20 ポイント 投稿者 GN⁺ 2025-12-24 | 1件のコメント | WhatsAppで共有
  • ValveのSteam Deck向けに設計されたSCX-LAVD Linuxスケジューラが、Metaの大規模サーバー環境でも効果的に動作することが明らかになった
  • このスケジューラはゲーム機レベルの効率的なリソース管理を目標に設計されたもので、Metaはこれを通じてサーバーワークロードの性能向上レイテンシ最小化を目指している
  • 携帯型ゲーム機向けのLatency-criticality Aware Virtual Deadline構造が、ハイパースケールサーバーでも性能と安定性を示した
  • 既存のEEVDFスケジューラと比べて同等またはより良い性能を示し、さまざまなハードウェア構成に適応できる
  • MetaはSCX-LAVDを特定用途向けではない標準サーバースケジューラ候補として検討している
  • ゲームハードウェア向け技術が大規模データセンターへ拡張された珍しい事例

Linux Plumbers Conference 2025 発表の背景

  • Tokyoで開催されたLinux Plumbers Conference 2025で、Metaのエンジニアが関連内容を発表した
  • 発表タイトルは「How do we make a Steam Deck scheduler work on large servers」で、携帯型デバイス向けスケジューラをサーバーへ拡張する過程を説明
  • Steam Deck向けに設計されたスケジューラをサーバー環境に合わせて検証・調整した経験を共有

SCX-LAVDスケジューラ概要

  • SCX-LAVDはLatency-criticality Aware Virtual Deadlineスケジューラとして設計されている
  • ValveのSteam Deck環境で低レイテンシ安定した性能を目標に開発された
  • Linux sched_extフレームワーク上で動作する拡張型スケジューラ構造を採用
  • Metaはこれによりレイテンシ低減性能一貫性の向上サーバー効率の改善を期待している
  • Valveの設計はゲーム向けリアルタイム処理要件に合わせられているだけに、サーバーでも継続的な負荷管理に有利な構造となっている

Metaのサーバー環境での適用結果

  • Metaサーバーの多様なCPUおよびメモリ構成でも安定した動作を確認
  • CCXおよびLLC境界間でのロードバランシング性能が優れていた
  • 特定ワークロード向けに最適化されたスケジューラを必要としない環境では、標準的な選択肢として適している

既存スケジューラおよび他の活用事例

  • SCX-LAVDはEEVDFスケジューラと比較して同等またはそれ以上の性能を示した
  • CachyOS Handheld Edition、BazziteなどのLinuxゲーム環境でもすでに活用されている
  • IgaliaがValveとの契約を通じて開発を主導したスケジューラである

Metaの今後の活用方針

  • MetaはSCX-LAVDを「Meta’s New Default Scheduler」と呼んでいる
  • 大規模サーバーフリート全体で汎用的に適用可能なスケジューラとして評価中
  • 追加の研究内容と性能分析はLPC発表動画スライド資料で公開されている

