- グリーンランドは デンマークの旧植民地であり、複雑な歴史と感情が絡み合う地域である
- 旅の過程では 悪天候による度重なるフライト失敗 により、容易ではないアクセス性を体験する
- ヌークとイルリサット を訪れる中で、環境の過酷さと独特の穏やかな住民文化、極端な自然を目の当たりにする
- 日常生活には 高価な輸入品、カビや虫、そり犬の飼育など、独特の暮らし方が存在する
- クジラやアザラシの肉の摂取、伝統と現実の共存、人間の生存に不向きでありながらも魅力的な場所である
グリーンランドとデンマークの複雑な関係
- グリーンランドは デンマークの旧植民地 であり、いまなお植民地的要素が残っており、非倫理的な実験や差別を経験してきた歴史がある
- 一方で、デンマーク人のあいだには グリーンランドへの誇り も共存しており、実際にそこで育った人々にもしばしば出会う
旅のきっかけと準備の過程
- 筆者はデンマーク在住中、親しいデンマーク人家族の招待を受けて グリーンランド旅行の提案 を受けた
- 出発前に グリーンランドに関する情報不足 を感じ、動画などで事前調査をしたが、有名な旅行者たちも特別な見どころはなく、素朴さに言及していることを知る
- アメリカのインディアナ州に似た 経由地のようなイメージ と、味気なさへの懸念を抱いた
グリーンランド行き航空旅程の険しさ
- デンマークのコペンハーゲン空港 で、家族連れで複雑に待機しながら搭乗が進む
- 着陸直前、濃霧で空港への着陸に失敗 し、5時間の遅延の末、アイスランド経由で再びデンマークへ引き返すという15時間の非効率なフライトを経験する
- 現地のグリーンランド人たちは こうした環境に慣れており、大きな不満もなく受け入れている様子だった
- 繰り返される不確実性によって旅のストレスを経験し、機内では高価な現地の飲み物に備える様子も見られた
ヌーク(Nuuk)滞在経験
- ヌークは グリーンランドの首都 で、穏やかでストレスの少ない住民の雰囲気が特徴である
- 極限の自然環境の中にも 文化施設(カトゥアクなど) と、一定水準の都市交通が存在する
- 夏は日差しが強く、夜でも 日がなかなか沈まないため、気温の変化に応じた適応が必要である
- 宿泊中はホテルの部屋が暑くなり、窓を開けるとすぐに 非常に冷たい空気にさらされる など、極端な環境を体験する
- 次の目的地へ向かうため、再び空港へ移動する
イルリサット(Ilulissat)訪問と環境の極限性
- 小さな 空港に到着した瞬間に達成感 を覚える
- 空港の外壁にはデンマーク軍のポスターがあるが、実際の外部脅威よりも深刻な 蚊の大群による襲来 など、自然の脅威のほうが際立っている
- 虫よけネット などの特殊装備なしには屋外活動が不可能なほど虫が多い
そり犬と独特の生命観
- ホテル脇のそり犬の群れは 極地特有の管理方式(石に鎖でつながれている)で管理されている
- おとぎ話のような代表的イメージとは異なり、休息時間にはほぼ監禁に近い環境で、飼い主が1日2回訪れて魚の残滓で飼育している
- そり犬の死も やや直接的で冷淡に処理 され、子どもたちにとっては見慣れない経験となる
氷河、クジラ、そして現地の食べ物
- 氷河ツアー では巨大な氷河やクジラの観察、穏やかな海路、氷河のかけらの試食など、風変わりな体験が行われる
- 実際の氷河崩壊イベントはまれで、観光客向けに「生産性の高い」氷河地帯を選ぶような形になっている
- 長くない距離にもかかわらず 車両が多く渋滞が頻繁 で、都市条件上、道路建設が難しく車両価格も高い
- スーパーには輸入加工食品と酒類が中心 で、肉類の多くは個人の狩猟(クジラ、アザラシ、海鳥)で調達される
クジラ・アザラシの摂取と文化・現実の共存
- 狩猟と食材供給は 産業用船舶や機械によって行われており、伝統的な漁業イメージと実際の現実には隔たりがある
- クジラ肉は海の香りがする 鹿肉に似た味 で、地域資源の限界と文化的意味の両方を内包している
旅の総評とグリーンランドの魅力
- 人類の暮らしに最も不向きな環境 であるにもかかわらず、住民たちは驚くほどの適応力を見せる
- グリーンランドは 独特の文化、過酷な自然、そして温かな人間的交流 が共存する場所である
- 意外な体験と 見慣れない風景 を求めるときには適しているが、そり犬やクジラに感情的な愛着を置くことは勧められない
1件のコメント
Hacker Newsの意見
私はノルウェー北部とアイスランドを何度か訪れたことがある。以前SaaS企業を経営していた頃、燃え尽きてしまって本当に遠くへ行きたかったが、状況が悪くなればまた戻れる程度には近い場所である必要があった。同僚がTromsøを勧めてくれて、5日間ひとりで行ってきた。人けが少なく過酷な環境の遠い土地にいると、世界のどこでも味わえない感覚を経験する。自然の前で自分が小さく無意味に感じられ、それでいてむしろ心が静かになるような感覚だった。こういう場所に実際に行く機会があるなら、ぜひ行ってみることを勧めたい。人生を変えうるほど深い変化のきっかけになった経験だ
