Appleのアイコンを逆順に並べると、デザイン力がだんだん向上していく人のポートフォリオのように見える
(mastodon.social)- Appleのアプリアイコンの変遷を逆順に並べたところ、まるでデザイナーが少しずつ腕を上げていく過程のように見えるという投稿が話題に
- 複数のユーザーが**スキューモーフィズム(skeuomorphism)**時代のアイコンを高く評価し、最近の単純化されたデザインを批判
- 一部はアイコンを機能的な道具と捉え、「良いアイコンとは単に使いやすいものだ」と主張する一方、別の人々は芸術性と個性を重視
- 議論はアクセシビリティ、直感性、ユーザーの選択権などへと広がり、アイコンの美学と実用性のあいだのバランスをめぐる話へ発展
- この論争は、デジタルデザインの方向性とユーザー体験の本質をあらためて問い直す契機として注目を集める
Héliographeの原文投稿
「Appleのアイコンを逆順に並べると、アイコンデザインの腕がだんだん上達していく人のポートフォリオのように見える」
- 投稿には、Appleの複数世代のアイコン画像(逆順に並べたもの)も添付
- この投稿は1,300回以上ブーストされ、2,100回以上お気に入り登録されるなど大きな反響を呼ぶ
初期反応とノスタルジー
- 多くのユーザーが過去のOS X Panther、Leopard時代のアイコンに言及し、当時のデザインの質感を「おいしそう」「大胆な色のコントラスト」と表現
- 一部では「インク瓶と万年筆のアイコンが最も美しい」と評価
- 「Appleはアイコンの選択オプションを提供すべきだ」という意見も出る
アイコンの機能性と哲学をめぐる論争
- John Timaeusは「アイコンは道具であって芸術ではない」と述べ、良いアイコンは単に機能的で、一貫していて、予測可能であるべきだと主張
- 「アイコンはハンマーやジッパーのように偉大になれるものではなく、ただ役に立つか立たないかだけだ」と説明
- 「形態は機能に従う(Form should always follow function)」という原則を強調
- これに対し別のユーザーたちは、「ドアノブやエレベーターのボタンだって美しくなり得る」と反論
スキューモーフィズムと現代デザインの対比
- 多くのユーザーがスキューモーフィックデザインを擁護し、「昔のアイコンは直感的で覚えやすかった」と評価
- 一方で最近の**『四角+円』型の単調なアイコン(squircle)**については、「どれも同じに見えて見分けにくい」との批判が上がる
- 一部の開発者は「強制されたアイコンの統一性は権威主義的で、創造性を抑圧する」と表現
アクセシビリティと認識をめぐる議論
- 視覚障害やロービジョンのユーザーを考慮した明暗、色、形の認識しやすさについての議論が続く
- あるユーザーは「明るいオレンジ色のコントラストはロービジョンの人に有利だ」と言及
- 別のユーザーは「色に依存したデザインは色覚異常のユーザーに不利だ」と反論
- アイコンとテキストの併記の必要性、フォントサイズと可読性の問題も議論される
直感的デザインと単純化の境界
- 一部は「直感的デザインは単純化とは違う」として、Appleがユーザーの選択権を制限していると批判
- 別のユーザーは「単純さは高齢のユーザーにとってアクセシビリティを高める」と反論
- 議論は「合理的なデフォルト(sensible defaults)」とユーザーごとのカスタマイズ性のバランスへと収束
結論的な流れ
- 議論全体を通じて、アイコンは芸術性と機能性のあいだの緊張関係の上に存在するという共通認識が見られる
- Appleのデザイン変化は、単なる美的論争を超えてユーザー体験、アクセシビリティ、ブランドの一貫性をめぐる複合的な問題へと広がる
- それによって、デジタルインターフェースの本質的な目的、すなわちユーザーが即座に理解して使える視覚言語、があらためて照らし出される
6件のコメント
デザインの腕前が上がっているのではなく、イラストの腕前が上がっているということだろう。
> あるユーザーは「明るいオレンジ色のコントラストは低視力者に有利だ」と言及
> 別のユーザーは「色に依存するデザインは色覚異常のユーザーに不利だ」と反論
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私はスキューモーフィックデザインが好きです。高齢の方々もアイコンを直感的に見つけやすかったです。
> 意味が分からなくても一度クリックすればすぐ理解できて、その後は見分けがつけば十分。
最近は慣れてきた頃にデザインが変わるので。
経験の浅いジュニアが、一度に情報を詰め込みすぎようとしている感じに見えるけど……
Hacker Newsのコメント
誰かのイラストレーションの腕前がだんだん上がっていったように見える
昔のアイコンのほうが、イラストとしてはずっと優れていた
ただしアイコンデザインは単なる絵ではなく、明確さと直感性の問題でもある
アイコンは他のアプリアイコンと並んでUXの一部として存在するので、認識しやすさが重要になる
結局、いちばん良かった時期はタイムラインの中ほどだった気がする
初期のアイコンは絵画的すぎて認識しづらく、最近のアイコンは単純すぎて認識しづらい
中期のアイコンは色と形が明確で、ブランドのアイデンティティもうまく表れている
デザインの過程は楽しかったが、とても大変だった
