- Windows 11は4年間、広告の挿入、Copilotの強制統合、不要なアプリ などで批判されており、Microsoftはそれらの一部を削除すると発表
- しかし今回の「修正計画」は、プライバシー侵害、アカウント強制、データ収集 といった根本問題を扱っていない
- Copilot削除とUI改善 などは、自社が作った問題を元に戻す程度にとどまり、クラウド依存の構造 は維持される
- OneDriveの自動同期、Telemetryの無効化不可、Recallのセキュリティ論争 など主要な問題は依然として未解決
- 記事はMicrosoftの動きを「ユーザーを踏みつけた後に花を渡す関係」になぞらえ、今回の措置が実質的な改善ではなくイメージ回復のための行動だと指摘
Windows 11の「修正計画」と積み重なった問題
- Windows 11 は広告、Copilotの強制統合、不要なアプリ(bloatware) などで継続的に批判を受けており、Microsoftはその一部を削除すると発表
- しかし今回の計画は、プライバシー侵害、アカウント連携の強制、データ収集 など中核的な問題を扱っていない
- Microsoftは2026年1月、Windowsが「誤った方向へ進んだ」と認め、「swarming」モード に切り替えて問題解決に集中すると明らかにした
- 実際の措置はUIの不便さの解消レベルにとどまり、データ収集とクラウド依存の構造 はそのまま維持される
- 記事はMicrosoftの姿勢を「暴力の後に花を渡す関係」になぞらえ、ユーザーが今なお支配されていると指摘
-
Copilotの強制統合とUIの統制
- 2023年9月26日、Microsoftは Copilot AIチャットボット をWindows 11に強制的に挿入
- アイコンは スタートメニューとシステムトレイの間 に固定され、移動・削除不可
- Win+Cショートカット を強制的に占有
- その後2年間でCopilotボタンは Snipping Tool、Photos、Notepad、Widgets、File Explorer、設定アプリ などへ拡大
- Microsoftは Microsoft 365 Copilotアプリ を「適格PC」のスタートメニューに強制インストールしようとしたが、ユーザーの反発で撤回
- 今回の修正計画にCopilot削除が含まれたものの、これは 自ら作った問題を元に戻す程度 にすぎない
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広告の挿入とユーザー体験の低下
- 2024年4月24日の更新 KB5036980 により、スタートメニューの「推奨(Recommended)」領域に広告 が挿入
- 「Promoted」と表示されたアプリ広告(Opera、人気のないパスワードマネージャーなど)が表示
- 広告は ロック画面、設定ホーム(Game Passの宣伝)、ファイル エクスプローラー(OneDriveへの誘導)、通知ヒント などにも拡大
- Microsoftは「広告を減らす」としたが、有料OSに広告が存在すること自体が問題 だと指摘されている
アカウント強制化とプライバシー侵害
- Windows 11 Homeは発売時点から Microsoftアカウントの使用が必須
- 2025年10月までにMicrosoftは ローカルアカウント作成の回避方法をすべて遮断
oobe\bypassnro, BypassNRO, ms-cxh:localonly, 偽メール方式などが遮断
- Microsoftアカウントを使うと、ユーザーの活動、アプリ利用、Edgeでの閲覧、OneDriveファイル がMicrosoftプロファイルに結び付けられる
- このような アカウント強制とデータ収集の構造 は修正計画に含まれていない
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OneDriveの自動同期とファイル所有権の問題
- 2024年、Windows 11のインストール過程で OneDriveフォルダ バックアップが自動で有効化 されるよう変更
- ユーザーの同意なしに Desktop、Documents、Pictures、Music、Videos フォルダがクラウドへアップロード
- 同期を解除すると ローカルファイルが消える事例 が発生
- OneDriveがファイルを移動し、所有権がクラウドへ移る 形になる
- 作家 Jason Pargin は、OneDriveが自動で有効になりファイルを移動・削除した事例を公開し、論争が拡大
- Microsoftはこれについて 公式見解を出しておらず、修正計画にも含めていない
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Windows Recall機能とセキュリティ論争
- 2024年5月に発表された Windows Recall は、画面を数秒ごとにキャプチャして検索可能にするAI機能
- セキュリティ研究者 Kevin Beaumont は、Recallのデータベースが AppDataフォルダ内の平文SQLiteファイル として保存されることを確認
- 銀行口座番号、社会保障番号、パスワード などの機密情報が暗号化なしで露出する可能性
