2 ポイント 投稿者 GN⁺ 2025-05-13 | 1件のコメント | WhatsAppで共有
  • 米国著作権局が最近、AI企業による著作権侵害の事例を公式に認めた
  • AIアルゴリズムが膨大な著作権保護資料を利用しており、クリエイターの同意と補償が必要だと指摘した
  • 一部の状況では、フェアユース(fair use)抗弁が成立しないと報告書で結論づけた
  • OpenAI, Google, Meta, Microsoft など主要企業がこの問題で訴訟中である
  • AI推進政策と 政治的人事解任 が重なり、状況の複雑さが増している

米国著作権局の報告書と局長解任問題の概要

  • 米国著作権局の局長解任は、AIモデル開発企業が著作権保護資料の利用において従来のフェアユースの範囲を超えていたと報告書が結論づけた直後に起きた
  • 今回の報告書は、著作権とAIに関する第3弾報告書草案に盛り込まれた見解である
  • 第1弾報告書はデジタル複製の問題、第2弾は生成AIの出力物に著作権が認められる可能性の検討だった

報告書草案の主な内容

  • 5月9日、生成AIシステム開発時の著作物利用に関する報告書草案(PDF)が公開された
  • AIシステムが膨大なデータ、すなわち著作権保護資料を利用していることが明確に示された
  • AIが著作権者の 同意や補償を受けるべきか という疑問が提起された
  • これは実際に複数の訴訟における核心的争点である
  • AI開発企業は、インターネットなどのコンテンツを無断で利用して製品を学習させたことを認めている

フェアユース(fair use)に関する判例と判断基準

  • AI企業は著作権法上の フェアユース条項 を根拠に法的問題はないと主張している
  • しかし裁判官は、「原著作物の潜在的市場や価値に影響を与えるか」がフェアユース判断の基準だと強調している
  • もし影響が大きくないなら、フェアユースに該当する
  • 当該報告書は、特定の状況ではAI企業の フェアユース抗弁の論理が成立しない と明記している

報告書の影響と学界の反応

  • 最終報告書 は大きな変更なく近く刊行される予定である
  • 法学者 Blake. E Reid は、この報告書は「AI企業にとって非常に不利」であり、「法廷での敗訴に直結し得る」と評価した
  • 現在、Google, Meta, OpenAI, Microsoft などが著作権関連訴訟の当事者となっている

解任の背景と政治的文脈

  • 局長解任の時期と報告書公表が重なったことで、「Congress と利害関係者の質問に応じた発行」という公式説明に疑問が提起されている
  • Reid 教授は、著作権局による性急な報告書公開は、組織内の人事措置(purge)の兆候である可能性を指摘した
  • 実際に、トランプ政権が局長 Shira Perlmutter を解任したと報じられている

政治的波紋と Elon Musk との関連性

  • 下院議員 Joe Morelle は、この解任が Elon Musk によるAIモデル訓練のための著作権保護資料活用要求 に著作権局長が同意しなかった直後に起きた点を問題視した
  • Musk や Jack Dorsey らは「すべての知的財産(IP)法を削除すべきだ」と主張したり、X(旧 Twitter)への投稿を通じてAI学習を推進するなど、政策変更の動きを見せている

その他の解任理由の可能性

  • 著作権局が米国議会図書館(Library of Congress)傘下の機関であることを踏まえると、最近、図書館長が多様性(DEI)政策の推進や児童書の選定問題で解任された事例との関連があり得る点が言及されている
  • したがって今回の解任は、AI政策、主要な寄付者、あるいはDEI政策など、さまざまな内部要因と政治的要因が複雑に絡み合った現象とみられる

