- ディズニーとNBC Universalが生成AI企業Midjourneyに対し、著作権侵害の疑いで共同訴訟を提起し、ハリウッドの主要スタジオがAI企業を直接提訴した初の事例となった
- 訴状では、MidjourneyがディズニーとNBCUの著作物を学習に使用し、『ライオン・キング』『アラジン』『ミニオンズ』などのキャラクターに類似した画像を生成したと主張している
- 両社は事前に協議を試みたが、Midjourneyは要求を無視し、むしろより精密な画像生成モデルをリリースしたと批判している
- ディズニーとNBCUが保有する世界最大級のIPポートフォリオを共同で防衛するための戦略とみられ、ニュース業界など他産業の同様の対応の流れとも重なる
- スタジオ側はAI技術の可能性を前向きに評価する一方で、「AIによる著作権侵害も違法だ」として強力な法的対応を予告している
訴訟の概要
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提訴の背景と内容
- 提訴時期: 2025年6月
- 提訴先: 米カリフォルニア中部地区連邦地方裁判所
- 主張: MidjourneyがディズニーとNBCUの著作権で保護されたキャラクターを学習データとして使用し、それに基づく画像生成が直接・間接の著作権侵害に当たる
- 証拠: 『ライオン・キング』『アラジン』『ミニオンズ』などのキャラクターに類似したAI画像数十点が含まれる
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協議決裂と提訴の不可避性
- 両社は提訴前にMidjourneyとの友好的な解決を試みた
- しかしMidjourneyは他のAI企業と異なり交渉に応じず、その後もより高品質なバージョンを継続して公開した
- 訴状には、Midjourneyが「自社の収益に集中するだけで、原告側の要求を無視した」と記されている
法的・産業的な意味
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ハリウッドIP保護の連携
- ディズニーとNBCUはハリウッドで最も多くの知的財産(IP)を保有する二大スタジオ
- これまでは**MPA(全米映画協会)**を通じた業界横断の対応が一般的だったが、今回は個別企業による共同行動という点で異例
- 提訴対象は**プラットフォーム(Midjourney)**であり、個別ユーザーではない — AIサービス提供者の責任を問う戦略を示している
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類似する対応の動き
- 2025年2月、主要報道機関13社がAI企業Cohereを相手取り提訴
- News Media Allianceなどニュース業界でも、生成AIによる権利侵害に対応する動きが進んでいる
両社の発言要旨
- ディズニー法務責任者 Horacio Gutierrez:
- "AIは人間の創作を助けるツールになり得ると信じているが、違法コピーはAIであっても正当化されない"
- "著作権法による保護は、創作者が収益を得られるようにするための中核原則だ"
- NBCU法務責任者 Kim Harris:
- "創作者の努力と投資を守るための訴訟だ"
- "技術が何であれ、盗みは盗みだ。今回の件は明白な著作権侵害だ"
今後の見通し
- ハリウッドの主要スタジオが生成AIプラットフォームへの強硬対応を本格化させる可能性が高い
- 著作権侵害の判断基準が「AIが作った複製物」に焦点を当てているため、類似サービスにも法的責任が及ぶ可能性がある
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