- ValveのSteam Deck向けに設計されたSCX-LAVD Linuxスケジューラが、Metaの大規模サーバー環境でも効果的に動作することが明らかになった
- このスケジューラはゲーム機レベルの効率的なリソース管理を目標に設計されたもので、Metaはこれを通じてサーバーワークロードの性能向上とレイテンシ最小化を目指している
- 携帯型ゲーム機向けのLatency-criticality Aware Virtual Deadline構造が、ハイパースケールサーバーでも性能と安定性を示した
- 既存のEEVDFスケジューラと比べて同等またはより良い性能を示し、さまざまなハードウェア構成に適応できる
- MetaはSCX-LAVDを特定用途向けではない標準サーバースケジューラ候補として検討している
- ゲームハードウェア向け技術が大規模データセンターへ拡張された珍しい事例
Linux Plumbers Conference 2025 発表の背景
SCX-LAVDスケジューラ概要
- SCX-LAVDはLatency-criticality Aware Virtual Deadlineスケジューラとして設計されている
- ValveのSteam Deck環境で低レイテンシと安定した性能を目標に開発された
- Linux sched_extフレームワーク上で動作する拡張型スケジューラ構造を採用
- Metaはこれによりレイテンシ低減、性能一貫性の向上、サーバー効率の改善を期待している
- Valveの設計はゲーム向けリアルタイム処理要件に合わせられているだけに、サーバーでも継続的な負荷管理に有利な構造となっている
Metaのサーバー環境での適用結果
- Metaサーバーの多様なCPUおよびメモリ構成でも安定した動作を確認
- CCXおよびLLC境界間でのロードバランシング性能が優れていた
- 特定ワークロード向けに最適化されたスケジューラを必要としない環境では、標準的な選択肢として適している
既存スケジューラおよび他の活用事例
- SCX-LAVDはEEVDFスケジューラと比較して同等またはそれ以上の性能を示した
- CachyOS Handheld Edition、BazziteなどのLinuxゲーム環境でもすでに活用されている
- IgaliaがValveとの契約を通じて開発を主導したスケジューラである
Metaの今後の活用方針
- MetaはSCX-LAVDを「Meta’s New Default Scheduler」と呼んでいる
- 大規模サーバーフリート全体で汎用的に適用可能なスケジューラとして評価中
- 追加の研究内容と性能分析はLPC発表動画とスライド資料で公開されている
1件のコメント
Hacker Newsの意見
WindowsゲームをLinuxで動かすためにProton/Wineは大きく進化し、Steam DeckのおかげでWaylandのHDR・VRR対応も実現した
フレームペーシング改善のために作られたスケジューラが、今ではMetaのデータセンターでも使われている
結局、Metaのサーバー効率はValveがElden Ringのフレーム落ちを減らすためにIgaliaへ資金を出したおかげで向上したことになる。これこそ本当のオープンソースの好循環だ
関連告知: Steam Community Announcement
数多くのソフトウェア・ハードウェア最適化はゲーム開発から生まれてきた
最近RAM価格も上がっているので、再び最適化重視へ戻り、業界全体の不要な負荷を減らしてほしい
Valveが自ら動くまでは、こうした問題を解決する主体がいなかった
待つより自分で変えるほうがはるかに良いと思う
昔からゲーム開発は常にソフトウェア最適化の最前線だった
Protonも似た形で作られたと聞く。Valveは社内人員より外部契約を多く活用しているようだ
Googleなどさまざまな企業と協業し、複雑な支払い・福利厚生の問題を効率的に処理している
この構造がコスト効率に優れ、高品質な結果を出せる理由だと思う
もちろんValveに論争がないわけではないが、良い点と悪い点の両方を認めるべきだ
そのため正社員を増やすより契約者を拡張するほうがずっと容易だ
DirectX→Vulkan、OpenGL→Vulkan変換のような特殊技術分野はIgaliaのような組織に委託している
こうした固定的で難度の高いプロジェクトは、どんな会社でも外部委託するのが合理的だ
複数企業が協力し、共同GitHubリポジトリで一緒に開発を進めている
Windows 10のサポート終了で、もうLinuxへ完全移行しようとしている
アップデートしても相変わらず重く、管理もしづらい
その上で全部の作業をするのは少し奇妙に見える。Steam DeckでExcelを使うような感じだ
Metaも社内サーバーで使うだけなら、独自パッチを当てたLinuxを非公開のまま維持できる
相互に影響を与え合う構図だ
こうした試みがどう始まったのか気になる
大企業でもこういう形でイノベーションは起きる
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Meta規模なら実際の削減効果はさらに大きい
最近、Kubernetes専用OSがAndroidのようにアップデートを適用するのを見た