1件のコメント

 
GN⁺ 2025-05-13
Hacker Newsの意見
  • 米国がLLMに著作権のある資料の使用を禁じるか、すべての著作権者に補償しなければならないとした場合、中国のような他国はそうしないだろうと指摘している。そうなれば米国のLLM企業は競争で後れを取るか、コスト負担で不利になるという懸念である。結局、AIの有用性という面では中国など他国が先行することになる。もちろん正しいことをすべきだとは思うが、AI規制における政府の判断には、将来の世界で誰が主導権を握るのかという不安が内在している
    • その論理なら、一般市民も中国は決して追随しないのだから企業の知的財産をロンダリングしてよい、という結論になる。相手がよいなら自分も加わるだろう
    • 全体として、著作権資料へのアクセスを完全に認めればAIがより強力になりうるという点には同意する。ただし、「より強力」とは正確には何を意味するのか疑問である。国家安全保障を考えるなら、LLMに学術・科学・技術情報を全面的に許可することには賛成だ。独占的なコードについては少し疑問があるが、すでに十分なコードデータがあるとも思う。だが、LLMが著作権資料にまで全面アクセスしたとして、論文や技術データ、ライセンスを通じて利用できる著作権資料だけにアクセスする場合と比べて、どんな実質的利点があるのか分からない。結局のところ、LLMははるかに強力な剽窃マシンになるだけで、実際にはより知的になるわけではない。画像や動画モデルでも同じ議論が成り立つ。著作権資料にアクセスすれば、モデルはより多くの画像を生成したり、マリオとルイージを無限のシナリオで再生産したりできるかもしれないが、そこから得られる実質的利益がないのなら、むしろこうしたモデルは禁止すべきである。重要な安全保障上または経済上の利点がない
    • 本当の問題は、AI企業が既存の大企業のように法律そのものを自分たちに都合よく変えようと努力していない点だ
    • 一方で、中国に145%の関税を課す大統領がいるなら、中国のインターネット・チャットボットに1000%の関税をかけたり、国家非常事態を理由にインターネットケーブルを切断したりすることもありうる。中国が今後どうするかは不確実だが、少なくとも未成年者にはAIの使用を禁じるかもしれない。軍事利用の問題は著作権問題とは別である
    • AIが本当にそれほど重要なら、政府が所有し、すべての市民が無料で使えるようにすべきだ
    • この論理はAIだけでなく、あらゆる知的財産権侵害にも適用できる
    • LLMが世界支配に実際に寄与するのか個人的には信じがたいが、この議論の土台には中核的な競争意識がある
    • 以前も著作権のあるWindowsのインストールには何の問題もなかった。BSAが現れたが、今ではMicrosoftが自分たちに都合がよいので目をつぶっている
  • こんな理由で人を解雇するのは非常に奇妙だ。これは法解釈を検閲しようとする試みに見える。私の考えでは、著作権資料でモデルを訓練することは、伝統的に見れば明白に違法である。もちろん人間は本を読んで着想を得て新しい本を書いても訴えられない。数多くのファンタジー小説を見れば、完全に独立した作品ばかりではないことが分かる。AIが有益で革新的であるだけに、法律がこの事例を想定していなかったことを認め、法律を改めるべきだと思う
    • 人間が本を読んで着想を得て書くのは訴訟対象ではないと言ったが、実際には「過度に着想を得た」事例として訴えられることはよくある。音楽の盗作紛争は有名だ
    • 法律はこの問題を十分にカバーしているのに、権力者が法の上に君臨することを繰り返し示している。かなり前に公開された資料、Creative Commonsの資料、あるいは原著との編集距離が一定以上になるように出力させること、または当該著作権者に連絡して許可を得ることなどで、十分に防げたはずだ。だがAI企業はそうしたことをまったくしていない
    • AIは人間とは違う。人間に権利があるからといって、機械にも直ちに権利があるとは推論できない。そんな論理なら、自動車を廃棄するとき殺人罪になる
    • 人間でもAI企業がやろうとしていることはできない。学生が図書館に行って「学習のためにすべての本を複写したい」と言えないのと同じだ。人間も有用で革新的だ
    • 有用だからといって、それが無条件に良い考えだと認められるわけではないことも認識すべきだ
    • 著作権が消滅すれば、企業は非常に怒るだろうし、特許制度も崩壊するだろう。米国企業は世界支配力を失うことになる。やがてメディアの海賊版が著作権存続の唯一の理由として再定義され、既存の機関が統制機関となって検閲庁に変質するかもしれないという懸念である
    • 着想を得て別の小説を書くのは自由だが、たとえば "Hairy Plotter and the Philosophizer's Rock" を公式に出版することは許されないだろう
    • 分析の問題は、そもそも著作権の存在理由を論じていない点にある。「許可なくLLMが資料を学習してよい」という信念と「著作権には意味がある」という信念は両立しない。米国憲法上、著作権は科学と芸術の進歩のためのものであり、EUでは創作者保護と創造性奨励が目的だ。もし自分が本を出したとき、技術企業がそれを複製して訓練に使い、消費者に再提供できるのなら、誰も自分の本を買わなくなる。そうなれば投資も止まり、本も作られなくなる
    • ライセンスなしに知的財産を販売目的のモデルに投入して提供する行為は例外ではない