- 英国の ICO(Information Commissioner’s Office) が調査に着手すると、Microsoftは
- 機能を オプトイン(opt-in) に変更し、暗号化を追加、Insiderプログラムで再公開
- 記事はこれを「監視機能を作り、見つかった後で『フィードバックを反映した』と呼ぶ態度」だと批判
過去事例と繰り返されるユーザー欺瞞
- 2015~2016年の GWX(Get Windows 10) キャンペーンでWindows 10へのアップグレードを強制
- 閉じる(X) ボタンをクリックするとアップグレード予約が進むよう変更
- ユーザー Teri Goldstein は強制アップグレードでPCが損傷し、1万ドルの賠償勝訴
- Microsoftは控訴を取り下げ、「行き過ぎた」と認めた
- このような ユーザーを欺くパターン はWindows 11でも繰り返されている
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ハードウェア制限と有料セキュリティパッチ
- Windows 11は TPM 2.0、特定CPU、UEFI Secure Boot など厳しい要件を適用
- 世界のPCの約 20%が「旧型」と分類 され、2億4,000万台が廃棄リスク にさらされる
- Windows 10のサポート終了(EOL)は 2025年10月14日 で、その後のセキュリティパッチは有料
- 個人: 年 $30、企業: 1年目 $61、2年目 $122、3年目 $244
- すでに購入済みのOSに対して セキュリティパッチを有料販売 する構造だと批判されている
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Edgeブラウザのダークパターンと低いシェア
- Mozillaの 「Over the Edge」 レポートによれば、Microsoftは
- Confirmshaming(Edgeを使わないと「不合理な選択」を示唆)、
- Google.com・Chrome Web Store内への広告挿入、
- 既定ブラウザ設定の強制的な差し戻し などの手法を使っている
- 一部のシステムリンクは依然として 既定ブラウザ設定を無視してEdgeで強制実行 される
- それにもかかわらず Edgeのシェアは5.35% にとどまり、強制露出にもユーザーは離れている
-
Telemetryを無効化できない問題
- Windows 11 Home/Proでは Telemetryを完全に無効化できない
AllowTelemetry=0 に設定しても自動的に 1 に戻る
-
Enterprise・Educationエディションのみ完全遮断可能
- コンシューマー向け版の「データ収集停止設定」は 形式的なオプション にすぎない
- この問題も 修正計画には含まれていない
法的制裁と技術的ミス
- EUはMicrosoftに対し 総額22億ユーロ超の罰金 を科している
- そのうち 5億6,100万ユーロ は ブラウザ選択画面の削除(Windows 7) 事案による制裁
- 1,500万人のユーザーに影響
- 1999年には _NSAKEY という暗号鍵がWindows NTに含まれていたことで論争が発生
- 2024年8月の更新では Linuxデュアルブートシステムが起動不能 になる問題が発生し、完全復旧まで9か月を要した
「修正計画」の実際の範囲と限界
- Microsoftの7項目の修正計画は タスクバー位置、Copilot削除、広告縮小、性能改善 などで、
- 主要問題の発生時点と修正状況は次のとおり
| 問題項目 |
発生時点 |
修正時点 |
期間 |
| タスクバー位置の制限 |
2021.10 |
2026.03 |
4.5年 |
| タスクバーのドラッグ&ドロップ |
2021.10 |
2022.09 |
11か月 |
| Copilotの強制表示 |
2023.09 |
2026.03 |
2.5年 |
| スタートメニュー広告 |
2024.04 |
2026.03 |
2年 |
| アプリ内AIボタン |
2024 |
2026.03 |
2年 |
| 強制アップデート再起動 |
2021.10 |
2026.03 |
4.5年 |
| ローカルアカウント遮断 |
2021–2025 |
未解決 |
- |
| Telemetry無効化不可 |
2021.10 |
未解決 |
- |
| 不要なアプリのインストール |
2015+ |
未解決 |
- |
| OneDriveの自動同期 |
2024 |
未解決 |
- |
- プライバシー侵害、アカウント強制、データ収集、クラウド依存 などの核心的問題は今なお残っている
- Microsoftは メディアの否定的な見出しを招いたUI問題だけを修正 し、
収益構造と結び付いたデータ収集体制は維持 している
結論: 「修正」ではなく「自己被害回復」
- Microsoftは4年間、ユーザーが有料で購入したOSを 意図的に劣化 させた後、一部機能の復元を 「改善」だと装っている
- 広告、Copilotの強制、タスクバー制限などは そもそも存在してはならなかった問題
- 一方で Telemetry、アカウント強制、データ収集 は依然として維持され、
ユーザー自身が製品になる構造 が続いている
