Shawn Mendesを探せ(2019)
(ericneyman.wordpress.com)- 有名人の政治的影響力を出発点に、Shawn Mendesの2018年シングル「Lost in Japan」の歌詞だけから、彼が実際にどこにいたのかを追跡する風刺的な地理・航空分析
- 「1回のフライト」「同じタイムゾーン」「今夜ホテルに行ける」「数時間」といった歌詞の条件によって、韓国・中国・台湾・ロシア極東の候補地が順に絞り込まれていく
- 韓国は日本と同じタイムゾーンなので合わず、中国は距離表現が不自然で、台湾の台北-石垣路線は 昼間運航 と蚊アレルギーの手がかりから可能性が低くなる
- 残る手がかりは ユジノサハリンスク から日本または千島列島へ向かう航空便で、札幌行きよりもIturup Island行きのAurora HZ4617のほうが、夜の到着・飛行時間・通関条件によりよく一致する
- 結論は、MendesがIturup Islandを「日本」と呼んだことになる、という誇張された解釈につながり、千島列島の領有権紛争で 日本側の立場 をひそかに示したものとして読まれる
有名人の政治的影響力から始まった歌詞追跡
- 現代政治において有名人の影響力が大きいという事例が、問題設定の出発点になっている
- GarthwaiteとMooreは、Oprah Winfreyによる2008年のBarack Obama支持が約 100万票 を追加でもたらしたと推定している
- Taylor Swiftの2018年のInstagram投稿は、アメリカ人 16万人以上 の有権者登録につながった
- Shawn Mendesはカナダ出身のポップ・シンガーソングライターで、千島列島の領有権紛争について公の立場を示したことはないものとして扱われている
- 分析対象は2018年シングル 「Lost in Japan」 のサビ
- 核心となる歌詞は「I’m a couple hundred miles from Japan」
- タイトルとは異なり、Mendesは日本の中ではなく、日本から数百マイル離れた場所 にいる
歌詞が示した位置条件
- 位置推定に使われる手がかりは、歌詞中の複数の文に散らばっている
- 「All it’d take is one flight」
- 「We’d be in the same time zone」
- 「I could fly to your hotel tonight」
- 「It’ll only be a couple hours」
- 「同じタイムゾーンになるだろう」という表現は、Mendesが現在、相手の友人と同じタイムゾーンにいないことの手がかりとして使われる
- 日本から半径約 200マイル 前後の陸地は多くないため、候補は韓国、ロシア極東、台湾近海の琉球列島周辺へと絞られる
韓国・中国・台湾候補がずれる点
- 韓国 は日本と同じタイムゾーンなので、「same time zone」の条件に合わない
- 中国 は日本から遠すぎるという理由で除外される
- 中国と日本の間の短い航空区間の例として、上海-福岡が挙げられる
- この距離は 545マイル で、「couple hundred miles」とみなすには無理がある
- 「couple」は「2、時には5まで」を意味すると紹介されるが、5.45をcoupleと呼ぶのは不正確だとされる
- 台湾の台北-石垣 の可能性も一部条件を満たすが、決定的ではない
- 日本の琉球列島にある石垣は、台北から約 200マイル 離れている
- China Airlines flight 124 は4月から10月の間、台北-石垣の直行便として運航している
- 出発時刻が 午前11時40分 の昼間便であるため、「tonight」と合わない
- 台北にはAsian tiger mosquitoがほぼ通年で多く、Mendesは2014年のツイートで 蚊に刺されるとアレルギー反応が出る と明かしている点も可能性を下げる
ロシア極東とユジノサハリンスク
- 日本から200マイル圏内にあるロシア領の候補は、サハリンの一部、ロシア本土の日本海沿岸の一部、千島列島北東側の島々である
- これらの地域のうち、日本行き直行便のある空港は、サハリン島最大の都市ユジノサハリンスクの Yuzhno-Sakhalinsk Airport に絞られる
- ユジノサハリンスク-札幌便も検討対象となる
- Aurora flight HZ4536 は日曜日にユジノサハリンスクを 午後6時30分 に出発する
- タイムゾーン差のため、札幌には 午後6時 に到着する
- この時刻は、相手が寝てしまうのを気にしている歌詞と照らすと早すぎる
- 飛行時間だけで 90分 であり、タクシー、保安検査、税関、到着後の移動まで含めると、「数時間」より長くなる可能性が高い
- 札幌空港の到着記録をWeb Archiveで2016年まで確認しても、ユジノサハリンスク発の便は午後か夕方早い時間の到着に見える
千島列島という回り道の解釈
- 札幌の東北東には、Iturup IslandとKunashir Islandへ向かう空港があり、両島は 千島列島 に属する
- 千島列島は日本とロシアの間の領有権紛争地域である
