- OpenAIとNvidiaを中心とする大規模な循環投資構造が、1兆ドル規模のAIブームを人為的に膨らませているとの懸念が浮上
- NvidiaはOpenAIに最大1000億ドルを投資し、OpenAIはその後、数百万個のNvidia製チップを購入するなど、相互依存的な取引関係が形成
- OpenAIがNvidia、AMD、Oracleと締結したAIコンピューティング契約の規模は合計1兆ドルを超える可能性がある一方、2020年代末まではキャッシュフロー黒字化を見込んでいない
- こうした循環取引の構造はドットコムバブル期のパターンに類似しており、CoreWeave、xAIなど多くの企業の命運が絡み合っているため、AIバブル崩壊時の連鎖リスクが高まる
- 企業側は前例のないAI需要を満たすための不可欠な関係だと主張するが、実際には収益化より支出が先行しており、市場の安定性への疑問が続いている
OpenAIとNvidiaの循環取引構造
- Nvidiaは2週間前、OpenAIに最大1000億ドルの投資を約束し、データセンター構築資金を支援
- OpenAIはその施設を数百万個のNvidia製チップで埋めることを約束
- この取引は即座に「循環的」だと批判された
- OpenAIは今週、AMDとも同様の契約を締結
- 数百億ドル規模のAMD製チップの配備契約
- OpenAIはAMDの主要株主の一つになる見込み
前例のない投資規模と未検証の収益性
- 収益創出手段としては大半が未検証の技術に、これほどの速度で巨額資金が投じられた例はない
- こうした投資の多くはNvidiaとOpenAIの2社にたどり着く
- OpenAIがNvidia、AMD、Oracleと締結したAIコンピューティング契約の総額は1兆ドルを容易に超える可能性がある
- OpenAIは現金を急速に消費しており、2020年代末までキャッシュフロー黒字化を見込んでいない
- MorningstarのアナリストBrian Colelloは「1年後にAIバブルが崩壊するとすれば、この取引は初期の手がかりの一つかもしれない」と警告
複雑に絡み合うAI取引ネットワーク
- Nvidiaは数十社のAIスタートアップに資金を投入し、市場を下支え
- その大半のスタートアップは、モデルの開発や運用をNvidia GPUに依存
- OpenAIとNvidiaによる1000億ドルの投資契約発表の翌日、OpenAIはOracleと3000億ドル規模のデータセンター建設契約を締結
- Oracleはその施設向けに数十億ドル規模のNvidia製チップを購入する予定
- 資金が再びNvidiaへ流れ戻る構図が生まれる
- Oracleのクラウド事業の利益率が予想より低いとの報道で懸念が拡大
- Nvidiaチップ搭載サーバーの貸し出しで約9億ドルの売上を生んだが、売上1ドル当たりの粗利益は14セントにとどまった
追加の循環取引の事例
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Elon MuskのxAI
- NvidiaはElon MuskのxAIに最大20億ドルの出資を計画
- xAIの資金調達総額は200億ドル規模
- 約75億ドルのエクイティと最大125億ドルの負債で構成
- 特別目的事業体(SPV)を通じてNvidiaプロセッサを購入し、xAIが5年間チップを賃借する構造
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CoreWeave
- NvidiaはCoreWeaveのIPOで7%の持ち分取得により支援
- NvidiaはCoreWeaveから63億ドル規模のクラウドサービスを購入する契約
- CoreWeaveはNvidia製チップへのアクセスを貸し出す事業を展開
- OpenAIはCoreWeaveからIPO前に3億5000万ドルの出資を受けた
- 最近、CloudWeaveとのクラウド契約を最大224億ドルに拡大
- 再びOpenAIとNvidiaが緊密につながる構図が生まれる
業界と政府の反応
- テック業界の経営陣は、こうした非伝統的なビジネス関係が不可欠だと主張
- AMD CEOのLisa SuはOpenAIとのパートナーシップを「好循環のポジティブなサイクル」と表現