自分だけがそう感じるのかと思っていたけれど、なぜ自分が辺境に惹かれるのかを本当にうまく言い表してくれている。アイスランド内陸部の旅から始まり、Tromsø、最近ではSvalbardやFaroe Islandsにも行ってきた。Svalbardで感じた孤立の美しさを写真に収めようとしたので、誰かのインスピレーションになればうれしい ここで写真を見る
「小さく感じるからこそ、かえって心が落ち着く」という言葉に完全に共感する。ひとりで山を登っているときに感じたことだが、自分と山だけの世界にいると、ふだん抱えている不満や葛藤、人への否定的な感情がとても取るに足らないものに思えて、そんなことにエネルギーを費やすのさえ惜しく感じる。みんながこういう体験をすれば、世の中の対立はずっと減るのではないかと思った
共有してくれてありがとう。来年の夏至の頃にNesseby, Norwayに3日ほど滞在する予定だ。あまりやることはなさそうだが、そこがむしろこの場所の魅力だと思う。今回の旅が楽しみだ
私もFaroe Islandsで似た感覚を味わった。真夏でも天気はかなり気まぐれだったが、景色は本当に美しく、地元の人たちは静かで親切だった。いつかぜひまた行きたい
さらに極限の自然の中で本当の孤立を体験したいなら、Alaskaとカナダ西部も勧めたい。冬にBritish Columbiaを北へ向かって運転したり、水上飛行機でしか行けないAlaskaの川で釣りをしたり、オーロラを見るために起きたら南の空にオーロラが広がっていたり、金を掘っていたら子グマが何でもないように通り過ぎていったりと、独特な経験ができる。人口密度で比べると、Norwayは1平方キロメートルあたり15人、Albertaは6.7人、British Columbiaは5.5人、Alaskaは0.5人、Yukonは0.1人、Northwest Territoriesは0.03人だ
私は記事で触れられていた通りデンマーク人で、Greenlandで一時期育ったことがある。記事に出てくる場所にもなじみがある。子どもの頃に聞いた、氷河が砕ける雷のような音は動画でも聞けるが、その場で圧倒的な自然を前にして、音を身体で感じるのは、そこでしかできない特別な体験だ。最初はGreenlandにはやることがないのではと心配したが、実際はそんなことはない。地元の人たちは率直で実用的だ。たとえば車が故障すると、レッカー車の代わりに犬ぞりで車を引くこともある。誰もそれを特別なこととは思わない。Greenlandをしっかり楽しみたいなら、地元の人とのつながりが本当に重要だ。海岸沿いには小さな集落が点在していて、ホテルもある。懐かしさから簡単なブログと写真を載せたので、参考までに ブログへのリンク
目の前に広がる広大な光景や、身体で感じる音は、実際にその場へ行って初めて味わえるものだ。私にも人生で最もすごかった瞬間を撮った動画があるが、他の人にはあまり響かなかった。予測されていた小惑星衝突を実際に見に行ったときのものだ。動画ではただのささやかな場面に見えるが、途方もなく大きな宇宙規模の現象をリアルタイムで目撃しているという感覚は、現地で体験しなければ理解できない部分だ。小惑星衝突予測が実際に成功した例はここで確認できる。可能なら近くで直接見ることを勧めたい。氷河の崩壊の話をしてくれてありがとう。寒い国への旅が好きなので、氷河見物が新しいバケットリストになった
ブログの "Wood is by far a ubiquitous material" は、"Wood is far from a ubiquitous material" の誤記ではないか
記事で言及されていた車について説明してほしい
共有ありがとう。ブログにある「if you know where this is」の写真がどこの場所なのか気になる。それと、Greenlandを訪れる前にどうやって地元の人とつながればよいのか教えてもらえるとうれしい
インディアナを「空虚な州」と描写していたのは面白かった。実際には、その区間はインディアナでも最も美しい地域のひとつだと思う。ミシガン湖とDunes沿いのルートは、映画 "Road to Perdition" に出てきたまさにその場所だ。記事の本筋とは関係ない雑談だが、どうしても触れておきたかった
その地域にはGaryもある。私もミッドウェストで育ったが、作者のインディアナの描写にはだいたい同意する。実際、「行く先を探すのに疲れてここに住むことにした」という説明は、ミッドウェストの多くの地域に当てはまる。それは白人入植者の西方拡大の時代に、実際によく起きたことでもある