    • もし法律を変えるなら、すべての人に適用されるべきであり、AI企業だけへの特典になってはならない
    • 人間が著作権のある作品から着想を得て作業した場合にそれを侵害と見なさないのなら、なぜロボットがやると問題なのかを明確に説明しなければならない。もしロボットが解釈上、本質的に新たな動きを生むのなら、執行可能な形で論拠を構築すべきだ
    • AIがそれほど有用な技術だとは思わない。1950年代から始まって、ようやく今になって多少使えるようになっただけで、まだまともに動かない
    • 映画を海賊版で見るのも有用だが、それは合法ではない。人間とAIはまったく違い、「人間が着想を得る」という論理は根拠のない主張だ
    • カバー曲を歌うには許可が必要で、無許可なら違法になりうる。一方、着想を得て曲を書くことは合法だ。AIが生成する作品が十分に新規で変形的なら問題ないが、もし他人の作品をそのまま複製して出力するなら問題である。法律は魂やインスピレーションのような曖昧な概念ではなく、実際の成果物の違いで判断すべきだ
    • 企業とAIは人間でもリスでもない。人間と比較することに何の意味があるのか疑問だ
    • ソフトウェアがIPを無許可で復元することに抵抗する創作者たちの気持ちは理解できる。ただ、単に資料を読むこと自体が著作権侵害なのかは疑問だ。読む、あるいは要約する行為は既存法では統制されてこなかった。「人は私が配布した本を読んではならない」「人は私の文体でファンフィクションを書いてはならない」「人は美術館で名画の模写訓練をしてはならない」といった主張は現実離れしている。ここでは、より合理的な社会的議論と方向性の提示が必要だ
  • ミネソタ州の女性に、24曲の違法ダウンロードで22万ドルの罰金が科された
    • その事例はAI企業のモデル訓練とは異なると指摘している。AI企業のデータ学習は、他人に楽曲をそのまま共有・配布することとは違うと主張する
  • これまで、トランスフォーマーモデル訓練の技術的構造と著作権侵害の主張を同時に詳細に説明する人を見たことがない。つまり、モデル訓練メカニズムと著作権侵害の論理の両方を理解している例はまれだ。ここで話しているのは訓練過程であって、生成結果(推論)についてではない
    • トランスフォーマーが許諾を受けていない資料を再現するときに問題となり、それ自体が訴訟の対象になりうる。膨大な著作権資料に触れること自体が著作権侵害になるのかは不確かだ。創作者やアーティストにも、自分の著作物から派生する製品に当然利害関係がある。自分の作品が不要なら除外すればよい
    • モデル自体の運用は著作権侵害ではなく、分析や研究目的の訓練は問題ない。しかし商業利用、市場代替などはフェアユースの範囲を超えると判断される
    • 訓練方式が動画コーデックのトランスフォーマーとどう違うのか、非可逆圧縮が著作権侵害とどう異なるのかも気になる
    • 人間の行動(同一文を書くこと)ですら構造的に説明できない状況で、AI訓練がなぜ侵害なのか明確に論じられた例がない。つまり、読むことと剽窃の両方を同時に扱う議論がない
    • この論争の要点は、AI企業が書籍を導入目的で使う際に使用料を払わず、無断でダウンロードして使っていることにある
    • 実際にどう動くかは関係なく、結果として何をするかが重要だと考える
    • プログラマーと著作権弁護士の組み合わせは少ないが、まったくいないわけではない。しかし最終的にはどう判決が出るかが重要だ。今回の件では、その内容自体が実際には重要でない可能性もある
    • 機械が他人の作品を複製すれば著作権侵害である。人間と機械は同じではなく、立証されていない以上、法はこれを許容しない
    • 自分は侵害の証拠を持っているとして参考資料を共有している
    • 訓練方式の構造を知る人ほど、むしろ著作権侵害ではないと考えている
  • 公開されたドラフト報告書は、著作権者たちの不満をただ列挙したレベルに見える。主張の根拠が深くない
    • 深い根拠は必要ない。AIが論文を100本読んで新しい論文を出せば剽窃だ。記憶力が完璧な人が既存の文章を並べ替えて新しい文章を出しても著作権侵害だ。例外になるのは大企業だけだ
    • 単なる不満のリストにとどまらない。著作権者たちが法廷で不利に進む状況を、フェアユース原則の無力化によって迂回しようとしていると見る
    • あまり同情する気にはなれない
  • AIが商業的に膨大な著作権作品を活用し、既存市場と競合するコンテンツを作るなら、それはフェアユースを超える、という結論には同意できない。さまざまなソースから少しずつ借用して創造的に作ることが、なぜフェアユースではないのか疑問だ。この議論は結局、公共の利益と著作権の根本目的への問いである
  • 現政権下で、特別利益団体のために行われていることがあまりに多い点を指摘している
  • "Copyright and Artificial Intelligence Part 3: Generative AI Training" のPDF資料を参照するよう案内している
  • 知的財産法が、アイデアの拡散を抑える巨大企業訴訟の道具へと変わりつつあるように感じる。本の内容全体を知ることが違法だとするなら、ある程度内容認識を記号化したものまでどこまで制約できるのかが曖昧になる。ここで裁判官が判断するのは商業的複製の問題ではなく、人類の集合知の統制という問題になる
  • 以前の論争で今回のイシューがまた繰り返されている点に共感する