンジニア出身のアナリストがリアルタイムのデータに基づいて提供する分析サービスが新たな信頼の源として浮上
  • かつてCレベル役員層への影響力を基盤としていた Gartner は、今では「X、Reddit、ポッドキャスト、ニュースレターなどで情報を得る」若い世代のCEO・CTOから敬遠され、信頼を失いつつある

Gartner のビジネスモデルと「Grift」構造

  • Gartner の基本モデルは、新しい技術用語を「未来」と規定し、それを大々的にマーケティングして企業が マジック・クアドラント に名を連ねるよう誘導すること
    • CTO など大企業の意思決定者がこのクアドラントを信頼しているときにのみ機能する
    • 5年前に「Composable」が未来だという分析が出ると、多くのB2B SaaS/IaaSスタートアップがその用語を前面採用した
  • 競合が「Composable」を掲げると他社も追随しなければならないという圧力が生まれ、これは 自己強化型の採用サイクル を形成する
    • 「アスベスト無添加」シリアルの比喩のように、皆がその特性を持っていても表記しなければ疑われる構造
  • しかし2024年には Netlify、Contentful など主要企業がこれをサイトから削除

速い採用と速い廃棄 — 「Accelerating Misses」

  • カテゴリー創出は産業の足並みをそろえるうえで有益になり得るが、Gartner のカテゴリーが2年で破棄されるのは深刻な失敗のシグナル
  • 最近 Databricks と Berkeley が提案した「Compound AI Systems」も、短期間の採用の後に捨てられる流れを見せている
    • Gartner はこれを「Composite AI」と名付けたが、主要なAI業界ではほとんど認知されていない
  • 今日では閲覧数や購読者数などのリアルタイム指標が存在するため、アイデアはそれ自体の価値で評価されなければならない

Gartner のAI関連の限界

  • Gartner は AI Engineering を初めて扱った際、すでに1年分の主要な進展を見逃しており、ハイプ・サイクル の頂点に置いたものの、実際の市場動向とは乖離があった
  • Gartner の過去の強み: 情報が希少だった時代のCレベル意思決定支援
  • Gartner の現在の弱み:
    • アナリストにエンジニアリング経験が不足している
    • 最新トレンドへの対応速度が遅い
    • 主観的で有料依存の評価方式
  • いまやAI分野でもっとも信頼される権威は Gartner ではなく、Artificial Analysis が新たな代替として浮上
    • エンジニア出身のアナリストがリアルタイムのデータとテスト結果に基づいて分析を提供
    • 例: DeepSeek モデルの公開時、Gartner は沈黙していたが、Artificial Analysis はすぐに性能・コスト分析とチャートを公開した

信頼基盤の変化と情報消費チャネル

  • かつて保守的なCレベル経営陣は Gartner のレポートを購入し、ゴルフをする文化だった
  • 現在のミレニアル世代のCEO・CTOは、X、Reddit(/r/LocalLlama)、All In Podcast、Semianalysis ニュースレター、さまざまな YouTube・ポッドキャストから情報を得ている
  • Gartner のホームページは今なお「Gartner Says」型の無意味な自己引用コンテンツで埋め尽くされており、ますます市場とかけ離れている

Gartner の歴史と現在の危機

  • Gideon Gartner が1979年に設立し、情報が希少だった時代にCレベルの意思決定で重要な役割を果たした
  • 代表的な成果物: 1994年 Magic Quadrant、1995年 Hype Cycle
  • 30年が過ぎた今、主観的で「ペイ・トゥ・プレイ」的な性格のフレームワークは限界を露呈している
  • 次世代のリーダーたちは Gartner を信頼しておらず、「信頼を作って売る」時代が終焉を迎えつつある

参考: Gartner の Magic Quadrant

Gartner の マジック・クアドラント(Magic Quadrant) は、IT市場と技術製品を評価・分析するために毎年発表される市場調査レポート

  • 評価方式 : 2つの軸を基準に評価する
    • 実行能力(Ability to Execute): 製品・サービスの安定性、収益性、顧客支援、運用能力など
    • ビジョンの完成度(Completeness of Vision): 市場理解、革新性、戦略、ロードマップなど
  • 4つの領域
    • リーダー(Leaders): ビジョンと実行力の両方に優れ、市場を主導する企業
    • チャレンジャー(Challengers): 実行力は高いが、ビジョンや革新性が相対的に不足する企業
    • ビジョナリー(Visionaries): 革新的だが、実行力はまだ検証されていない企業
    • ニッチプレイヤー(Niche Players): 特定のニッチ市場で強みを持つが、市場全体での影響力は限定的な企業
  • 活用目的 企業がIT製品・サービスを選ぶ際の参考資料として使われ、ベンダーはレポートに含まれることや上位に位置することをマーケティング材料として活用する

