Velith — AIベースの長文コンテンツ制作パイプライン
(github.com/epicsagas)こんにちは。
もともとは本を作ろうとして始めたプロジェクトではありませんでした。
普段から Obsidian で知識を管理しながら、Claude Code のような AI エージェントと連携して、文書整理や技術レポート生成に活用していました。ノートを分析して関連性を整理したり、特定のテーマに関する技術文書を自動生成したりする、といった使い方です。
ある日ふと、こんな考えが浮かびました。
Obsidian に蓄積したノートはすでに数百件あるのだから、これを使って本を作れないだろうか?
そこで最初に技術レポート生成のワークフローを作りました。その次にホワイトペーパー、チュートリアル、ノンフィクションと、「どこまでできるか試してみよう」という気持ちでさまざまなジャンルを追加していくうちに、いつの間にか単なる文書生成器ではなく、アイデアから出版成果物までつながる書籍執筆パイプラインになっていました。
そうして整理し、Velith という名前で公開しました。
GitHub: https://github.com/epicsagas/Velith
どんなプロジェクトですか?
Velith は、AI エージェント環境で動作する長文コンテンツ制作ワークフローです。主に Claude Code を使って開発しましたが、Codex CLI や Antigravity のようなエージェント環境でも動作します。
単に一度のプロンプトで本を生成する方式ではなく、人間が実際に執筆する過程をできるだけなぞるように設計しました。
/book-ideation → テーマ探索とコンセプト整理
/book-outline → 目次と構成の設計
/book-draft → 章ごとの初稿作成
/book-edit → 文体・一貫性の校正
/book-publish → EPUB / PDF 出力
コマンドひとつでエージェントがその段階を処理し、次の段階へ進むかどうかは人間が判断する方式です。
どこで使うと結果が良いか
Obsidian ボルトや、すでに資料を収集してあるワークスペースがある場合、結果は明らかに良くなります。特に Zettelkasten や LLM Wiki のようにノート間のつながりが作られていると、エージェントが文脈をよりうまく追える傾向がありました。実際に Zettelkasten で運用中のボルトでテストしましたが、断片的に集めたクリッピングしかない場合より、結果には目に見えて差がありました。
AI がゼロから本を書いてくれることを期待する用途というよりは、すでに整理してあるノート・リサーチ・メモをもとに、構造化された成果物へまとめるワークフローに近いです。蓄積した資料は多いのに、本や文書として整理できていない場合に最も向いています。
どこまで試したか
実際に 100 ページを超える成果物も出力してみました。技術書、フィクション、エッセイのジャンルをいずれも試しており、EPUB・PDF 出力までは問題なく行えます。
ただ、正直に言うと、今の成果物は「読めはするが完璧ではない」というレベルです。特に EPUB・PDF はそのまま使うにはかなり不十分で、手を入れる部分が多いです。初稿を素早く出し、人間が仕上げるワークフローのほうに向いています。
今後
まだ個人的に面白くて作り続けているプロジェクトなので、不足している部分は多いです。
Obsidian や Notion などで個人ナレッジベースを運用しながら、「これをいつか本にしなければ」と思っている方、あるいは AI エージェントで長い文書を書いてみたものの、途中で文脈が切れてもどかしい思いをしたことがある方がいれば、ぜひ話してみたいです。
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