「AIウォッシング」:企業は技術中心へのリブランディングに奔走
(theguardian.com)- 英国企業では、技術トレンドに便乗するため、ありふれた自動化やローテク事業まで人工知能の専門企業のように装おうとする動きがみられる
- 生成AIを使っていない企業であっても、メディア上でAI企業に見えることを望み、結び付きが弱くてもAIのラベルを貼ろうとする圧力が強まっている
- AIウォッシングは、古い技術を新しい名前で包み直す形で現れ、AllBirdsのAIグラフィック処理装置への転換や、AIベースの血液検査の宣伝がその例として挙げられている
- 一部のプレスリリースは、AI搭載バスケットゴールや地下鉄ホームでの保護用AIレーザーのような誇張されたイメージを打ち出すが、実際には改良された自動化に近い場合がある
- 企業幹部はAI関連のコメンテーターとして見られたがる一方、大企業のAI導入と人員削減は、企業イメージと労働問題の両面で重い負担となっている
企業によるAIリブランディング競争
- 英国企業の間では、技術トレンドを活用しようとして、平凡な自動化やローテク事業まで人工知能の専門企業のように見せようとする動きが強まっている
- 生成AIを使っていない、あるいは自動化しか使っていない企業でも、メディアでAI企業として紹介されることを望み、結び付きが弱くても事業全体にAIラベルを付けようとしている
- Fight or Flightのメディア戦略家Imran Ariffは、ブランドが成果を強調する過程で、AI能力の宣伝が過剰になり得るとみている
- 一部企業は、見慣れた、あるいは古い技術を新しく見せるAIウォッシングだと批判されている
AIウォッシングの実態と負担
- 米国の靴会社AllBirdsは先月、AIグラフィック処理装置の確保により「転換」し、遺伝学企業はAIベースの血液検査を宣伝していた
- メディア向けの広報メールボックスには、AI搭載バスケットゴールや、混雑した地下鉄ホームで女性を捕食者から守るというAIベースのレーザーに関するプレスリリースも届く
- テクノロジー広報担当者は毎週、数十件から数百件の提案を記者に送るが、その大半は無視される。それでもAI関連のプレスリリースを無理に送らなければならない状況が生まれている
- ロンドン中心部のあるPR会社のアカウントディレクターは、企業がほぼあらゆる製品名の前にAIを付けるか、実際の製品名にAIを入れようとしていると話す
- 実際には以前より改善された自動化にすぎないのに、「AI-driven」や「AI-powered」の製品としてマーケティングされる場合がある
- ある不動産会社は、建物をスキャンして平面図を作るツールをAIとして宣伝しようとしたが、広報担当者はこれを基本的には携帯型スキャナーと自動化に近いものだとみていた
- その担当者は、自分が発信する話の約**50%**は送りたくないものだと語った
- 企業幹部は、関連性を示すためにAI技術についてのコメンテーターとして仕立てられることを望んでいる
- グローバルPR会社で働くある担当者は、チャットボットを公開したというだけで、政府のソブリンAIファンドについての意見がメディアに載ると期待するような無理な結び付けをたしなめていた
- 大企業はAI導入と数千人規模の人員削減を進めるなかで、企業イメージをどこまでAIと密接に結び付けるかを判断しなければならない
- Standard Charteredの最高経営責任者は先週、AIで仕事を失う労働者を“lower-value human capital”と表現した後、謝罪した
1件のコメント
Hacker Newsの意見
これらの企業が、若い世代に自社ブランドを拒絶されたときにショックを受けないでいてほしい: https://www.theverge.com/ai-artificial-intelligence/920401/g...