記号の意味やスタイルについて人それぞれ意見が違うので、一貫性が崩れ、時間の無駄も多かった
結局、自分ひとりで全部を作り直し、色彩科学も参照して判断した
完成後はユーザー満足度も高く、Inkscapeとスクリプトを使ってビルドも自動化した
Gitリポジトリも体系的に管理した
母に「ペンと紙があるアイコンを押して」と説明できるくらい明確だった
今のアイコンは完全に曖昧だ
昔はそれぞれのアイコンが独特で、認識しやすかった
今はどれも似て見えて区別しにくい
シンプルで明確で、個性がある
真ん中のものも悪くない
左へ行くほど、アイコンは色と形に依存するようになる
しかし色と形には限りがあるので、再利用が増えて誤認も増える
特に視覚障害者や高齢者、ニューロダイバーシティのあるユーザーには不利だ
アイコンで重要なのは固有性だ
右側のスキューモーフィックなアイコンだけが、識別できるほど十分に独特だ
流行を追う視覚トレンドは、複雑なシステムの機能性には何の助けにもならない
GoogleのAndroidアプリはどれも同じ4色のレインボーパレットを使っていて、色でも形でも見分けにくい
単純な形に強い対比色を当てるとシルエットが崩れ、一目で認識しにくくなる
まるで意図的にアイコンの機能的価値をなくそうとしているように見える
自分のツイートがここまで広がるとは思わなかった
私はアーティストで元Appleのデザイナーでもあり、良いアイコンとは何かについてよく考えている
Mac HIGガイドラインによれば
アプリアイコンは、そのアプリが作成する文書を明確に表現し、アプリの機能を視覚的に伝えるべきだという
今は文書中心の世界ではないので最初の基準は古くなっているが、2つ目の基準は今でも有効だ
その基準で見ると、Mavericks/Catalinaのアイコンが最も強い
Big Sur版も悪くないが、だんだんワードプロセッサらしさが薄れている
最近の3つは単純すぎて擁護しにくい
単純さのおかげでシステム内の一貫性はあるが、認識性はむしろ下がっている
昔のインク瓶のアイコンには細やかな職人技が感じられ、今でもクラシックだ
アイコンは素早く認識されるべきだが、同時にグリフではなく小さなイラストとしての役割もある
Appleがもうこうした水準の職人技を維持できていないのは残念だ
タイムラインをもっと昔まで広げてみたことがあるのか気になる
最近のアイコン専用ツールバーやリボンメニューを見ると、まるで中国語を不器用に再発明しているようだ
いっそ絵のアイコンに戻すか、漢字をそのまま使ったほうがいい気さえする
昔のスキューモーフィックなAppleアイコンは互いに見分けやすく、それでいてAppleらしさも保っていた
ペンとインクのアイコンは、手書きにかかる時間と労力を思わせる視覚的な詩だった
今のフラットデザインでは、そうした情緒が消え、ブランドの一貫性だけが残っている
アイコンがアプリの機能を直感的に示すべきだという主張には疑問がある
アイコンの目標は互いに区別できることだ
意味が分からなくても一度クリックすればすぐ分かるし、その後は区別できれば十分だ
たとえば「Drive」や「Store」といった単語を視覚的に読むように機能する
今のAppleは芸術性より可読性と一貫性を重視している
iOSの新しい視覚効果は複雑なデザインと相性が良くない
Appleのデザインガイドラインによれば
シンプルなアイコンが最も理解しやすく、認識しやすいという
私はこの哲学を試すため、アイコンを純粋な装飾物として展示するアプリ「001」を作った (001.graphics)
新しいUI効果を先に作り、その効果に合わせるために「細密なデザインは悪い」とガイドラインを書き換えたように感じる
あまりに汎用的で印象に残らない
その次のバージョンからは、むしろ見分けにくくなっていった
私はスキューモーフィックデザインが好きだが、インターフェース全体がそうなると時代遅れに見えることもある
個人的には中間あたりのデザインが最もバランスが取れている
右側の3つは確かに時代の痕跡が強い
重要なのは明確さと使いやすさだ
ボタンの陰影だけで押下状態を表現していたが、過度な写実主義ではなかった
AppleはiTunesやGame Centerのようなアプリで過剰なスキューモーフィズムを採用し、かえって混乱を招いた
たとえばガラスのカバーの下のLCDのように見える領域にクリック可能なコントロールを隠していたのは最悪の例だった
デザイン理論的には新しいアイコンのほうが優れているのかもしれないが、最初のアイコンのほうがユーザーにはずっと直感的だった
電話で「ペンが刺さったインク瓶のアイコンを押して」と説明できた
万年筆とインク瓶はもうずっと前に姿を消した道具なので、ヒップスターっぽい感性にも感じられる
ただ、名前を知ればアイコンの意味はすぐ学習できるので、大きな問題ではないかもしれない
Kid Pixのようなプログラムは子どもでもすぐ使えた
Steve Jobs以後のAppleは、それぞれが「自分の足跡」を残そうとして道を見失ったように思える
ユーザーインターフェースはアプリケーションの機能と分離可能であるべきだと思う
望むなら、ある時点のUIで**固定(freeze)**できるべきだ
だが後には、統合されたデザインと機能のほうがユーザーにはシンプルだと考えられるようになった
すべての機能がスクリプト可能で、UIはただの殻にすぎない構造だった
実装はできなかったが、SmalltalkのSqueakやPharoはこうした実験に向いていそうだ