- ワシントン州の Sedro-Woolley市とStanwood市 は、Flock Safetyのカメラデータを公文書法(Public Records Act)の適用対象から除外してほしいと求めたが、裁判所はこれを 棄却
- Flockのカメラは、車両の画像やナンバープレート、色、モデルなどをAIで識別し、データは 30日後に削除 されると同社は説明
- 両市は、市民Jose Rodriguez が特定時間帯のカメラ映像を請求したことを受け、データの法的地位を明確にするため 確認判決(declaratory judgment) を申請
- 裁判所は、データが 政府目的に使用される情報 として公文書法の適用を受け得ると判断し、第三者が保有する資料も公文書とみなされ得る ことを引用
- 今回の判決は、AIベースの監視データの公開範囲とプライバシー保護の境界 をめぐる議論において重要な先例として機能
裁判所の判断の概要
- Skagit County上級裁判所のElizabeth Neidzwski判事 が、Sedro-Woolley市とStanwood市の要請を 棄却
- 両市は、Flock Safetyカメラの データと画像は公文書ではなく、仮に公文書であっても 公開は公益に反するか、情報機関の情報として免除されるべきだ と主張
- 判事はこれらの主張を退け、公文書法の適用対象からは除外されない と判断
Flock Safetyカメラの機能とデータ管理
- Flock Safetyのカメラは、通過する車両の画像を記録し、AIを用いて車両のメーカー、モデル、色、ナンバープレート を識別
- 会社側は、データを30日後に削除する と説明
- Sedro-Woolley警察とStanwood警察を含む 複数の法執行機関が利用中
- 法執行機関は、このデータへのアクセスは 行方不明者の捜索など、積極的な捜査状況に限られる と説明
事件の背景
- Jose Rodriguez が両市に対し、Flockカメラ映像の公開を請求
- Stanwoodでは3月30日午後5時〜6時、Sedro-Woolleyでは5月5日午後5時〜5時30分の映像を請求
- Stanwood警察はRodriguezに対し、データ保有主体はFlock Safetyだ として同社ウェブサイトを案内
- Sedro-Woolley警察は、データの法的地位を確認するため裁判所の判断を求める と通知
- 両市は訴訟中、Flockカメラを一時停止
双方の法廷での主張
- 市側の弁護士 Emily Guildner は、データが 警察が即時にアクセスできない形態 であるため、公衆に公開されるべきではないと主張
- もし公開されれば、市民のプライバシー侵害が拡大する可能性がある と懸念
- Rodriguez側の弁護士 Timothy Hall は、Flockデータは 政府目的に使用される情報 であるため公文書法の適用対象だと反論
- 2015年のCedar Grove Composting対Marysville市事件 を引用し、第三者が作成して政府と共有した文書も公文書に当たると説明
追加の論点と複雑さ
- ワシントン大学の研究「Leaving the Door Wide Open」 によると、米国国境警備隊(U.S. Border Patrol) がワシントン州内17機関のFlockデータを検索しており、その大半は 各機関が把握しないまま行われていた
- こうした 移民取締りに関する懸念 が、データ公開の是非をさらに複雑にしている
- 判事は、AI要素がさらなる複雑性を生んでいる と言及
事件の意味
- 今回の判決は、AIベースの監視システムのデータが公文書とみなされ得ることを確認した事例
- プライバシー保護と公共の透明性のバランス をめぐる今後の議論に影響を与える可能性
- 原文に追加情報なし
1件のコメント
Hacker Newsの意見
このような記録は公開の例外対象であるべきではないのが当然だと思う
第三者が収集したものであっても、地方政府や法執行機関の要請により、公的資金で実施されたサービスであれば公開対象であるべきだ
理由もなく24時間監視するカメラネットワークが民間企業によって運用され、政府機関が自由にアクセスできるのは到底受け入れられない
ただし立法者たちも、政府の監視がここまでディストピア的に発展するとは想像していなかったはずだ
もしこのようなカメラが裁判所の内部に設置されていたら、結果は違っていたかもしれない
うちの近所の3つの出入口それぞれにこうしたカメラが設置されている
保安官に、州全体の外出禁止命令をこうしたカメラで取り締まれるのかと聞いたところ、結局「理論上、犯罪であれば可能」という答えだった
こうしたシステムが維持費によって持続不可能になるまでは、私たちの移動データは警察・情報機関・データブローカー・詐欺師たちに永久に掘り起こされ続けるだろう
私の地域にもHOAや商業施設などが設置したFlockカメラがかなりある
こうしたものはFOIA(情報公開法)の対象ではなさそうだが、警察がそのデータを見られるのか気になる
裁判所命令がない限り警察はアクセスできないはずだが、一部ではオプトアウト設定によってアクセス可能になるかもしれない
CNNの記事を見ると、こうしたデータがどのように法違反なしで収集されたのか疑問だ
機関が自ら監視できないので、すでにデータを収集中の民間企業から購入するという形だ
直接依頼するのは違法でも、すでに市場が存在するならそのデータを買うのは合法だ、というようなグレーゾーンが存在する
運転データはあまりにセンシティブで公開すると危険だという人もいるが、だとすれば、そもそもそれを無制限に収集すること自体が危険だ
だから今回の判決は前向きに受け止めている
自分の運転情報が公開されるのは嫌だが、そうであれば皆の情報が等しく公開されるべきだ
たとえば報道機関が政治家や富裕層の車両移動を記録すれば、そのとき初めて立法者たちはこうしたシステムに反対し始めるだろう
記事タイトルが長すぎてHNに全部載せられなかった
要点は「裁判所がFlock Safetyのカメラデータを公文書法の例外とは認めなかった」ということだ
判決文を直接探した人がいるのか気になる
Skagit County高等裁判所の事件番号252007173のようだが、情報がほとんどない
ワシントン州裁判所検索ページに事件番号を入れると、「保管済み、記録なし」と表示される
警察はデータをローカルに保存していないと言っていたが、私が働く都市の警察システムを見ると、Flockがローカルの記録管理システムと統合されている
実際には一定期間データを保持している可能性が高い
ただしほとんどの州では30日以下の保存規定があるため、情報公開請求は早めに行うべきだ
「451: 法的理由によりアクセス不可」というメッセージが出る
欧州経済領域(EEA)からアクセスするとGDPRのためにブロックされるという内容だ
結局、本当の理由が法律ではないことを示している