AIを強制的に使わされた悪い体験、急騰する電気料金、より明確になってきた環境への影響のせいで、AIに対する否定的な認識が強まれば、株主には受けるメッセージでも実際の製品購入者にはまったく魅力的でない可能性がある
AWSを使っているからといって「クラウドベース」と宣伝するのに近い。どんな技術を使っているかではなく、どんな価値を提供するのかを語るべきだ
YouTube動画で「DuolingoはもうAIだ」と聞いただけで終わりで、若年層のAIへの拒否感がどれほど本能的に強いのか、よくわかっていないようだ
「英国企業が、ありふれた自動化を人工知能として売り込むようPR幹部に求めている」とは、なんともすごい時代に生きている
今では普通の自動化に見えるものの多くは、かつては「AI」だったが、普及するにつれてバズワードとしての価値を失ったり、AIの冬が来てAIと見なされなくなったりした
ディープラーニング前の最後のAIブームでは「ビッグデータ」が流行で、何もかもビッグデータでなければならなかった。マーケティングとはいつだって、「以前からやっていたこと」を顧客や投資家が聞きたがる最新の流行語で包み直す仕事だった
「クラウド」や「NoSQL」のような非AIの流行も同じだ
9iは「internet」、10gは「grid」、11gも「grid」、12cは「cloud」、26aiは「ai」だった
さらに腹立たしいのは、オープンソースプロジェクトでも同じようなことが起きている点だ。AI作業の助けにはなるが本質的には汎用的なものが、今では全部AIツールになっている
https://en.wikipedia.org/wiki/Long_Blockchain_Corp
放射能がかっこいいと思われていた時代にはRadioactiveが付いていたのだろうが、そのころは生きていなかった。みんな常にかっこよく見えたがる
投資家が違いを理解していないので、そうするようインセンティブが働いているわけだ
2年前、ある会社が「AIを使っている」と言って100万ドルの投資を受けていたのを見たが、実際にはアルゴリズムで簡単にできる仕事だった
多くのことはアルゴリズム、正規表現フィルター、ロジック、ヒューリスティックで処理できる。スパム検知がその例だが、最近は考える前にまずLLMに投げようとする
AIかアルゴリズムかは重要ではなく、人々がAIかもしれないと思うかどうかがすべてだ。そう思われるなら、それはただのAIになる。裏で実際に何が動いているかは重要ではない
この現実が好きだとか擁護したいわけではないが、今はそういうふうに回っている
例のプロンプトの1つが「先月と比べて私のトラフィックはどうですか?」だ。この文を入力して送信を押し、Googleのサーバーが水1リットルを燃やしてもっともらしい答えを計算するのを待つと、答えすら返さず、代わりに「適用」できるオプションを出してくる
「適用」を押すと、Search Consoleに以前からあった機能でフィルターをかけてページを再読み込みする。つまりこのLLM全体は、既存UIのごく単純なボタンクリックですでにできていたこと以上の仕事を何ひとつしていない
UIで同じことをするなら「More -> Compare -> Apply」を押せばいい。3クリックを「プロンプト入力 + 2クリック」に変えるためにLLMを1つぶら下げたわけだ
しかも分析ツールにLLMを入れたら、人が最初に聞く質問は目に見えている。「クリックをどう増やすか?」あるいは「Googleで1位になるには?」だ。プロダクト担当者でなくてもわかるほど明白だ
もちろんGoogleチャットボットはその答えを出せない。「Xをやればクリックが増える」と言って、ユーザーがXをやってもクリックが増えなければ、たちまち訴訟ものだとすぐ気づいたのだろう
このすべてで最悪なのは、AIがソフトウェアを再びかっこよく見せた一方で、何の理由もなくソフトウェア開発者を攻撃したことだと思う
「AIがすべてを自動化する」と主張するのではなく、コンピュータの中で望むものを作って他人に提供できるツールへのアクセスを開放し、何百万もの新しい仕事を生み出すと言うこともできたはずだ。人はただネガティブな話が好きなのだと思う
90年代に会社名に「.com」を付けていたのとはまったく違うというわけでもない
2013年ごろ、Yahoo Newsがうちの会社の役員の1人を取材したのだが、彼が私たちが「ビッグデータ」をやっていると話している後ろに、そのまま私たちのチームが映っていた
今でもそれが何を意味していたのかわからない。ともあれ、その後まもなく11億ドルのエグジットにつながった
次はQuantum Crypto AIをやるつもりだ
よく知っている昔の会社2社が、10年前に狭い定義で自らをクラウド企業へとリブランディングした
すでに砂上の楼閣は崩れ始めている。ユーザーや消費者の立場では、AIが入ったものを片っ端から拒否するケースがますます増えている
これが「青い薬」を飲む人たちにまで広がれば、しかもその動きは急速に進んでいるので、AI入りの製品やサービスは大衆の関心を失うだろう
いちばん好きな例は、環境配慮型シューズ会社だったAllbirdsがAIインフラに転換したことだ。いったいどうやってそんな決定をするのか?
ひどく無能でもほぼ10年は持ちこたえられた
1990年代に「インターネット対応マウスパッド」や、社名を「lumbar.com」に変えた木材会社の話を覚えている
ただ、さっとGoogle検索しても見つからないので、実話だったのか、当時の過熱ぶりを皮肉ったジョークだったのかはわからない
世の中は変わるほど同じだ :)