私もあまり気に入らなかった。今House District 9で州議会議員候補として立候補しているが、ここは本当に美しく、発展している地域だ。やることも見るものもたくさんある
実際のところ、I-94の区間からはDunesも湖も見えない。南インディアナも美しい場所だ。青々とした美しい森や丘、農場が広がっている
インディアナには行ったことがないが、他人の地域をああいうふうに評するのはあまり好きではない。「ここまでしか来られず、くたびれて住み着いた」みたいな言い方は好ましくない。作者がヘミングウェイ気取りなのは勝手だが、実際にその土地の人たちがなぜそこに住んでいるのかについて何を知っていて、ああいう表現をしたのか疑問だ
最近Greenlandに行ってきたが、その描写の部分もやはり好きではなかった
「実のところ、捕鯨者の間では鯨はうまい食べ物とされているが、大きすぎて食べるには持て余す」というHerman Melvilleの "Moby-Dick" からの引用だ
記事では、蚊のせいで顔に虫よけネットをかぶらなければならなかったという話があったが、夏のスコットランドでもこれは普通だ
Googleマップで "Myggedalen(蚊の谷)" がパノラマビュー付きで登録されている。正直でよい
70年代にミネソタ北部で親戚を訪ねたとき、ゴミ捨て場でネズミを撃とうとして銃を構えたのだが、蚊があまりにも大量に群がってきて、銃の照準すら見えないほどだった。すぐ車に逃げ帰ったのを覚えている
スコットランドのミッジがどれほどひどいか、今でも驚かされる。こんな小さな生き物が人の生活をここまで苦しめることがあるのだ。昔の人たちはこういう害虫にどう耐えていたのだろうと思う。スコットランド人がミッジのせいだけでイングランドに降伏して逃げ出してもおかしくない、とまで想像したことがある
「建物がDenmarkを代表していると言いながら木造建築が多いのは、ここが本来そういう場所ではないことを強調しているようだった」という記事の記述を見た。実際には木造建築はデンマークよりもスウェーデンやノルウェーのほうがずっと一般的だ。北極圏では木材は建材としてかなり適している
なぜ木材がよい材料なのか気になる。鋼材や鉄筋コンクリート、安価な波形金属パネルのほうがよさそうに思えるが、いずれにせよ基礎は鉄筋コンクリートであるべきではないのかとも思う
だから "Norwegian wood" という表現があるのだろうか
最近ヨーロッパから戻る便でGreenland上空を飛んだ。上から見下ろしたフィヨルドと氷河の雪景色は本当に美しく、人の痕跡がまったくなくて、アメリカ国内のたいていの僻地でもなかなか見られない風景だ。こういう機会があれば、窓のシェードはぜひ開けて眺めることを勧めたい
シアトル便を使えばグリーンランド北部の上を通るので、観察には最高だ。Copenhagen-Seattle便を勧める
私もこうした経路を飛んだことがあるが、窓の外があまりにまぶしくて、下の景色を細かく見るのが難しかった
「では『氷河とは何か』と気になるなら、グリーンランドには膨大な氷があり、それが海へ流れ出て一部が砕け落ちる」という記事の説明は不正確で不十分だ。氷河は本当に魅力的で、大きさや構造、内部の洞窟、水の流れなど、さまざまな美しさがある。以前カヤック・キャンプをしたとき、5階建てのビルほどもある氷の塊が海へ崩れ落ちるのを目の前で見たことがあり、本当に胸が高鳴った。遠くから30分おきに響いてくる氷河の鳴動を聞きながら眠りについた夜もあった。心を開いていれば、どこにでも美しさと驚異を見いだせる。アラスカの蚊でさえ、見慣れた自然環境の一部にすぎない
この記事は楽しく読んだ。Idle Words(マクシムのブログ)の旅行記事を思い出した。特にMcMurdoでのShuffleboardの旅行記は本当に名作だ Shuffleboard At McMurdoを見る
カナダ北部でとても辺鄙な小屋を建てている "Off Grid Engineering" というYouTuberがいる。この人も似たような語り口を持っていて、本当におすすめだ
私も同じことを思った。Maciejの旅行記に似ていて、とても楽しく読めた
ミニマルで不毛だが、高山砂漠で見られるような厳しい美しさを感じる。ただし、それが雪に覆われた風景なのだ。岩の上に建てられた家々の鮮やかな色彩、赤い苔がサンゴ石に撒かれたような様子、霧の中で陽が差したときに光る観光船の赤い帆、膨大な量の氷河とフィヨルドの河口を流れ出る雪と氷の密度、溶けながらひっくり返る氷山の光景などは本当に印象的だ。建築的な美しさを期待する場所ではないが、こうした苛烈な美しさそのものが、決して過小評価できない魅力を持っている