1件のコメント

 
GN⁺ 2025-12-24
Hacker Newsの意見
  • Valveが事実上、Linuxエコシステムの発展を単独で牽引している
    WindowsゲームをLinuxで動かすためにProton/Wineは大きく進化し、Steam DeckのおかげでWaylandのHDR・VRR対応も実現した
    フレームペーシング改善のために作られたスケジューラが、今ではMetaのデータセンターでも使われている
    結局、Metaのサーバー効率はValveがElden Ringのフレーム落ちを減らすためにIgaliaへ資金を出したおかげで向上したことになる。これこそ本当のオープンソースの好循環だ
    • ゲームのフレーム落ちを減らそうとした結果、オープンソースのグラフィックススタック向けシェーダーコンパイラが最適化された成果も得られた
      関連告知: Steam Community Announcement
    • ゲーム開発は今もなお過小評価されている分野
      数多くのソフトウェア・ハードウェア最適化はゲーム開発から生まれてきた
      最近RAM価格も上がっているので、再び最適化重視へ戻り、業界全体の不要な負荷を減らしてほしい
    • デスクトップ志向のLinuxディストリビューションは数多くあったが、多くは「技術的には可能だが、不便さを受け入れなければならない」状態だった
      Valveが自ら動くまでは、こうした問題を解決する主体がいなかった
    • 時間がたてば、ValveはMicrosoftが長年先送りしてきたことにまで手を付けそうだ
      待つより自分で変えるほうがはるかに良いと思う
    • ゲームのおかげでGPU業界はAIブームを迎える準備ができていた
      昔からゲーム開発は常にソフトウェア最適化の最前線だった
  • ValveがIgaliaのようなコントラクター中心の構造でLinux関連開発を進めている点が興味深い
    Protonも似た形で作られたと聞く。Valveは社内人員より外部契約を多く活用しているようだ
    • Igaliaは複数企業によるオープンソース開発スポンサーシップを組織的に管理するユニークな会社だ
      Googleなどさまざまな企業と協業し、複雑な支払い・福利厚生の問題を効率的に処理している
    • Valveは社内ではゲーム・ハードウェア・配信にだけ集中し、それ以外の領域は専門の契約先に委任している
      この構造がコスト効率に優れ、高品質な結果を出せる理由だと思う
      もちろんValveに論争がないわけではないが、良い点と悪い点の両方を認めるべきだ
    • Valveは約350〜400人規模の小さなフラット組織
      そのため正社員を増やすより契約者を拡張するほうがずっと容易だ
    • ProtonはValve社内の開発者、CodeWeavers、コミュニティが一緒に作ったプロジェクトだ
      DirectX→Vulkan、OpenGL→Vulkan変換のような特殊技術分野はIgaliaのような組織に委託している
    • Valveはできる限り人員を最小化しようとする傾向がある
      こうした固定的で難度の高いプロジェクトは、どんな会社でも外部委託するのが合理的だ
  • sched_extはMetaで開発されたスケジューラだ
    複数企業が協力し、共同GitHubリポジトリで一緒に開発を進めている
  • Linuxでゲームストリーミングがどれほど快適なのか気になる
    Windows 10のサポート終了で、もうLinuxへ完全移行しようとしている
  • 4か月間Bazzite Desktopをメインで使っているが、今ではWindowsは事実上見捨てられたソフトウェアのように感じる
    アップデートしても相変わらず重く、管理もしづらい
    • Bazziteはゲーム中心のディストリビューションではないのか?
      その上で全部の作業をするのは少し奇妙に見える。Steam DeckでExcelを使うような感じだ
  • オープンソースの魔法は、Valveがエンタープライズライセンスのようなものを要求しない点だ
    • その通りだが、Red HatはRHELバイナリを配布しない限りソースコードを公開する義務はない
      Metaも社内サーバーで使うだけなら、独自パッチを当てたLinuxを非公開のまま維持できる
    • 携帯型コンソール向けのスケジューラがFacebookのサーバーでもうまく動くのは驚きだ
    • 逆にSteamOSや複数のLinuxディストリビューションがMetaのKyber IOスケジューラを取り入れてマイクロスタッターを解消している
      相互に影響を与え合う構図だ
    • 考えてみれば、Steamでゲームを買うときに払う30%の手数料が一種のライセンス料なのかもしれない
  • MetaがValveのスケジューラをサーバーへ適用したというのは興味深い
    こうした試みがどう始まったのか気になる
    • おそらく、あるエンジニアが試して性能向上を見つけ、ボトムアップで広がった結果なのだろう
      大企業でもこういう形でイノベーションは起きる
  • Phoronixの記事より元の動画を見るほうが良いと思う
    YouTubeリンク
    • YouTube動画を一次資料として信用しない瞬間、人生はずっと楽になる
    • Phoronixをブログスパム呼ばわりするとは意外だ
  • Metaはどんな超低遅延ワークロードを回しているから、こんなスケジューラが必要なのか気になる
    • 動画によれば、WhatsAppのErlangワーカーがサブミリ秒の遅延を求めている
    • おそらく広告オークションシステムのためだろう
    • Metaのような巨大企業では、遅延はそのままビジネス損失につながる
    • Metaは常に「できるだけ速く」を目標にしていて、必要以上のこともある
    • サーバー5万台のうち1%減らせるだけで500台削減、1台8,000ドルなら年間400万ドルの節約になる
      Meta規模なら実際の削減効果はさらに大きい
  • サーバーワークロードが別分野のアイデアを取り入れるのは興味深い
    最近、Kubernetes専用OSがAndroidのようにアップデートを適用するのを見た
    • それはimmutable systemのことを言っているのか、と聞き返したくなる