- 記事はこれを「踏みつけた足をどけただけなのに、それを贈り物のように見せかける行為」になぞらえ、
Microsoftの「修正計画」は 真の改善ではなく自己正当化 にすぎないと指摘する
1件のコメント
Hacker Newsの意見
企業が、ユーザーが耐えられる限界まで製品を少しずつ不便にしていくのはよくあることだ
とりわけソフトウェアはスイッチ一つで機能をオンオフできるので、限界を超えたと思ったら少しだけ戻しつつ、得た利益はそのまま維持できる
こうした構造が結局、Windows 11の現状のような結果を生む
消費者としては単に直近の施策だけを戻せと求めるのではなく、もっと根本的なロールバック要求が必要だと思う
Unityのインストール課金騒動やWizardsのOGL論争のように、強い反発があった場合だけが例外的に成功した
ほとんどの企業は「実験でした、少し戻します」という形で対応し、後でまた試す
現在の経済システムがこうした振る舞いに報酬を与える構造だからだ
政府が罰金を科すことはできるかもしれないが、根本的な解決策ではない
むしろ労働者の取締役会参加や累進的な法人税のような構造的変化が必要だと思う
今はノートPCを買うときに「毒を選ぶ」ようなものだ
大半のユーザーは思うほど気にしていない
一度その線を越えたら、私はその会社をどんな状況でも二度と使わなくなる
関連する概念はこのツイートで説明されている
詐欺や乱用を完全になくそうとすると、かえって監視コストが大きくなる
生態系全体の最適状態は、個々の企業の最適状態とは異なる
MicrosoftはすでにNetscape戦争の時代からユーザーに不親切だった
政府機関が大規模に採用したことで、30年にわたり悪いエンジニアリングにもかかわらず地位を保ってきた
Windows 11もひどいが、Teamsを使ったことがあるのかと聞きたい
政府機関がMicrosoftを見捨てない限り、「ユーザー中心」の開発は不可能だ
昔はそれでもWindowsとOfficeに本気で、互換性やUI/UXには気を配っていた
今ではCopilotの強制搭載、広告、WebベースのOfficeなどで完全に崩れてしまった
昔からユーザーより四半期業績を優先してきた
90年代のHalloween文書からSkype、Teams、Copilotまで一貫した流れだ
Officeに含まれているのだから、わざわざ別のものを使う理由がない
結局PowerPoint、Word、Windowsを使うしかない
昔はMicrosoftのファンだったが、今ではGoogleが救世主のように見える
Windows 11の**タスクバー(taskbar)**はあらゆる面で退化している
Windows 10では2行の高さで固定幅を維持できたのに、11ではウィンドウタイトルに応じて幅が変わり落ち着かない
結局、Start11というサードパーティ製アプリで95%ほど復元した
経営陣がPowerPointのスライドだけを見て「きれいだ」と言って済ませている姿が目に浮かぶ
Windhawkで固定幅設定の問題を解決した
Microsoftが顧客を虐待しているという表現は言い過ぎだと思う
企業の操作的な振る舞いが実際の暴力関係のパターンに似ていることを認識させるのが重要だという
Windows 11、Office 365、LinkedIn、GitHubのテレメトリが労働者統制の手段になっている
著者がダークネット出身の人物なので、その文脈で理解すべきだという
私が最も嫌いなのはMicrosoft Startのニュースフィードだ
何度オフにしてもまたオンになり、内容もゴシップや極右ニュースだらけだ
クリック数がそこまで重要なのか、それとも単にブランド汚染を気にしていないのか
ユーザーは情報のゴミを強制的に消費させられ、感情的エネルギーを消耗し、結局支配される
更新によって「セキュリティパッチ」と一緒に制御システムの復旧が行われるようなものだ
使わなければ、広告ブロッカーのないインターネットのようにひどい
危機のたびに「改善する」と言うだけで、根本原因分析や再発防止システムがなければ信頼は積み上がらない
Microsoftのメッセージにはその両方が欠けている
イメージは底なので、これ以上悪くなりようがない
長期的には、Microsoft製品を生活から完全に排除するのが唯一の解決策だ
20年前もそうだったし、今はさらに確信している
人々がWindowsに縛られている理由は4つあると思う
ゲーム、プリンター、Photoshop、Excel
特にExcelは無数の企業の中核ツールなので代替不可能だ
Appleが過去に教育市場で割引政策を取ったのも、学生を自社エコシステムに慣れさせるためだった
関連インタビューを参照
RiotのVanguardのようなWindows専用アンチチートのせいで、Linuxへ完全移行するのは難しい
私もゲームのためにWindowsを維持しているが、仕事はmacOSでしている
ほかはだいたい代替できても、Excelの高度な機能は諦められない
私はLinuxに移ってほしいのだが、結局技術サポート奴隷のままだ
代替手段も試したが完成度があまりに違い、結局戻ることになった
AppleもだんだんWindowsの轍を踏んでいるように見える
macOS Tahoeへのアップグレードは望んでいないのに、毎週通知が出る
iCloudも設定アプリ内で広告板のように表示される