- OpenAI共同創業者のGreg Brockmanは、莫大な計算需要を満たすために**「業界全体の取り組み」**が必要だと言及
- ワシントンでは、中国との地政学的競争における重要分野とみなし、自由放任的な姿勢を採用
- ホワイトハウスのAI・暗号資産責任者David Sacksは「米国企業の成功を望んでいる」と述べた
- トランプ政権は、Intel株の保有や、NvidiaとAMDの対中チップ販売収益の15%を徴収する計画により、AI投資ネットワークとつながっている
ドットコムバブルとの類似性
- 一部のアナリストや学術専門家は、ドットコムバブルとの不穏な類似点を指摘
- Harvard Kennedy SchoolのシニアリサーチャーPaulo Carvao
- 「1990年代後半の循環取引は、スタートアップ同士の広告やクロスセルが中心で、企業同士が互いのサービスを購入して成長を水増ししていた」
- 「現在のAI企業は実体ある製品と顧客を持っているが、それでもなお支出が収益化を先行している」
- Nvidiaの広報担当者は「投資先企業にNvidia技術の使用を要求していない」と述べたが、OpenAIはコメント要請に応じなかった
AI企業の資金調達戦略
- 有力AI企業はドットコム時代のスタートアップをはるかに上回る資金を費やしている
- OpenAI CEOのSam Altmanは、先端AIモデルを支える物理インフラ構築に**「数兆ドル」規模の投資**を見込む
- 一度も利益を出したことのないスタートアップにとっては、なおさら困難な目標
- ベンチャーキャピタル、負債、さまざまな企業との創造的なパートナーシップを組み合わせて達成する計画
- 以前はMicrosoft、Amazon、Alphabet傘下のGoogleといったビッグテックとの投資契約に主に依存
- ビッグテック各社は、AIスタートアップにクラウドコンピューティングサービスを販売することで恩恵を受けてきた
- 現在はOpenAIやxAIのようなAI開発企業が負債市場で数十億ドルを調達し、AIインフラ計画の資金を確保している
Nvidiaの積極的な投資拡大
- Nvidiaは世界で最も価値の高い企業として浮上(時価総額4.5兆ドル)
- 先端AIチップ市場の支配的企業として、AIの波に乗って急成長
- Nvidiaは2024年、AI企業向け52件のベンチャー投資に参加
- Nvidia CFOのColette Kressは9月のGoldmanカンファレンスで、**「エコシステムの最も戦略的な部分」**に現金を投じる意向を表明
- スタートアップ投資に加え、CoreWeaveのようなパートナーも支援
- 顧客が使わない余剰クラウド容量を買い取ることで合意
市場見通しと懸念
- Bernstein ResearchのアナリストStacy Rasgon
- Altmanは「今後10年で世界経済を壊すか、私たち全員を約束の地へ連れていくかの力を持っている」
- 「今どちらの結果になるかは分からない」
- Altmanは開発者向けイベントで、自社の財務について簡潔に言及
- 「いつかは非常に収益性の高い会社にならなければならず、そうなると確信していて、忍耐強く構えている」
- 「ただ、今は投資と成長の段階だ」
- CoreWeave CEOのMichael Intratorは、循環金融への懸念を認めた
- より多くの企業がAIを導入すれば、公然たる懸念は薄れると主張
- 「Microsoftが365やCopilotを利用する顧客に提供するためのインフラを買いに来るとき、循環金融の物語は気にしない」
- 「彼らにはそれを消費する最終利用者がいる」
3件のコメント
OpenAIがストックオプションを受け取る見返りにAMD製チップを買うとかで株価が急騰していましたが、逆にOpenAIの業績悪化や成長鈍化のニュースが出たら、どこまで一緒に影響を受けるのか見当もつかないんですよね。2008年のサブプライムローンのときみたいに、ビッグテックもAI企業もみんな完全に連動しているように見えます。
OpenAI、Nvidia、AMDの循環投資取引が業界の懸念を招く理由
OpenAIは取引がうまい
Hacker Newsの意見