- 1855年の Treaty of Shimoda では、南の4島は日本、北側の島々はロシアに属することで合意された
- 第二次世界大戦後、ロシアが南の4島を占領した
- 現在これらの島々はロシアの行政下にあるが、日本は領有権主張を維持している
- Mendesが南千島4島を日本領だと考えていたなら、「今夜日本へ行く」という歌詞はIturup Islandを指している可能性がある
Iturup Island行き便のほうがより合う理由
- 日曜日の Aurora Flight HZ4617 はユジノサハリンスクを 午後7時50分 に出発し、Iturup Islandに 午後8時55分 に到着する
- この便は札幌行きよりも歌詞の条件に近い
- ホテル到着は 午後9時以降 になる可能性があり、「寝ないで」という歌詞のほうが自然になる
- 飛行時間は札幌行きより 20分短い
- 千島列島はロシアの行政下にあるため国内線となり、税関通過 が不要
- 「数時間しかかからない」という表現は依然として楽観的だが、札幌行きより過小評価の幅は小さい
- 木曜日には、ユジノサハリンスクからKunashir Islandへ向かう 午後7時-8時30分 の便もあり、これも条件には合うが、より精度の低い候補にとどまる
風刺的な結論
- 最終的な解釈は、Mendesがユジノサハリンスクにいて、友人に会うため Iturup Island に向かおうとしていた、というもの
- Mendesが「I’m a couple hundred miles from Japan tonight」と言うとき、Iturup Islandを日本と呼んだことになるため、千島列島紛争で日本側の立場を取ったという結論につながる
- 最後は、この「ひそかで暗号めいた」立場が千島列島紛争に対する判断を変え、ロシアによる1945年の領土掌握に対抗すべきだという、誇張された政治的宣言で締めくくられる
1件のコメント
Hacker News のコメント
いま自分が何を読んだのか、よく分からない。単語は理解できたが、文章の目的は分からないし、実のところそれが必ずしも重要でもないように思える。
それでも最後まで面白く、集中して読ませるものだったし、発想そのものと著者が連れていく旅路だけを目的にした、こういう文章をもっと読みたくなった。
My 14-hour search for the end of TGI Friday’s endless appetizers: https://www.gawkerarchives.com/my-14-hour-search-for-the-end...
こういうのは bathos と呼べるかもしれない。
今はただ、初めて聞く有名人についての面白い文章の中に、何か暗号のような重要な地政学的メッセージが隠れているのか気になっているだけだ。
推論は見事だが、終盤が少し急ぎ足で、ほとんど雑に見える。Mendez がホテルで友人に会うために飛行機に乗るのなら、そもそもその島にホテルがあるのか確認するのは当然必要だ。
空港があればホテルもあるだろうと仮定することはできるが、ロシア領なら、最も無害な仮定でさえ間違っている可能性があるので、確認するのが賢明だ。
幸い Iturup にはホテルが1軒ではなく2軒あり、それぞれレビューは十数件しかないものの、評価も印象的だ。これで Shawn Mendez 探しの物語と、彼の千島列島併合に対する見解に終止符を打てそうだ。
少し関連する話だが、千島列島は北海道ではかなり大きな問題だ。数年前、たまたま現地で、日本人が島を日本に返してほしいと抗議している場に居合わせた。
外部の人間から見ると少し奇妙だった。その抗議に何の効果もないのは明らかで、ロシアが戦争に負ける場合を除けば実現可能性はなさそうだったからだ。
彼は飛行距離が数百マイルだと言ったのではなく、日本からわずか数百マイル離れていると言っただけだ。台湾にいて、那覇行きの飛行機に乗ることもできるし、その路線には夜の便もある。
さらに興味深いのは、彼が沖縄独立の支持者で、沖縄を日本の一部と認めない人なのかもしれないということだ。そうなら、沖縄を日本標準時ではなく Seibu Hyojunji 時間帯として見ている可能性もある。
これは……冗談めいたブログ記事1本に注いだ執念が印象的だ。楽しく読んだ。
数年前、娘が Lost in Japan を本当に何度も繰り返し流していた。プレイリストに Kate Perry や Justin Beiber のような曲があったので、その歌手も別の女性歌手だと思っていた。
本当に笑える。こういうブログ記事をもっと探してみよう。
この記事は、全体の論理の核心である Iturup Island にホテルが存在するかどうかを、怪しいほど抜かしている。
Google Maps でさっと調べたら、実際に1軒あった。
本当に良かった。
Genius によると、一部のファンはその歌詞が、彼がフィリピンでツアーをした後に日本へ飛んだ出来事を指していると見ているらしい。
https://genius.com/14147648
曲が2018年にリリースされた時期とも一致する。
この記事を見て「Where is Ja?」を思い出した。
https://www.youtube.com/watch?v=Mo-ddYhXAZc