1件のコメント

 
GN⁺ 2025-08-15
Hacker Newsの意見
  • Gartnerの基本的なビジネスモデルは、未来という用語を作り出し、強力なマーケティングを付けたうえで、Magic Quadrantに名前を載せたがる人たちから費用を取るというもの
    • 私の知る限り、特定の製品にぴったり合うセグメントを作ってくれるサービスまで有料で提供している
    • Magic Quadrantの選定基準は知らないが、最近Vercelが2025 Gartner® Magic Quadrant™でVisionaryに選ばれたと宣伝しているのを見て笑ってしまった。インフォグラフィックを見ると、「リーダー」より実行力が低くてもVisionaryになれる
    • 新しいカテゴリーを作ることは、スタートアップが差別化を正当化して市場参入するうえで必要だ。自分たちで作ったカテゴリーは見込み客に見つけてもらえないので、Gartnerのようなところがそれを公式化する役割を果たす。Karpathyが「vibe coding」という用語を作ったのと似た概念だ
    • うちの会社の経営陣もMagic Quadrantに入ろうとして、開発者にAI導入を強く押しつけている
    • 「OpenAI、CEOの名前がSamであるAI企業の中で最高のリーダー」といった具合の冗談もできる
  • Gartnerの株価は2025-02-07に$529.29だったが、昨日は$238.37で引けた。ある種の勝利宣言の提出なのかと思った
    • (投稿者)私が投稿したわけではない。いつも拾ってくれる@mooredsに感謝
    • 今からショートポジションを取るには遅すぎる気がする
  • Magic Quadrantや市場成長予測はさておき、Gartnerのようなアナリスト企業は、大規模な産業アンケートに基づいて、企業が新技術をどう認識し導入計画を立てているかについて有用なリサーチをしている。特に四半期・年次の独自調査には価値がある
    • 大げさな部分を脇に置けば、Gartnerのアナリストは月にCTO 50〜100人と会って、業界で何がうまくいき、何が失敗し、何が重要になり、何が消えていくのかを把握している。これによって特定のバーティカル分野の専門家となり、ベストプラクティスを共有する
    • ただ、HNのようなコミュニティがすでに洞察を共有している状況で、彼らが本当に新しいものを発見しているのかは疑問だ
  • エンタープライズソフトウェア市場はAIで今すぐひっくり返るわけではなく、Gartnerは依然として深く根付いている。Netlifyのような小規模企業はこの市場の指標ではない
    • 要点は、AIが市場をすぐ変えるということではなく、ペイ・トゥ・プレイ型のアナリストベース購買助言モデルが寿命を迎えつつあるということだ。実際には担当アナリストが製品や市場をよく理解しないまま流行語を作り、企業は「うちもそれをやっています」と言って費用を払う構造になっている。それでもMagic Quadrantに入ればエンタープライズ営業には大いに役立つので勧めはする。ただしデータの質はよくない。swyxの言うとおり、自動化された深いリサーチがこのモデルを置き換えると思う
    • うちの会社の売上はNetlifyの企業価値の6倍だが、Gartnerにへつらってばかりで失敗を繰り返している。スタートアップ業界はエンタープライズの世界をよくわかっていない。ここには格好いいCEO/CTOなどおらず、いるのは全員スーツ姿の人間だけだ
  • 大企業がGartnerを使うのは正確だからではなく、株主向けのリスク管理戦略の一部だからだ。ブランドと評判を盾にして、問題が起きたとき会社の評判を守るために使う
    • さらに重要なのは、選択が失敗しても職を守れるようにしてくれる点だ。コンサルタントと同じく、経営陣が責任を回避できるようにする仕組みだ
  • Gartnerは消えないだろう。なぜなら売っているのはソフトウェア助言ではなく、意思決定者の責任回避を手助けする役割だからだ。実際の助言の質は重要ではなく、「信頼されるブランド」という逃げ道こそが核心だ
    • 100%でたらめならブランドが傷ついて持続不可能になるはずなので、最低限まともな助言はしているのだろう。私はGartnerを初めて知ったが、かなり興味深い
    • そんなに責任回避が簡単なら、なぜリーダーシップの報酬はあんなに高いのか疑問だ
    • 多くのコンサルティング会社は、実質的には「経済」という大きな物語の中の物語装置にすぎないと思う。エリートの子どもたちに社会的正当性を引き継がせる経路を提供している
  • G2、Sourceforge、GartnerのCapterra/GetApp/SoftwareAdviceも、すべて同じモデルを使っている。業者から月額$x,xxx以上を受け取り、自分たちで作ったカテゴリー内で上位表示させる。無料登録もできるが、有料プランを使えばカスタムアワードアイコン、レビューウィジェット、レビュー生成、dofollowリンク、上位表示まで可能だ。実質的には「グリフト」に近い。こうしたロゴを見ると拒否感があるが、経営陣は単なるビジネスコストとして見なすかもしれない
    • 1990年代のNYTimes書評も似たようなモデルだった。今後はAI Agentアルゴリズムがこうしたメディア露出をさらに多く統制するようになると予想している
  • うちの会社のIT部門のアーキテクトやディレクターたちは、Gartnerなしでは意思決定できない。現場経験者の言葉を信じない。だとすると、いったい誰に助言を求めればいいのかと思う
    • ちょうどいいところに来た!私はGartnerと反対の分析をするRentragの主席アナリストだ。うちの分析は信用できる /s
  • Webはすでにコンポーザブルな状態だ
  • Gartnerは、少し高級で高額になっただけの「ペイ・トゥ・プレイ」ランキングモデルにすぎない